第3話
「華ちゃん!!」
壁が動いてフワフワがやって来た。
懐かしいソプラノボイス。
「桜子・・・」
開かない目を無理に開けると、フワフワでキラキラの桜子が見えた。
文字通りお姫様の格好で。
髪は優雅に結い上げられ、美しい首のラインが出ている。
その首には日本では○輪さんかデ○婦人か○姉妹位しか 着けているのを見たことが無い巨大なキラキラが・・・。
「華ちゃん臭い!!!」
眉間に皺を寄せて言い放つ桜子に嫌がらせに抱きついたまま意識を手放した。
ここには無い星が見えた。キラキラだ。
目を開けたらフワフワが泣いていた。
昔からよく泣く。
些細な事で泣き、自分の立場を有利にする為に泣き、失敗をごまかす為に泣いていた。
でもこんな泣き方は久しぶりだ。
「ぶっさいく」
「華ちゃん!!!!気づいたの?って何よ!!!そのぶっさいくって!!!!」
桜子が両肩を揺さぶりながら叫んでる。
夢じゃないな。
「桜子。鼻水出てる。」
殴りやがった。事実を言っただけなのに!
「桜子。説明希望。なんでキラキラ?」
叩かれた頭は痛いが取り合えず現状を理解したい。
あの臭い所とは全く違うロイヤルスイートな部屋。
ベットはフワフワ。大きな窓にはレースのカーテン。
桜子が渡してくれたコップの水は人生で一番おいしい。
「華ちゃんの言ってる意味は半分しか分からないけど、ここはお城」
桜子がバカに見えた。
「華ちゃんバカにしてると思うけど、本当だから。」