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寝落ち転移~寝落ちして起きたらマイキャラで異世界にいたんだが!~  作者: 水菜
第1章 異世界へ、そして運命の出会い
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第9話 専用特技(パーソナルスキル)

 昼食を終えた俺達は宿泊している部屋に戻ってきていた。

 俺達はそれぞれのベッドに腰掛けてお腹を休める。

 

「ようやく腹八分が把握できるようになってきました」

「昨日や今朝のは食いすぎだったのか?」

「今朝は違いますが、昨日は食べた後しばらくお腹が苦しかったんです」

「まあ、体変わって食べられる量変わってるからな~」

 

 ユリカは後方に両手をつき、楽な姿勢を取る。

 のんびりしている彼女を一瞥すると、俺は腕輪に目線を向けた。

 

「私は腕輪の確認の続きしてますね」

「はいよ。俺も少し中身の整理でもしておくかな~」


 ユリカは腕輪を操作し出す。

 俺も自分の腕輪を操作し確認作業を再開することにした。

 腕輪の上にモニターが表示されると、メニューのスキルの項目をタッチする。

 すると、メイン職業とサブ職業で習得しているスキル一覧が表示された。

 モニター画面の上の方を確認するとタブになっていってメイン職業とサブ職業毎に切り替えられるようになっているみたいだ。

 

 説明しよう!

 スキルには自分でタイミングを決めて発動できるアクティブスキルと習得するだけで自動的に効果があるパッシブスキルの二種類が存在する。

 アクティブスキルには主に敵にダメージを与える攻撃スキルや魔法攻撃スキル、補助や回復魔法をかけるスキルなどがある。

 一方、パッシブスキルには敵に与えるダメージが上昇したり、敵から受けるダメージを軽減したりするスキルなどがあるのだ。


 俺は最初に表示されたメイン職業で習得しているスキルを一通り確認していく。

 

(習得スキルもゲームだった時と完全に一緒みたいだな、よかった……)


 メイン職業の習得スキルがゲームだった時と同じだと確認できたので、サブ職業のスキル一覧を確認しようと思いタブの切り替えをしようとした。

 その時、メイン職業サブ職業のタブの他にもう一つ専用特技というタブがあった。

 

(専用特技? なんだ、これ?)


 見たことのないスキル項目に疑問を覚えながら、タブを切り替える。

 すると、見たことのないスキルが表示されていた。


 専用特技パーソナルスキル魔鏡に映りし虚像の業(トレースカウンター)

 

 そう表示されていた。

 俺はスキル効果を確認してみた。


 専用特技パーソナルスキル魔鏡に映りし虚像の業(トレースカウンター)

 スキルランク8 消費MP80 リキャスト60分

 相手のスキル発動時に使用可能。

 専用特技発動時、相手からのスキル攻撃のダメージ及び特殊効果無効化、無効化したスキルにリキャスト1440分を発生させる。

 無効化したスキルと同じスキルを無効化時にMP消費なしで発動する。

 その後、無効化したスキルと同じスキルを習得する。

 習得時に無効化したスキルとは別に相手の習得しているスキルランク5以下のスキルをランダムに習得する。

 習得できる数はランダムに0~5個である。

 

 そう表示されていた。

 表示されていたスキルの詳細を読んだ俺は、呆然としていた。


(なんだこのスキル……、強くね? 相手のスキル、何でもコピーし放題ってなんだ……。ていうかスキルランク8ってどういうことよ……)

 

 そう思いさらに呆然とする。

 現在のスターゲートオンラインで習得できるスキルでは3rd職業で習得できるスキルランク7のスキルが最高ランクなのである。

 ちなみに、スキルランク6以上のスキルが習得できるのはメイン職業だけだ。

 サブ職業は例え3rd職業だろうがサブ職業レベル100(カンスト)だろうが、スキルランク5以下のスキルしか習得できない。

 なので、職業によってはサブ専と呼ばれているサブ運用前提と言われている職業がいくつか存在しているのだ。

 しばらく呆然としていたが、我に返った俺はユリカに尋ねてみることにした。


「ユリカ、ちょっといいですか?」

「ん~……?」

 

 俺に呼びかけられたユリカがこちらに顔を向けた。

 

「今、スキル確認してたのですが、この専用特技パーソナルスキルってなんなのですか?」

「お、ようやくスキル確認したんだな」


 ユリカは質問の答えは返さず、満足そうにうんうんと頷いている。

 ある程度満足したところで再びこちらに顔を向けた。

 

「分かってることだけ言うとだな、どうもこの世界に飛ばされた転移者プレイヤーのみが持っているスキルみたいだぜ。専用特技パーソナルスキルは習得者の少ないレアスキルから結構多くの人が持ってるスキルまでいろいろだ。共通してるのはスキルランク8ってこととリキャストがあるってことだな」

