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同僚夫婦

同僚にはか弱い妻がいる。

孤児院で育ちそのまま修道女となるはずだったが、祈り石を作り出すことができるということで聖女候補として連れられてきたのだが、紆余曲折あり同僚の妻となった

普通の生活をするための常識もマナーも体力もなく常に夫である同僚が付き添って教えていた甲斐があったのか3年ほど経った頃にはある程度普通に生活することができるようになった

彼女が作る祈り石は質が高く小さなものでも効果が高かった。夫である同僚が遠征になると妻たちが同僚の代わりに手助けをし生活していた彼女は感謝の気持ちとして妻に作った祈り石を渡した。それに祈りを上乗せして我々夫に渡してくれるので、我々の隊は生存率が高くなり後輩たちも多く入るようになる

妻と一緒に居たい伴侶が朝の礼拝に夫婦ともに参加するようになり、それを見た妻たちにおねだりされて我々もともに礼拝をするようになった。そのおかげで更に祈り石の力が上がりというように良い循環ができつつある。そのほかにも作った傷薬が多くなったといって兵舎にもってきてくれたりするようになり兵舎が汚いのを目のあたりにした彼女は掃除もしていってくれるようになり付き添いでいった妻たちも一緒にという風に兵舎の環境が変化した

きれいに掃除してくれている妻たちを見て未婚の兵士たちが、色めき立ちそれを察した同僚が未婚の女性元隊長の奥様に声をかけ慰問として組み込まれていった。

年頃の娘さんたちや未亡人がが掃除をしてくれるという状況に色めき立った後輩や結婚をしていない同僚たちが次々と相手を見つけて結婚していく。

作りすぎた祈り石をと隊長の奥様に相談して未亡人や両親が騎士で死亡してしまっている孤児たちの面倒を見ている施設にも分け与えられて環境もよくなり未来の騎士が自然に養成されていく環境も整えられていく。これもすべて同僚が結婚したからだということで、休暇申請がおりやすくなった同僚を恨む人間はいない

どうしても休みが取れない場合は婦人部で有志を募り面倒を見てもらっているといううのだ。妻のためにと整えられた同僚の家は過ごしやすいということで看病や相談事をするための家に訪れる婦人の多いこと多いこと。そのおかげで奥さんの安全が確保されているといえばそうなので問題もないらしい同僚である

「買い物をしたことがないと言っていたけれど。大丈夫かしら?」と帰宅すると妻に相談された。話をよく聞けば同僚の奥さんは買い物に出たことがないという。孤児院ではお使いと称して軽い買い物をすることはあっても生活必需品がどのくらいの値段で売買されているかなどということは知らないらしい

「そういうのは同僚がすべてやってあげているんだろ?」といえばうなずいて

「買い物は大体旦那様がしてくれるのでしたことがないし一緒に行くことがあっても散策くらいで本格的にはしたことがないって言っていたわ」と心配そうに話しているが抜かりない同僚のことだ対策も万全だろう

「子供ができたらどうするのかしら?」と言っていた妻の心配事は当たっていたらしく数か月後に調子が悪いと医者に見せたら妊娠していたと同僚が隊長に報告していた

それから婦人部との交流が親密化して妊娠から子育てまで同僚がいない時には婦人部あげて助けてあげていたので無事長男が生まれた。同僚と同じような顔つきであるが雰囲気が奥さんそっくりの息子を奥様と同じくらいに大切に育てている同僚を見て妻たちももう一人という雰囲気になり次々と周りの夫婦に子供ができていった。うちもその中の人家族であり3人目の子供を授かった

妊娠した家庭にと家に招く同僚の奥さん。それに付き合ってほかの婦人部の皆さんもといった感じで隊全体で妊娠出産を後押しする雰囲気が出来上がった

修道院育ちの奥様だからなのか出産に関しては強くいろいろと必要なものを婦人部の皆さんと作り上げたり自分の売り上げで共同で使えるものとして購入のための資金にしたりして子供のための商品を購入改造していく婦人部。それがまた商人の目に留まり市販されるようになってさらに資金が増える。そうなれば孤児たちに回される予算が増えるといった風にいい風が吹き続く

そんな折に同僚に面倒な仕事のが振り分けられた。それがきっかけで離婚の危機か!と怪しまれたが、婦人部ではフォローできないところが多いために教会に身を寄せただけだという。普通は親元に戻るのだか親がいない奥さんが安心して生活できるのは同僚の家か教会だけなので致し方がない処置である

婦人部のメンバーも教会に顔を見に行ってはいろいろと世話を焼いているところを見れば家にいるときとそう変わらないらしい。夜には同僚が教会に行き家族として生活もできているというが、ども一人で子育てをしなければならないと力が入り夜は早々に寝てしまっているということで起きている時には同僚にはあえていないみたいだ。子供たちは倒れるように眠りにつく母親とそれを大切そうに扱う父親を見て思うことがあるようで日中は子供ながらに奥さんを守っていると様子を見に行った妻と子供たちが言っている

同僚も日に日に顔色が悪くなっている奥さんを心配して早く任務が終わらないかとイライラしているが、奥さんと一緒に眠れているからこの程度で済んでいると思えば離婚とか言い出した原因となった人物には同情よりも自業自得だというしかない

断罪裁判がしめやかに行われ。関係者として奥さんも傍聴していた。子供たちよりも顔色を悪くしながら見ている奥さんを優しく抱きしめて大丈夫だと言って慰めている同僚がいる

そのあと1週間ほど休み家に戻っり安心した奥さんの看病をして過ごしただろう同僚が休み明けに出てきた時の雰囲気が穏やかになっているのを見て元のさやに戻ってよかったとホットしたのは隊の全員が思っただろう。

奥さんが作り出す祈り石とそれを貰った婦人たちが自分の夫や子供たちに持たせているので、周りで病気が流行しても死人が少ない。祈り石だけではなく奥さんのためと同僚の家で行っている習慣を各家に持ち込んだ事が大流行を抑えたり軽くかかる人間がいるだけで収まっているのだろうというのが町医者の考えだが、それを有効だと示したのだから家に持ち帰ったのだから奥さんの手柄ではないか?といえば

「婦人部の皆さんの手柄じゃないか?」と返す同僚。祈り石の件もあるので教会にあまり目をつけられたくないと思っているのがわかりすぎる回答に皆が奥さん第一だなとあたらためて認識してしまった

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