第3話 初めての任務と我が家
こんにちは!この作品も3話目です!
よろしければ、評価もしていってください!
今、私とカスミは武器屋へ来ている。
ギルドの受付の人にスライムの倒し方をちゃんと聞いてきた。真っ二つにするとお亡くなりになるとのこと。それならショートソードぐらいがいいだろう、ということで、ショートソードを買いに来たのだ。
「あ、リナーテ!これ、良くない!?」
「どれ~?」
「これ!刃のところに、無料で名前彫ってもらえるんだって!切れ味も良さそうだよ!お値段、銀貨六枚!」
「いいね、それ!それにしよう!」
私たちは今、森にいる。今は任務の真っ最中。頑張らなくっちゃ!
「リナーテ、あそこ!スライムの群れだ!」
「よし、行こう!」
群れに突っ込んで行って、斬ろう。
「やったー!一匹たおした~!」
なんと!カスミに先を越されてしまった!
「負けてらんないね!」
私も一匹斬ってみる。
ぷちっ。
透明な皮が破れて、水が出てきて、魔石になった。
…これだけ?これだけなの?ほんとに?…あ、この子…
「リナーテ、何ボーっとしてるの?たおさないと!」
「あ、うん!」
私はあわてて目の前にいた子どものスライムを抱きかかえた。
「大丈夫だよ。今日からあなたは私のなかまだからね」
他のスライムを斬りながら、抱きかかえたスライムに語りかけると、嬉しそうにプルプルふるえながら私の腕をペタペタと さわり出した。…可愛いじゃん。でも、なんか、怖がるとかないのかな?
その間も、私たちはプチプチとスライムを斬っていく。
…ん?ペタペタされる感触が消えた?まさか…
「ねえ、カスミ。子どもってさ、どうしてこんなに電池が切れるのがはやいんだろう?」
「寝ちゃったんだ…?従魔にする子?」
「そう。可愛いでしょ?」
「うん!」
そうこうしているうちに、スライムは私とカスミの従魔をのこして、全て魔石に変わっていた。
「うわぁ、これ、スライム倒すより、魔石を集める方が大変そうだよぉ…」
「あ、やっぱりカスミもそう思った?」
魔石を集めるのには三十分ぐらいかかった。精神的にも体力的にもやっぱり疲れた。
やっと、ギルドに、ついたぁぁ…受付まで、もう、ちょっと…魔石と、スライムくんが、重い、よぉぉぉぉぉ…
「任務、終わりましたぁ…」
「あとぉ、従魔登録、お願い、します…」
「お疲れ様でした。あちらにどうぞ。」
席をすすめてもらい、お水をいただく。ぷはぁ、生き返った~!
「それでは、魔石をこちらへ」
「これです」
「…多いですね。」
そうだよね、多いよね。いっぱい倒したもん。頑張ったもん。
「ええっと……魔石三十個で、銀貨三枚ですね。」
「ぎっ、銀貨三枚!?私の一か月の収入より多いんだけど!?」
後ろからスライムくんが心配そうにかげから私たちを見ている。
ごめんね、心配かけて。
「どのように分けましょうか?」
「半分でいいよね?」
「うん」
「半分でお願いします。」
「分かりました。にしても、凄いですね、このスライムの魔石の量。群れでもあったんですか?」
「はい、大きい群れが。ほんと、運が良かったですよ。」
…疲れたけどね。
「良かったですね。はい、銀貨一枚と銅貨五枚ですね。」
「ありがとうございます」
「あと、従魔登録は、この書類に必要な事を書き込んでください」
「はい。」
ええっと、従魔の種類と、名前…名前?そう言えば考えてなかった!どうやらカスミも同じことを考えていたようで、考え込んでいる。
ううぅぅぅん……あ、これはどうだ!
私は思いついた名前を書類に書き込んだ。カスミも上機嫌で何やら書き込んでいる。
私は、すずという名前にした。鈴木のすずだ。
カスミは、どんな名前にしたのかなぁ?
それから、私たちは書類を提出して、すずを抱えて冒険者ギルドを出た。
冒険者ギルドを出た私たち。のんびり歩いていると、素敵な話題が持ち上がった。
「ねえ、リナーテ。一緒に仕事するんだから、一緒に暮らしてる方が良くない?」
「それって、家を買うってこと?」
「うん」
わお!いいね、いいね!マイホーム!
「で、なんだけど、リナーテ、いくら持ってる…?」
「ええっと、大金貨二枚と、金貨四枚とちょっと」
「ええぇっ!?その金額だったら、家が二軒くらい買えるよ!?」
「いや、買うのは一軒だからね!?」
「いや、分かっているって!」
「どうする?、探す?」
「探す。」
「お金は私が負担するよ。私も使う家だからね。」
「!ありがとう、リナーテ!リナーテは天使かなにかかなぁ?」
「アハハ、そんなんじゃないって!」
異世界から転移して来た異世界人ではあるけれど。
「ほんとにありがとうねぇ。物件を探すなら、ランドレン商会が一番だよ。いろんな物件があるんだよ」
へぇ!商会!やっぱりあるんだ、商会!く~っ!ワクワクしてきたぁ!
「それ、どこにあるの!」
ヤバい、ワクワクが暴走してる!ワクワク、落ち着いて!
「ん?そこだよ。」
カスミが指さしたのは目の前にある立派な建物だった。
「ほんとにこれなの?」
「そうだよ。行こうか。」
「う、うん」
「いらっしゃいませー」
わぁお、素敵な店内!
「すみません、二人で住める一軒家って、どんなものがありますか?」
「朝市と、森に近いところがいいんですけどぉ…」
「この物件はどうですか?」
おぉ!対応が速い!
物件の見取り図を職員の人が見せてくれた。
「ここが玄関、そして、この奧がキッチンですね。机はカウンターになっております。その奧がトイレです。」
いいね。この物件いいね!
「二階は、寝室と小部屋がいくつかありますね。場所は、東門広場を少し行った所です。」
東門広場!ツーゼさんのお店の前の広場だ。確かに朝市にも森にも近い。
うふふ♪私とカスミのマイホーム!楽しみだなぁ!