相違オフィシャル
煙草の煙は
地上にある屑
何処かで固まり
一つの星を作る
明るいかな
暗いかな
どうせなら
一等星が良いな
誰かの必要性を感じ
誰かの必要性を忘れた
悲しんで楽しんで
明るさに映る人形
パジャマの切れ端
ひびの入った玄関先は
傾いたポストから
雨粒が落ちて行く
ボロボロとは言わない
基準が無いから
知らないことは
絶対防壁
履いている靴が
左右で違うのに気づいた
一つが分かると
ドミノ倒しに疑問形
なんで、なんで
振り払う蝿が消えたら
物事に差があることが分かった
遅過ぎたんだ
もう夕方になった
帰る時間だ
どこに、どこに
彼処に帰るんだ
いつ飲んだか
わからない
アルコールに
真っ直ぐ線を引く
彗星を発見しながら
ガムの匂い
安っぽいミントガム
どうせなら
膨らませたいな
誰かの感情を話して
誰かの感情になる人が居る
面白くて虚しくて
暗がりで光る目玉
踵を忘れた靴
擦り破れたジーンズは
物干し竿にぶら下がって
挙動不審にしている
ドロドロとは言わない
基準が無いから
物差しが違うことは
納得で作られる
いつかのハンカチーフ
古いのに
未だに使っている
落ち着く物が
減少しては進行形
なんで、なんで
お気に入りが消えたら
時間に差があることが分かった
遅過ぎたんだ
もう夜になった
寝る時間だ
どこで、どこで
彼処の中で眠るんだ
リンの燃える匂いで
消した臭いは
旅立ちの日に置いて来た半身
贈り物になれば幸いで
厄介な物になるなら
鼻で笑ってあげたい
痛みを分け合うと
言ってしまえるほど
物分かりの良い人間に
成りたくはない
悲しみを分かち合うと
言ってしまえるほど
傲慢な優しさの人間に
成りたくはない
あんたの時間
1時間だけ預かります
この程度しか
責任は持てない
あんたのことは知らないから
知らずに持てる時間を
まずは言い切るだけだ
それすらしないで
大層な優しさを
掲げるんだね
同じ時間と空間が
手の荒れ方で違うのに気づいた
一つが分かると
空想に繋がる過去形
なんで、なんで
一種の集中力が消えたら
人間に差があることが分かった
遅過ぎたんだ
もう真夜中になった
夢見る時間だ
なにを、なにを
彼処に探しに行くんだ
夢見る時間だから