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ギリギリカレー①

 朝の学校に一番乗り。今日は私、赤羽根由紀の日直の日だ。と言っても今の全校生徒は海外旅行中のヒマワリちゃんを含めても5人。連休でもない限り週一で周ってくる仕事の日だ。正直めんどくさいけれど、今日は待ちに待った調理実習の日だ。料理は私の数少ない特技であり、食事は私の数少ない趣味だ。美味しいご飯は食べた人を幸せにするし、それを見た人も自然に幸せになれる。最高だ。

「おはようユキちゃんご機嫌だね」

「あ、椿くんとユズちゃん。おはよう 顔に出てた?」

「おはようございます。そりゃ聞かなくちゃ失礼なくらいでした」

 最近仲いいな。よく2人のシーンを見かけるような。

「にしても2人とも早いね。朝礼までまだ時間あるけど」

「早い時間に行くと見られる鳥がいるのでそれを見にいってきました」

「思いの外簡単に見られたね」

 なるほど、だから2人一緒なのか。

「おいっす」

 鞄を肩に担いでコウタが入ってきた。日直の日以外はギリギリの日も多いのに珍しい。

「コウタ。どうしたの? 早くない?」

「自作の原付が完成してな。途中までそれで来たんだよ」

「あー、あれか。完成したんだ」

 凄いな。ホントに作っちゃうんだ。

「えっ、なに自作の原付って?」

「ああそっかカズヤは知らねえか。うちは修理工でな。エンジン以外は自作で作ってたんだけど、それが昨日ようやく出来たんだ」

「え、そもそも免許はあるの?」

「ないぞ。でもこの辺りの農道はほとんどヒマワリの家の私有地だからな。免許なんていらん。ヒマワリにも許可もらってるしな」

「え、それじゃ僕も乗ってもいいの?」

「いいけど、俺の可愛い子どもなんだから傷つけたりすんなよ」

 それから椿くんは興味津々といった感じでコウタに質問する。コウタも興味を持たれるのが嬉しいのか、得意気になって話している。

「さてと、私は」

「え、何かあるんですか」

「今日は調理実習だからね。下ごしらえしに行かないと」

「それはもう調理実習の域を超えているような気もしますけど」



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