表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/16

街コロ②

ランドマークの効果とコスト

駅 4コイン ダイス2個を同時にふれる

ショッピングモール 10コイン 自分のカップマークと商業施設マークのカードで得られるコインを+1する

遊園地 16コイン ゾロ目を出したらもう一度自分のターン

電波塔 22コイン 毎ターン、一度だけダイスを振りなおせる

 ゲームが進むと面白いことに凄く性格がでる。コウタは勝利条件のランドマークの駅をさっさと作って、大きい数字のカードを狙っている。私は他の人が出してくれるのに期待して青いカードを中心に増やしている。

「それじゃ俺はもう一枚コンビニ貰うね。ツバキーマート4号店だ」

 唯一の経験者の椿くんは4枚目のコンビニを買っていた。というか、それしか買ってない。でも確かにあれなら自分で4が出せればそれだけで12コインだ。あっ、なるほど、先にショッピングモールを建てるつもりなんだ。そうすれば1枚あたり4コインだから16コイン。6枚買われたらそれだけで24コインだ。全部買われるとまずいかも。

 私の番だ。……出目は2。買った牧場とパン屋で2コインだ。それだったら——。

「えっと、わたしも1枚貰っておきます」

「お、さては俺の思惑に気付いたね。でも後のは俺がもらうからね」

 コウタの番になってサイコロを2つ振って出目は6。スタジアムの効果が発動して全員から2コインずつだけど、椿くんが持ってないから私から2コインだけだ。

「思惑が何かはよくわかんねえけど、買われると困るんなら俺もコンビニ買っとくか」

「あ、よくないって。営業妨害だよ」

 そんなこんなでゲームは進み。みんな残すランドマークは電波塔だけになっていた。コウタの手番で持ちコインは20ほとんど王手だ。

「いくぜおらっ、おっしゃ10だ。リンゴ園で9コインで22コインで俺の勝ち……なんだその手?」

 椿くんはコウタに何かを要求するように手を伸ばしていた。

「ええ、ツバキーマートは多角経営に乗り出しまして、3コインほどいただけますでしょうか?」

 気が付くと椿くんの街にはファミレスが建っていた。さっきまで9も10もほとんど出ていなかったら気が付かなかった。けど、コウタはそれでも余裕綽々といった感じで軽くコインを投げ渡す。

「なんだよ。マジか、でも4以外じゃ勝てないだろ、ユキは大して怖くないし、次に俺の番が回ってきたら俺が勝つ」

 いってくれる。でも確かに私の持ちコインは、さっきコウタが出した10でもらったリンゴ園のコインをたしても10コイン。仮に一番稼げる10を出してもリンゴ園が3枚で9コイン。出したら椿くんに3コインはもってかれちゃう上に、コウタも2枚ファミレスを持っていて6枚もってかれる。自分で10を出しても実質0だ。正直かなり苦しい。ゾロ目を出し続ければ、遊園地でもう一回ターンをやってなんて思うけど、そんなに何回も出せるものじゃない。

「ここで4を出すのが勝負師ってもんよ。ていやっ」

 手の上で何度か弾ませた後に振ったサイコロの出目は6。発動するのは椿くんが持っているビジネスセンターだ。自分の持っている建物と他の人の建物を交換する効果だ。

「んー、どうするかなぁ。本当はコウタくんのリンゴ園もらってファミレスを買いたいんだけど、そうすると、次の手番であがれなくなっちゃうんだよなぁ。あと、こういう時に受け身になると勝てないんだよね」

 椿くんの持っているコインは7枚で4を出したときの16枚で23コインだ。無駄に使える分はない。

「よし、ここは悪いけどユキちゃんの鉱山を貰うね」

「うう、やっぱり」

 流石に目ざとい。これで椿くんの持つ鉱山は3枚、9が出れば15コインだ。それでちょうど22コインだ。私に交換で渡されたのは麦畑。戦力不足だ。

 出目は2のゾロ目で4。貰えるのはコンビニで4コイン。できることなんて……。

「いや、わからないかも」

 さっきもらった麦畑がある。それと、あのカードがあればなんとかなるんじゃないかな。

「私は2コイン払ってこれを貰う」

 私が買ったのは青果市場。その効果は11~12を自分で出したら農業施設1枚につき2コインを貰う。

「へえ、なるほど考えたね」

 私の街にはこれまでで集めたリンゴ園が3枚。最初から持っていた麦畑が1枚。そして椿くんがくれた麦畑で計5枚だ。出せれば10コイン。持っているコインは12コイン。出せれば合計で22コイン。

「そして、遊園地の効果でゾロ目を出したからもう一度私の番だ」

 サイコロを握る。

 二つのサイコロを振って11か12がでる確率は……12分の1。8パーセントちょいだ。逆に私が出してコウタの勝ちがほぼ決まるのが9と10……36分の7になるのかな。これは20パーセントないくらい……やめよう、こんな風に考えるのは意味ない。私が出来ることはサイコロを振ることだけだ。

「えいっ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