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第11話

「ザリチュ。起きないぞ。これ」

「異界人ゆえ我々と少し違うのかもしれません。」


そんな会話が聞こえたと思ったらペチペチと頬を叩かれた。

痛い。


「起きろ。俺は忙しい」


頬を叩く力が だんだんと強くなってきた。

全力で張り倒される感がイッパイになってきたので、

慌てて目を開ける。


目の前に茶色いショーグン似の男。推定年齢25〜30才 身長165cmくらい?

そしてピンクの男。男前。推定年齢20代前半 身長180cm以上?

男前だけど、ピンクはきつい。

文句なしの男前が真顔でピンクの髪に瞳ってシュールすぎる。


「ここは俺の屋敷だ。好きにしろ。腹が減れば誰かそのへんのヤツに言え。」

茶色の男はピンクの兄ちゃんに何か合図をして出て行った。

部屋の中にピンクと二人。

ある意味メルヘンって言えばメルヘンか?

お互い無言で見つめ合う。

「あの〜。私、どうすれば良いのでしょうか?」

「・・・。アエーシュマ様が何かおっしゃるまで、自由にどうぞ。」

アエーシュマって誰?茶色い人?

「ああ。アエーシュマ様は先ほど出て行かれた貴人です」

ああ。やっぱり。あの人、美しくないけど偉い人なんだ。

あれ?

宗佑が言ってた事と矛盾するなぁ。

「ねぇ。質問したいんだけど良いですか?」

「私が答えられる事でしたら」

邪気の無い笑顔で言ってるけど、『知ってる事』じゃなくて『答えられる事』って言う辺り、余計な事聞くなと無言のプレッシャーを感じる。


「ピンクの髪の人って多いのですか?」


予想していなかった質問なのか、ピンクの兄ちゃんは固まってる。

鳩が豆鉄砲喰らった顔ってこういうのを表現した言葉なんだろう。

ちょっと口が開いている。

彼の後ろにポカ〜ンと言う字が見えるよ。


「どうなんですか?」

もう一度声をかけると、ようやく動き出した

「そ、そんなに多くはありません」

良かった。

ピンクのおっさんとか現れたら私、笑っちゃうかもしれないよ。

茶色の男みたいなのがピンクだと絶対笑う。


「いろんな色の人が居てますが、全部で何色あるのですか?」

「・・・。大きく分けて4色です。」


青い髪の人と黄色い髪の人の子供は緑になるのかしら?

茶色の人は黒い髪は利用できるみたいな事を言ってたから、普通にしてたら存在しないんだろうなぁ。


「そもそも、召還って何?」

「知りません」


この人、私と会話する気無いのか?

ものすごく真面目な顔して、バカにしてる感とかないけど・・・。


「全然、全く知らないのでしょうか?」

「よく知りません」


一歩前進ってか知ってる事だけでも話してよ!

ピンクものすごく真面目顔。


「あの〜知ってる事だけで結構なんですが・・・。」

「私は『トビト』なので・・・」

「『トビト』って何ですか?」

「ああ、力あるが知能低き者です」


・・・。

この世界本当におかしい・・・。

全身に鳥肌がたってる。

怖くて怖くて仕方ない。

ピンクの人は相変わらず真面目な顔で私を見てる。


「な、名前!私は倉敷くらしき はなです。華と呼んで下さい。」

「ザリチュです。アエーシュマ様の持ち物です」


怖い気分を吹き飛ばそうと明るく自己紹介してみましたが、とっても怖い自己紹介をされちゃったよ。

とりあえず、ここには基本的人権とかありえないと言う事が、よーく分かった。

ピンクの人 ザリチュさんでも持ち物なんですか。私って何扱い???


「ザリチュ!タルウィの所へ行け」


ノックも無く扉を開け茶色の人が戻ってきた。

ザリチュさんは勢い良く出て行っちゃたよ。

さっさと出て行こうとする茶色の人に勇気を振り絞って話しかけた。


「お聞きしたいことがあるのですが、今お時間よろしいでしょうか?」


眉間に皺を寄せてにらまれちゃったよ。

どうしましょーか。

日本人特有の愛想笑いをしてみる。


「後でまた来る」


愛想笑いが利いたのか以外にあっさり了承したよ。あの人。

しかも愛想笑いに驚いてたな。

あの人が話しの通じる人である事を全力で祈るよ。





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