プロローグ
プロローグ
いわゆる初めての彼氏ってやつだった。
顔面がモロ好みで性格とか考えずに猛烈アタックをかまし、彼女の地位をもぎ取った。
自慢の彼氏。
調子にのって、お惚気モード全開でどこに行くのも一緒。
友達に会うのも一緒。
・・・・。
現在、幼稚園の時からの友人。幼馴染と彼氏と私の三人で見詰め合っている。
いわゆるド修羅場ってやつだ。
幼馴染は昔から可愛かった。ふわふわの砂糖菓子のみたいな女の子。
いつも笑顔で私の大切な物を奪っていく。
大切にしていたクマのぬいぐるみ。
大切にしていた可愛いシャーペン。
大切にしていた素敵なカチューシャ。
大切にしていた青みがかったピンクの口紅。
「私の方が似合うね」
クマのぬいぐるみは、ふわふわの彼女に似合っいた。
シャーペンは、可愛い彼女に似合っていた。
カチューシャは、素敵な彼女に似合っていた。
そして、私が大好きで似合わないのに無理して買った、青みがかったピンクの口紅は色白の彼女をより可愛く見せていた。
だからって彼氏まで奪うの?!
「奪ったわけじゃないもん!彼が私を選んだのよ!」
彼は私から目をそらした。
・・・・。
そりゃそうだろう。ここで私の目を真っ直ぐみれる男なら私に現場を抑えられる前に自ら告白するだろう。
「あなたの幼馴染の方が好きになりました」と。
誰も何も言わない気まずい沈黙が続いた。
その気まずい沈黙を打ち破ったのは意識が飛ぶほどの閃光だった。