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第12話

茶色の人、アエーシュマさんは来てくれた。

ちょっと感動。

話の通じる人なのかもしれない。

ザリチュさんの所有者だけど。


「さっさと話せ」


偉そうな態度は仕方ない。だって偉いんだもん。

自分に言い聞かせる


「召還とか本当に分からない事だらけで、混乱しているのですが、教えていただけないでしょうか?」

「知ってる事は無いのか?」

「自分が力の無い美しく無い役立たずな物質って事だけです。」


自分で言ってて涙が出そうになるよ。

特に物質って辺りが。


「召還は王族のしかも直系一族のみが行える秘術とされている。」

「あの・・・。話の途中で質問しても良いですか?それとも話終わってからの方が良いですか?」

途中で質問して気分を害されて何かされては堪らんので聞いてみた。

「好きにしろ」

この人、やっぱり話が通じそう。

「宗佑・・・。あのアンラと言う人と一緒に居てる黒い髪の人なんですが、彼も私と同じ所の人間なんですが、ここに。

彼も後継者さんに呼ばれたのですか?」

「ああアールマティの配偶者だろ。あれも、問題だな。伯爵家の当主は現王の兄君なんだ。後継者レースから外れたな。」

「ものすごい嫌な感じなんですが・・・。」

アエーシュマさんは楽しそうに笑った。

「そもそも後継者ってなんだと思う?」

「王様の息子さん?」

アエーシュマさん更に笑う。

「そう。それは正解。そもそもこの後継者の選び方が問題なんだ。」

そばにあったグラスにお酒っぽいものを なみなみと注いで渡してくれた。

なんか良い人っぽく見えてきたのは気のせいか?

「現王の時にも召還が行われた。お前と同じ黒い髪の女が来た。誰の為に来たと思う?」

アエーシュマさんはずっと笑ってる。

良く見ると目は笑ってない。

良い人に見えたのは気のせいだった感じ。

「後継者さん。・・・。まさか伯爵さんでしょーか?」

「正解だ。飲め」

そう言われて断れる状態にありません。

酒は強い方だし、酔っ払う事はないだろう。

一口のんで手が震えた。

ものすごいキツイ。

「その通り。その時、後継者だったのは現伯爵様だ。じゃあ何故 王にはなれなかったと思う?」

「召還された花嫁が・・・」

「正解!飲めよ!」

更に注がれた。

もう、すごいグチャグチャな事が増える一方なんですが何この世界!!!

グチャグチャを吹っ切るためにも思い切って飲んだ。

テキーラに近いのに、ワイングラスっぽいので飲むって匂いも味も堪らん。

きつすぎる。

でも酒でも飲まなきゃ聞けねーよ。こんな話。

「その花嫁は現王を選んじまった。で、選ばれなかった伯爵様はその時は何も事は起こされなかった。決まりだしな。」

そう言ってキツイお酒を一気にあおった。

大丈夫なんだろうか。

「そんな伯爵様は自分の花嫁に妹君を選ばれた」

飲んでた酒を噴出しそうになった。

えーと。

この世界は近親婚って大丈夫なの?

「私の世界では近親婚は認められてないのですが、ここは大丈夫なんでしょうか」

稀人まれびとの間ではな。力がある者同士であれば力のある子が生まれるしな」

力あっても、他の大事なのを無くしてないか心配ですよ。

病気とか神経障害とかいろいろ・・・。

ハプスブルグ家とかそんなん滅んだのそれが原因じゃなかったけ?

「そうなると一番純粋な血統は伯爵家になる。血は濃いしな。自分の子供を時代の王にってな」

「えーと。後継者さんって血の濃さでなるのでしょうか?」

「ああ。それと異界の花嫁に選ばれればな。しかし、伯爵家の男子は成長せずに産まれてまもなく亡くなってしまった。」

ああ。やっぱり。

近親婚はダメなのは一緒か。

弱いな。

遺伝子はここの世界と近いのか?子供が出来るから異種って事はないだろう。

「唯一 生き残ったのが女子。アールマティ。」

ちょっと待って。

その彼女の為に呼ばれたって宗佑言ってなかったけ・・・

「この国は今まで女王は居ない。しかし女王が駄目だと誰も言った事は無い。」

手が震えてきた。

足も・・・・。

「先に召還したのは伯爵様だ。5年前に花婿を呼んだ」

「じゃ、じゃあ彼女が後継者さんでは?」

「そうだな。普通はな。でもな。後継者には異界の花嫁なんだ。花婿では無い。」

むちゃくちゃじゃないですか。

女同士で結婚は認められているのでしょーか。

子供は出来ちゃうのこの世界では?

「王の一番の責務は後継者を作る事だ。自分の濃い血を引いたな。

女同士では子は出来んから花婿を呼んだ。」

えーっとアールマティさんは何でそんな無茶をなさるのでしょうか。

呼んだら揉めるの分かってるじゃん。

アールマティさんが従兄弟あたりと結婚して血を濃くして男子出産して、その子を後継者とかにすりゃ良いのでは無いでしょうか?

無理なの?

「しかし、5年待ってもアールマティは子を孕めなかった」

「えっと。彼女はお幾つなのでしょうか?」

「20歳だ」

若っ!

若いから妊娠できなかったのでは?

これからでは?

「この世界ではそんなに早く妊娠するのでしょうか?私の国では40歳で初産の方も最近多いです」

「何?!40で?!たしかにアールマティはこれから妊娠するかもしれん。しかし出来なければ?待てない。」

「えーと。だから王様の子供、現後継者さんに花嫁を召還したんですか?」

「そう。」

「アールマティさんが子供を生んだら彼女が王様ですか?」

「違う。現王が存命中に子を生した者が王だ。両方できたら・・・。後継者のアフラが王になるだろうな。異界の花嫁はヤツを選んでる。花婿じゃない。花嫁だ。」

なーんか変なの。

こんなんで、みんな納得するの?

「いつだって選ぶのは異界から来た無関係の女だ。無能な。」

憎しみを込めた目でにらまれた。

確かに私も異界の人間なんですが、ひとつも選べないんですが。

選択肢もないんですけど。

「お前らのせいで・・・。」

っちょ待って下さいよ。

私関係ないじゃないですか!!




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