転移者プレイヤーは皆、何かしらの専用特技パーソナルスキルを持っているのですね」


 俺がそう言うとユリカは頷いた。

 スターゲートオンラインのスキルには基本的にリキャストはない。

 MPがある限り、自由にスキルが使用できるのだ。

 唯一の例外として射撃職のソルジャー系統が使用できる特殊弾スキルのみリキャストが発生する。

 その分、スキル効果は当然強力だが……。

 

「エリア、もしよければだがお前の専用特技パーソナルスキル見せてもらってもいいか? 俺も自分の専用特技パーソナルスキル見せるからさ。お互いのスキルを知ってた方がいざって時にいいと思ったんだが、どうだ?」


 ユリカが若干遠慮気味に頼んできた。

 

(ユリカなら信頼してるし、見せてもいいよな。ユリカはどんな専用特技パーソナルスキル持ってるのか楽しみだな!)


 俺は笑顔で頷く。


「はい、いいですよ。ユリカのことは信頼してますから。ただ、ちゃんとユリカのも見せてくださいね?」

「あ、ああ……。わ、分かってる。だいじょぶだ!」


 何やら、ユリカは赤くなりながら少し慌て出した。

 俺は慌てる彼女を不思議そうな顔をして見ていたが、向こうが腕輪を操作し始めたのでこちらも同じ様にメニューの設定をタッチして非公開から公開に設定する。

 設定の切り替えを済ませてユリカの方を見ると、設定が済んだのか彼女の腕輪の上にさっきまでは見えなかったモニターが浮いているのが見えた。

 俺はユリカの隣に移動して腰掛けると、自分のモニター画面をスキル項目の専用特技パーソナルスキルの画面に切り替える。

 そして、自分のモニターがユリカに見えるようにしながら彼女のモニターを覗き込む。

 すると、モニターにはこう表示されていた。

 

 専用特技パーソナルスキル全てを貫く破砕の一撃(アブソリュートブレイカー)

 

 俺はスキル名を確認するとスキル詳細に目を通していく。

 

 専用特技パーソナルスキル全てを貫く破砕の一撃(アブソリュートブレイカー)

 スキルランク8 消費MP60 リキャスト4分

 近接属性攻撃スキル。

 相手の防御力及び耐性を無視して、スキルダメージを与える。

 スキル攻撃ヒット時、スキルが当たった相手の防御系の強化効果全て無効化、防御力及び耐性ダウン。

 スキル攻撃ヒット時、スキルが当たった相手の武器以外の全ての装備の耐久値にダメージ。

 

 表示されたスキル効果を見て、ふむと頷く。


(なるほど、防御型の相手に有効なスキルなのか。対人戦とかだとガーディアンの人とかすごく嫌いそうなスキルだな)

 

 ユリカの専用特技パーソナルスキルの第一印象はそんな感じだった。

 ユリカの方を見てみると、呆然とした顔で固まっていた。

 どうやら、俺の専用特技パーソナルスキルを見ていたようだ。

 

(まあ……、気持ちは分かる)


 ユリカは先程の俺と同じような状態になっていた。

 そして、我に返った彼女がこちらを向いて話しかけてくる。


「エリア……、お前の専用特技パーソナルスキルなんだありゃ? 初めて聞いたスキルなのもあるが随分と強力なスキルだな。まあ、リキャストがかなり長いから使い所は見極めなきゃならないけどな……」

「そうですね。私も最初見た時は驚きましたよ。すごく強力なスキルでしたし、スキルランク8なんてスキル初めて見ましたから」


 ユリカにそう言われ、俺は苦笑を浮かべる。


「ユリカの専用特技パーソナルスキルもすごく強力ですよね。防御力とか無視してダメージ与えるなんて。それに……、……」

「エリア? どうしたんだ?」


 突然黙り込んでしまった俺を、不審に思いユリカが聞いてくる。

 俺は途中で言おうとした言葉を飲み込んで考えていた。


(ユリカの専用特技パーソナルスキル、防具の耐久値にもダメージってあったけどまさか……?)

 

 俺は思わずユリカから距離を取り、自分の体を抱くように腕で体を守る。

 それを見ていた彼女は呆気にとられていた。


「……何してるんだ?」

「ユリカ、今まで他の人に専用特技パーソナルスキルを使ったことありますか?」


 俺は質問には答えず、ユリカを見つめる。

 彼女は首を傾げて、不思議そうな顔でこちらを見つめ返す。

 

「いや、ないぞ?」

「そうですか……」


 俺は安堵の息を吐き、抱いた腕を解いた。

 ユリカは不思議そうな顔をする。


「ほんとにどうしたんだ?」

「いえ、何でもないですよ?」


 俺は誤魔化すように目を泳がせる。

 

「まあ……、いいけど」 


 ユリカは怪訝な表情をしていたが、それ以上追及はしてこなかった。

 

(危なかったな。危うく恥ずかしい勘違いするところだった……)


 俺は内心で安堵して、サブ職業のスキルを確認しゲームだった時と違いがないことを確認するのだった。

 

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