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1.囲まれ全裸


(∪^ω^)わんわんお!


 どうも初めまして、東 拓海です。


 現在、広い平原のど真ん中で、大勢の武器を持った人達?軍隊?に囲まれています。



 ……全裸で。



 なんだろう、確か俺は遅めの昼食を愛犬のシロコと取っていたはずなんだが……。


 うん、シロコはちゃんと横にいるな。

 つかおまえ、こんな状況でよく餌を貪ってられるな……。

 相変わらず食べるのがへたくそで、餌入れの周りに飛び散らせおってからに。


 あー、もう口の周りがビチャビチャじゃないか。



 ……うん、現実逃避いくない。


 いや、これは現実なのか?


 現在俺を中心に、半径100m先で百人単位の3つの軍団に囲まれとりますな。

 距離があるからよく分からんが、肌が白い集まりと黒っぽいの……、もう一つはなんか猫耳カチューシャみたいなの着けているのが見える。


 遠目からでもめっちゃ凝視されてるのが分かります。


 そりゃあいきなり全裸の男が犬連れで現れたら驚くよね。


 渋谷とかだったらきっとスマホで写真撮られまくって、SNSにUPされてしまうに違いない。



 なんだろう?


 各集団の前に人がいるな……。


 白い人は両手を俺に向けてなんか叫んでるようだ。


 猫耳の人は2人いるな、あれは踊り? いや、空手の型か? キレのいい動きをしているな。


 黒っぽい人は……なにあれ? 魔法陣?



 うん、各々の視線は確実に俺に向いてるな。


 なんですか? いきなりこんな訳が分からない状況で、いきなり自分殺されるんですか?


 うわっ!? なんか飛んできた!


「し、シロコ!」



 俺は横でいまだ餌に夢中なシロコに抱き着く。


 死にかけだったあの仔犬が随分と大きくなったなあ、さすがサモエドだな。


 そんな現実逃避していると視界が一瞬にして切り替わり、また見知らぬ風景の中にいた……。




    エルフの国の部隊



「どういうこと!? 私の前に転移して来てない!」


「どうもあちら側も同じ事を考えていたようですね……」


「じゃあ魔族側に奪われてしまったというの!?」


「……いや、あの様子は向こうも失敗したようですね、獣人族も同様に。

 恐らく同時に転移系の魔法、術式が混ざって転移先の座標が混ざってしまい、どこかに飛ばされてしまったようです」


「ちょ、ちょっとまずいじゃない! どうしよう!?」


「一度部隊を引き上げましょう、これ以上ここにいる理由はありません。

 国に戻って至急捜索隊を編成しましょう」


「……そうね、どちらにしろどの属性に染まったのか確認は必要よね。

 シリィは私の魔法が先に当たったと思う?」


「正直分かりません、キリアお嬢様の魔法の方が若干早かったようにも見えましたが……。

 それにしても転移術式を用意していたということは、あちら側も目的は同じだったようですね」


「迂闊だったわ、まさかあんな蛮族達に2千年前の資料があったなんて。

とにかく魔族、獣人族より早く見つけだすわよ!」


「分かりました」




     魔族の国の部隊



「……ミネイ、あの全裸の男が2千年前に全ての国、種族を統一した勇者に連なるものか?」


「ネネリカ嬢の放った転移陣っていうのは攻撃式ってわけじゃないんで、どの種族、属性でも抵抗が容易っす。

 簡単に転移させられたということは、少なくともこの世界の種族、属性持ちではないということっすね」


「……白い狼もいたな?」


「あんなに白い狼初めて見たっすよ、魔物って感じはしなかったすね。

 あ、エルフの連中急いで引き上げていきますよ」


「そのようだな……」


「うちらも戻ります?」


「……ああ、本国に戻って色々確認せねばならん」




     獣人族の国の部隊



「全裸だった!!」

「マッパだった!!」


「キシラ、キシリ、落ち着きなさい」


「飛地の型使ったら消えちゃった!」

「どっか行っちゃった!」


「そのようじゃな、本当なら儂の前に飛ばしてくれたのじゃな?」


「うん! ゲン爺の上に飛ばす予定だった!」

「ゲン爺と合体させたかった!」


「そんな事を考えておったのか……」


「白い狼もいた!」

「モフモフだった!」


「あれは神獣様かもしれん、なんとしても我が国にお迎えせねばならん」


「モフモフ!」

「モフモフ!」


「ああ、おそらく別の地に飛ばされてしまったようじゃ。

 早急に、エルフと魔族より先に見つけ出さねば殺されてしまうかもしれん」


「えー!」

「やー!」


「早く本国に戻るぞ、向こうも移動を開始しておる」


「早く!早く!」

「モフモフ!モフモフ!」



 全裸が現れて10分後にはその場に誰もいなくなった。

 出現した場所、その場に謎の幾何学模様を残して……。

 読んでいただいてありがとうございます。

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