無題
義務教育・高等教育が終わり就職か進学かという話になったのだが、学力的にも経済的にも進学は無理という話になったので住み込みで働けるところをという話を担任にしたところ尽力してくれて住み込みでの仕事を見つけてくれた
薬師として頑張れば資格もとれるし、それ以外にも希望するものがあるならその会社がやっている事業だったら働きながら資格を取得する援助をしてくれるという会社であると聞いて少し胡散臭いと思ったが、よくよく話を聞けば母体の会社が教会の流れを組んでいて孤児院や救護院などを教会組織から別れて経営しているところだ説明されて納得した
救護院の手伝いや薬師等に適正があったのできつい仕事だが向いているだろうと薦められた
地元の救護院にはお世話になっているし孤児院や身寄りのない人たちの共同生活所の手伝いなどをしていたことがあったので、何となく雰囲気を知っていたので進められるままに就職して10年。そういえば町の事を全然知らないなということに気がついた
薬を調合することや孤児院・身寄りのない人たちの共同生活所の手伝いをすることに夢中で気がつかなかったし住み込みをしている所に簡易な店もあり必要なものはそこから買っていたので町にいってまで買い物する必要性を感じなかったという事。休みの日は大体図書館で資格取得のために勉強したり趣味の読書をしたりして過ごしていたということもある
ちょっと自分の住んでいる町についても調べてみようと思い立って図書館で歴史や文化等を調べて以外と面白い子とに気がついた
いつも礼拝にいっている教会の歴史を知り何となくきれいだと思っていた銅像やステンドグラス等についても詳しく知ればなるほどこういう意味で作られたのかと感心してしまう子ともあるし何でここにと思っていた不思議施設もきちんと調べればなるほどと納得できる。
そういう風に調べていき町の方も調べてみようかと思って先輩に言えば驚かれたが理由を説明すれば納得して観光地図を持ってきてくれるという話になった
先輩は町に家庭がある人なので毎日通ってきているから観光地図もすぐに手に入るということだったのでお願いした
休みの日に観光地図を見ながら歴史的建造物を調べそれに関する事を図書館で詳しくと思いながら公園で日向ポッ越していると
「珍しい事もあるんだな」と驚いた声がしたので振り向けばたまにお世話になる警備の先輩が驚いた顔をして後ろにたっていた
「そうですか?」
「そうだろう。いつもは薬師関係か趣味の本とかそういうのばかり読んでいるくせに観光地図とか」
「そういえば町の事知らないなということに気がつきましてね。町から通っている先輩に持ってきてもらったんですよ。これ」と言えば
「そういえばって。町に降りたいとか思うのか?」と聞いてくるので不思議に思いながら
「いえ。生活に必要なものはここでも手に入りますし。興味があるだけなので図書館で調べるだけですよ。それに教会とか歴史的建造物ならこっちの方が本場でしょ?わざわざ町に出て見ようと思いませんよ」そう答えればほっとした顔をしているが何でだ?
「そうか。そうか。で、何で町に関して知りたくなったんだ?」
「新人さんがきゃっきゃと楽しそうに話しているのが調合後に聞こえまして。いつも町の事を話しているのでどんなところかな?と思いましてね。まあ、話をする前に手を動かしてくれた方が嬉しいですし仕事も軽減されるので助かるんですけれども。そういう感じは一切なので何で就職したのかな?とは思いますけれども」困りますよねと言えば
「うちの方の新人と同じか。仕事する気がないくせに文句ばっかりとか何しにきたんだ?と首をかしげるよな」
「しかし君も指導しているのか?」そういわれて
「私は指導に関する技能がないのではずされています。指導に関わらなくてもいいから薬の調合してと言われていますよ」
「その判断は間違っていないと思う。まあ、ほどほどにしておけ」といって去っていった先輩を見送りあらかた見た観光地図を片手に図書館で調べものをすることに。
図書館でも同じような事を司書さんに聞かれて同じように答えたら何故かホットしている
それほど多くない調べものをして時間が余ったので礼拝堂で調合に必要な力石を生成するために向かう
すべての技術を使用するときに司る神様の力が籠った力石を祭っていれば安定して作ることができるとされている。実際そうだと思っているが
資格取得している人間の大体は力石を生成できる技術も持っているし最初に習うのは技術のひとつとしてあげられる。そのために教会に通っている人間も多く力石を生成するための教室も開かれているほど必修技術でもある
神父さんに声をかけて力石を隅っこで作らせてもらう事に治療や薬を司る神に捧げる祈りをぶつぶつと詠唱してすべて唱え終わったので視線を聖書から力石を生成するための陣に向ければ小指大の力石が無事できている。
