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短編

スキル《死ぬほど強い》

作者: 龍崎 明

 「死ぬほど強い」という言葉がある。しかし、皆さんは疑問に思ったことはないだろうか。いったい、誰が死ぬほど、強いのだろうか、と。


 そして、ここに《死ぬほど強い》という奇特なスキルを手に入れた一人の若者の姿があった。


「あっ……」


 観察を始めて、数秒。若者は、こけた。それはもう、盛大に、こけた。


 そして、死んだ。


 呆気なく、死んだのだ。


 崖から落ちての墜落死だ。


 ……


「あれ?」


 そして、若者は復活した。少しだけ強くなって。


 そう、《死ぬほど強い》とは、死ぬたびに強くなるということだったのだ!


 ……


 別の若者を見てみよう。彼もまた、《死ぬほど強い》というスキルを持っている。


「元気かい?」

「おうよ!」


「お加減はいかが?」

「いつも通りさ!」


 ……


 若者は健康で有名だった。そして、国中を襲った疫病の時でさえも、健康だったのだ。


 そう、《死ぬほど強い》とは、病原菌が先に死ぬほど強い体という意味だったのだ!


 ……


 別の若者を見てみよう。彼女もまた、《死ぬほど強い》というスキルを持っている。


「ついに、遂に、見つけたわ!お姉ちゃんの仇!」

「小娘一人に何ができ……グワァアア!!」


「勝った……」


 彼女は呆気なく、魔王を討ち果たした。しかし、彼女もまた死んでしまったのだ。


 そう、《死ぬほど強い》とは、自身も耐え切れないほどの強さを持つという意味だったのだ!


 ……


 

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