第6話 ランクが上がった
こんにちは!気付いたらブックマークがふえてた!有難うございます!
これからも頑張りますねっ☆
私が見つけた幼女は、この世界では全く見ない、黒髪で、よく見ると、近くに名札とランドセルが落ちている。小学二年生。
「日本、人?」
間違いない、この子日本人だ。この世界では、とても一人では生きていけない。
「ねぇ、どうして泣いてるの?」
泣きじゃくる幼女に、私は聞いた。
「あのね、朱里ね、公園にいたら、ぴかってしてね、でね、おめめあけたら、ここにいたの」
朱里ちゃんって言うんだ。うわあ、私と同じタイプの転移だぁ…。え、連れて帰った方がいいよね…?
「ねえ、良かったら、お姉さんの所、来る?」
女の子はうなずいた。どこにも行くところが無いのだろう。
私は朱里を連れて帰った。
「カスミ、ただいま」
「おかえりー……どうしたの?その子。さらってきたの?」
カスミ、ひどい。
「ちがうよ。この子、私と同じ、日本人なの。」
「あー、だから、リナーテと同じ髪色なんだね。」
さすがカスミ、話が早い。
「お腹空いてるだろうから、スイーツでも出そうと思うんだけど、カスミも食べる?」
「美味しいの?」
「うん、甘いよ」
「食べる‼️」
うん、言うと思ってた。
朱里を連れてスーパーの店内でケーキ選びをする。
朱里は泣きつかれたのか、すずと串焼肉といっしょにカートに乗って寝てしまった。
今日は奮発して、色々選ぶ。食べ比べしよっと。
それに、朱里には起きてから選んでもらえばいいしね。
買ったのは、イチゴのショートケーキ、チーズケーキ、ミルクレープ、モンブラン、プリン、いちご大福、御手洗団子だ。
これだけあれば、三人でも、大食いのカスミがいても足りるでしょう。
お会計をしてから、家に戻り、朱里を起こしてケーキを食べる。
「「「いただきます」」」
「ん~、甘くて美味しいね!もう、こんな美味しいものがあるなら教えてよ、リナーテ」
「いっつもカレーがいいって言ってたのはカスミじゃん」
「里奈お姉ちゃん、こんなに食べていいの!」
朱里が目を輝かせた。まぁ、こんなにケーキを食べることなんて、めったにないよね。
「もちろん。朱里のために買ったんだから。」
そう言うと、朱里はどんどん食べ始めた。
あわわ、私のケーキが無くなる~!
「待って、私も食べる!」
「お姉ちゃん、早く食べないとなくなっちゃうよ?」
そうだね。
「いただきます」
ん~!美味しい、生クリームがたまらん!
「「ごちそうさまでした!」」
もう一個~って、なかった。
食べ比べしたかったのに!私にも残しといてよ~~!
結局ケーキのおかげで、朱里は私たちにとてもなついた。
私とカスミと朱里は今日、ゴブリン討伐をしに、森に来ている。
なぜ朱里を連れてきたかと言うと、なんと、朱里のスキルに『バリア』があった。
バリアって、レアだった気がするんだけどね。
まぁいいか。使える物は使う。朱里のギルド登録もした。
だから大丈夫!朱里もうなずいた。
そして、今に至る。
「朱里、バリアは?」
「張ってあるよ」
「あたしも、いつでも行ける」
目の前にはゴブリンの群れがある。 家っぽいのもあるね1、2、3、4…10件。やばっ。
「いくよ!」
カスミの掛声と同時に戦いがはじまる。
私もショートソードを必死にふりまわす。
「やった!」
隣ではカスミがゴブリンを倒している。
負けてられない!
ゴブリンの叫びが響くなかで、必死で戦う。
あー、もっとスムーズに戦いたい。なんか、ぼんってー。
あ!!!
魔法‼️
カスミが私のスキルに火魔法があるって言ってた!
火魔法といえば!
「ファイヤーボール」
自分の中で何かが動く気がした。これが、魔力、なの?
すると、自分の手の中に火が現れた。これが、ゴブリンに当たれば!
「いけっ!」
私はボールを投げた。が、ぜんぜん届かなかった。
「きゃっ!?」
ゴブリンの周りの木が燃える。
「リナーテすごい!ゴブリンがパニックになってるよ!今のうちに攻撃しよう!」
「え?う、うん?」
なんか、役に立ったっぽい。やったね!
ゴブリンはパニックになって、固まっている。
これなら私でも倒せる。
「うおおおおおぉぉぉ!」
ギルドにて。
「これまた多いですね…」
狩ったゴブリンの数、248。
「はい、朱里のバリアがあったので、戦いやすかったですよ」
朱里はギルドのお姉さんの膝に乗り、「朱里ね、ばーんってなったり、どーんってなったりしても、頑張ったんだよ!」と自慢している。
「そうなんですか。にしても多いですよ。集落でもあったんですか?」
「?」
私達は首をかしげた。
「聞き方を変えましょう。そこに家のような物はありましたか?」
「はい、10件ほど」
「おめでとうございます、いま、あなた達はFランクです!」
「え?」
マジで!?
「やった!」
「ありがとうございます!」
「でも、これだけで1000ポイント貯まるの?」
「いい質問です、アカリさん」
ギルドのお姉さん、ザルアさん曰く、集落を潰したことで、ボーナスポイントが出たらしい。
これで私達はFランク。頑張ろう!
今日はカスミと朱里に留守番してもらって、ギルドに来ている。
朱里のスキルについて聞く為だ。
「こんにちは」
「あら、リナーテさん。どうなさったんですか?」
「朱里のスキルについて聞きたくて」
「こちらへどうぞ」
ザルアさんが奥に連れていってくれる。
「朱里のこと、どう思います?」
「かわいいと思います」
そっちじゃなくて!否定しないけど!
「そっちじゃなくて、スキルとかの方です」
「ああ、そっちですか。そうですねー。この年齢でバリアが使えるのはすごいと思います。バリアを使うには、基礎的な魔力が600必要になるので。ちなみに、冒険者の平均の魔力が200です。」
「え、じゃあ朱里は…」
「そう。とてつもなく魔力が多いですよ。リナーテさんよりも、カスミさんよりも。」
「そう、なんですね…。」
朱里の魔力、やばかった。
「あと、ギルド登録初日でランクアップしている人を初めて見ました。」
「え?グループの実力じゃないんですか?」
そう、私たちはグループで活動している。
朱里も登録しているはずだけど…
「アカリさん、グループ登録、されていませんよ?」
あ。忘れてた~!朱里のパーティー登録!
「忘れてました…」
「そういうこともありますよ。けれど、気をつけてくださいね。」
何が?
「あれくらいの年齢であの魔力ですと、感情が高ぶった場合、魔力が暴走して、周りに危害を加えることがあります。」
ないことを願う!
「しっかり見ておいた方が良いですよね」
「そうですね」
朱里について、魔力について、異世界転移について、考えさせられた1日だった。