安堵のため息をついていれば周りからも聞こえて周囲を見渡せば救護所の人や町で薬師をしている人などがいつのまにか側にいて生成していた
一点に集中すると周りを気にしない私の悪い癖である。驚いていればにこやかに会釈して周囲にいた人たちが帰っていくために会釈し返しつつ自分で作った力石を神父様に確認・認定してもらう
これで正式に職場で使うことができる力石を生成する一連の流れは完了した。作り終えるとちょうどいい時間になっていたので食堂でご飯を食べて休日は終了である
翌日朝の礼拝を終えて職場に行き力石を設置する許可を得るために上司に話をすれば2・3日救護院に手伝いにいってほしいということで帰ってきたら設置してほしいと言われた
力石の管理は自分でねと言われたので、保管用の袋にいれて救護院へ
人手が足りなくてと喜ばれながら下働きさんのグループにいれていもらって選択や片付け・下の世話をして一日過ごす。
「こんな事でも嫌がらない人は貴重」シスターが喜んでいて仕事がはかどると下働きさんに喜ばれいつもと違う一日を過ごす
翌日は孤児院の有志と一緒に薬草を取ってから仕事を始めることに。救護院で使う傷薬が少なくなっているのと安眠効果のあるハーブとかお茶用のハーブとかが足りなくなったということだ
有志達に案内されて救護院用の畑にいって必要なものを採取して調合したりお茶用にブレンドしたり
後は孤児院の運営費としていい香りになるようにブレンドしたものを先生に見せてねーと渡したり。これはこれで楽し見ながら過ごす。
鼻唄を歌いながら調合してできた薬を所定の容器に詰め込ん見ながら救護院の先生にお願いされた簡単な処方薬も調合していく
「そろそろ風邪の季節ですもんね」といいいながら風邪薬を大量に調合して必要な分量を小分けしていく
「そうそう。簡単に予防できるハーブ茶もありますけれども」と言えば孤児院用に調合するように依頼されて調合しておく
いつもやっている仕事だから気を付けつつ鼻唄で詠唱をすることができる精神的余裕があるが周りには気を配っていなく後ろから大声が聞こえて驚く
小分け作業をしていたので問題ないが救護院では静かにお願いしますと思いながら仕事を再開していれば先生が様子を見に来てくれた
「なんか問題でも?」そう聞きながらできた分を手渡すと
「いや。見学者が騒いだだけだ。こんな仕事できないとか何の為にきたのかわからないな」
「現実を知らないかったのでは?そういう人いますよね」と言えばハハハと笑いながら去っていったが本当に何があったのだろうか
にしても最近こういう人が多いよねと思いながら孤児院用の薬も作っていく。傷薬とか大切だよねとシスターも合流してくれたので作業が手早く終わる
「下働きの方は大丈夫ですか?」と一服しながら聞けば
「大丈夫ですよ」といっているが大丈夫な雰囲気ではない気がする。追求しない方がいいと思って口を出さないが、面倒後とはどこでもあるのだと感じながら救護院の手伝い期間が終わった
3日ぶりに職場にいけば調合器機が新しくなっている新人さんが入れば失敗して少し新調されることもあるが、すべてといっていいほど新調されているのを見ればどんな事があったのかと首をかしげてしまう
「何があったのか知りませんが。大丈夫ですか?仕事しても」と聞けば
「大丈夫だ。いつものように仕事してくれ」と依頼がある調合をしていく。
「何で。どうして。私の方が」という声が度々聞こえるが、何を話しているのか詳しくはわからないし。口を出して面倒な事になりそうな雰囲気なので口を出さずに仕事を進めていく
「ちょっといいかな?」と言われたので調合室に出れば新人さんが睨み付けてくるが初めて顔見せしたような感じだよね?と思いつつ何が?と首をかしげておく
「この人ができるなら私だってできるはず。だって私の方が有能なんだから」と言ってくるがよく分からないので上司の方を見れば
「自分の方が有能だと無資格なのに調合をしてね。効果も認められないし手順だって正しくない薬を使えといってくるのでね。現実を見てもらうために実際に作った薬を囚人に使ったら即死だよ。ただの傷薬を作ったはずなのにね」と困ったかおをしている
「それはこの人が」
「無理だ。君が調合をする前日から救護院へいってもらっていた。それに彼女の力石はここでは使っていなからね」と私が何かやらかしたという疑惑を潰していく上司を睨み付けている
「そういうことだから君に調合師としての資格を出すこともできないし仕事を任せられない。見習いとして修行するなら話は別だが」といえば何よと出ていったが何がしたかったのか本当にわからない
というか巻き込まれたのか?
「すまんね。よく分からないと思うけれども戻っていいから」と言われて疑問しか抱けないが仕事に戻ることになった
その後も何やらあったらしいが、新人さんがいたこと自体なかったことにされたらしい




