チキ博士の研究
そこで、チキ博士は、「何でも屋」を訪ねてきたお客さんに、お代の代わりに聞いてみようと決めました。
こぶたのブタブタがやって来ました。
「チキ博士、聞きたいことがあるのですが……」
「お答えしましょう。その代わりに、あなたの愛するものについて教えてください。」
「私の愛するもの。それは可愛い息子のブタオです。ブタオは、泣き虫で甘えん坊で、目が離せませんが、毎日の成長が私にはとても愛おしいです。だから、今日もブタオのために美味しいクッキーを作ろうと思って、やって来ました。私は息子のためなら何でもできます。ブタオの笑顔が見たいのです。」
「ほうほう。ブタオのためなら何でもできるか……。」
次の日、イヌのヨン君がやって来ました。
「チキ博士、教えてほしいことがあります。」
「お答えしましょう。その代わりに、あなたの大好きなものを教えてください。」
「僕の大好きなもの。それはお兄ちゃんです。しっかり者で、怒ると怖いけど、僕はお兄ちゃんが大好き!毎晩寝るときにハグしてくれるんだけど、お兄ちゃんにハグされると、すごーく幸せな気持ちになるんだ。どんなに悲しいことがあっても、お兄ちゃんがいるだけで、僕は世界一幸せ者さ!だから、今日はお兄ちゃんの怪我を治す方法を知りたくて来たんです。」
「ほうほう。お兄さんと一緒にいるだけで幸せか……。」
3日目には、ネコのドーラがやって来ました。
「チキさん、教えてください。」
「お答えしましょう。その代わりに、あなたの愛しいものについて教えてください。」
「私の愛しいもの。それは相棒のヌヌちゃん。僕は、魔女見習いのヌヌちゃんが生まれたときから一緒にいるんです。ヌヌちゃんは食いしん坊で、寝相も悪くて時々僕たちは喧嘩もします。だけど、やっぱり大切な友達だし、ヌヌちゃんが幸せなら、僕も幸せなんです。だから、今日も最近元気のないヌヌちゃんの元気が出るような薬草について聞きに来たんです。」
「ほうほう。ヌヌちゃんが幸せなら、自分も幸せか……。」
チキ博士は、こうやって毎日お店にやって来るお客さんに尋ね続けました。