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苦いけど甘い、たとえばあなたのような

作者: 成瀬結

私には、好きな人がいる。


 まあ、高校生なんだから、大して珍しい話でもないけど。



 その人は、同じクラスの男の子。背が高くて、色が黒くて、顔もそこそこかっこいい。中高一貫だからその人のことはもう三年以上知っているわけなんだけど、あれ、こんなにかっこよかったっけ、と思う。


 中学の時は、もっとこう、地味な感じだった。服装にもあんまり気を使ってなくて、Tシャツにジーンズっていう、ファッションに無頓着な恰好ばかりしていた。(うちの学校、制服ないんです)。



 でも高校に入って、一気に垢ぬけた。オシャレになったし、メガネからコンタクトになったし。それに、少し明るくなったような気がする。



 そんなわけで、彼は今、クラスの女子からの人気をひそかに集めているのだ。で、その女子の中の一人が、私。



 どうやったら、彼を振り向かせることができるのだろう。高校デビューというには遅いけど、私もちょっとだけ背伸びしてみるかな。


 自分と同じように背伸びしてる人がいたら、きっとあの人の目にも留まる、はずだよね。



 大人っぽくなる。…どこから始めよう。


 


 とりあえず、エスプレッソが似合う女でも目指すか。



 自販機で買ったやたらに甘い缶コーヒーを、ゴミ箱に投げ入れた。

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