第17話
常識とは何だろう?
平成日本において、色で差別される事ってあるのだろうか?
人の美醜により見た目で判断などはされるが『色』でって。
金髪のクラスメートの事を「あの子、あんな髪の色しているけど結構マジメなんだよ~」的なコメント入れてみたり、ピンクの髪にしちゃった友達に「ピンクって!アニメか!」と突っ込みは入れるが、差別はしない。それは元の色がある程度決まってるからだろうけど・・・。
人種差別と同じ経緯であるのだろうけど・・・。
私にはわからない。この世界は美醜で力が決まるらしいけど、色も関係あるのかな?
「茶にする?!意味がわからない・・・馬鹿なのか?」
私の質問を受け付けてくれる可能性のある、唯一の人が私以上に混乱と疑問の渦に巻き込まれているので聞けない。先ほどからアエーシュマさんが呪詛のように茶髪にする日本の若者を非難する言葉をブツブツとつぶやいております。
アエーシュマさん。コペルニクス的思考の変換が必要だね。
今のままでは、たぶん理解できないと思う。
「貴様らには貴色をまとう誇りが無いのか!!!」
呪詛が吐き終わったのか、再び矛先が此方に向いた。
「誇りを持つ所が違うのだと思います。私達の世界でアジア圏に住む人間はほとんど黒です。珍しくもなんともありませんから、色に誇りを持つ人はいないと思います。」
私の言葉にアエーシュマさんは固まっている。
えっ?今まで知らなかったの?
今まで、こっちに呼ばれた人って地球の人では無かったのか?
黒髪、黒目が貴重な世界から呼ばれた?
それとも自分の貴重性を高める為に、言わなかった?
「あの~。私たちの前に、此方に呼ばれた方は、この事について何もおっしゃらなかったのでしょうか?」
アエーシュマさん動かない
「えっと。たぶん、私たちと違う世界から来られた方なんでしょうね。きっと。
そちらの世界では、おそらく黒に誇りをもたれているのでは?私たちの世界くらいじゃないです。黒がいっぱいって!」
なぜだかわからないが、フォロー(?)をしてしまう。
「・・・・」
私のフォロー(?)が効いたのかアエーシュマさんフラフラと動きだした。
フラフラと・・・。
歩き出した。廊下の向こうへ・・・。
えっと。緑の子をほったらかしてますがワタクシどうすれば良いのでしょうか。