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甘やかされて

「井上さん。イケメンに送られてきたみたいですけど誰ですか?彼氏さんですか?」と面白半分に聞いてくるのは会社の後輩である。面倒だが世話になった先輩の送迎会なので参加することにしたのだ。

「彼氏ではない」と言えば

「ですよね。だったら彼氏ほしいとか言いませんよね」と少し勝ち誇った顔をしているので少しムカついたが、彼氏はできていないので致し方がない

「じゃあどんな関係なんですか?」と隣のせきに座ってしきりに話しかけてくるので面倒だなと思いつつ

「飲みやすいお酒ってどれですか?迎えがあるのでのめるんですよ」と言えば驚いた顔をしつつ教えてくれる看護婦さんにお礼を行っておすすめのお酒を頼む。乾杯後に食事を取りつつ酒を楽しんでいれば

「で。さっきの人って」と聞いてきたので

「夫だよ。書類上っていう注意書がついてくるけれどもね」

「は?井上さんて結婚していたんですか?」驚いているので

「ええ。書類上は結婚していますよ。といっても一緒に生活もしていないし時々あって話をしてさようならっていう関係ですけれどもね」

「なんですかその関係」と興味津々に聞いてくるので

「一昔前は今みたいに力石を生成する技術を有している人も少なくてね。その人たちが海外流失しないように使い潰されない様にするために保護する動きが一般的だったんだけれども。あなたの世代ではわからないよね」と10才違う後輩に言えば

「よくわかんないです」と答えてくれる。私の話を聞いていた先輩たちが

「そんな時代も合ったよね。今普通に使えている力石も何十倍の価値があって簡単に買えなかったよね」と

「ええ。そうですよね。お金持ちしか手に入れれない効果なエネルギー体というのが当時の力石の認識でしたよね。今は手頃に買える便利なものって感じですけれども」といいながら携帯についている充電器にもなるストラップ型の力石をさわりながら答えると

「で。それがどう繋がるんですか?」と興味津々の皆様。お酒の注文をしたあとに

「この程度の力石を作ることができる人は国が見合いをセッティングして婚約者を決めさせるんですよ。で、そのなかでなかがよい人間を結婚させるっていう暗黙のルールがありまして。そのとき私は16才でこのくらいの大きさの力石なら安定して作ることができたんですよ。今も作れますけれども。で、見合いをして彼と婚約したんですよ。20才までの4年間の間に知り合いと友人の間程度のなかになりまして他の候補者の中では彼が一番なかがよいと言うことで結婚したんですよ。ただそれだけです」と注文したお酒が届いたのでのみながら説明すると

「四年間で進展することがなかったんですか?」不思議そうに聞かれたので

「四年間で彼だけが私を罵倒することもなく寄り添ってくれた。ただそれだけですけれども、それが一番大切だったんですよ。今でもちょいちょい様子を見に来てくれますし。やばかったらてをさしのべてくれますしね。その代わり私も彼に手をさしのべるし支えることができるなら支えますし。といってもできるのは彼からお願いされた規格の力石を生成することぐらいですけれども」と笑って答えれば

「それって夫婦なんですか?」と聞かれる

「どうなんだろうね。肉体関係を持たなくても信頼関係は持っていると思うし彼からも求められた事はないな。たまに手を握ってきたり抱き締めてくれたりすることもあるけれども。一緒に生活していないっていうこともあるから。彼が彼女をつくったって私にわからない様にしてくれたらそれでいいと思っているから」夫婦関係について聞かれたので首をかしげて答えてから彼についてどういう風に考えているのか答えると

「それって寂しくないですか?っていうか浮気はしてもいいんですか!!」と何やら大きな声を出された。料理をつまみつつ

「寂しいと感じる頃合いに遊んでくれるし定期的にメールやら電話をしてくれるから寂しいとも思わないし。本気じゃなかったらそれでいいかなって。最終的には私の面倒を見に来てくれればそれでいいし。彼以外の人間にお願い事をされても力石を生成しようと思える人はいないからな。私には」力石を本気で作れば結構なレベルのものを生成できるが、それを行えば寝たきりになることは家族と友達は知っているので無理はさせない

彼も無理がない範疇での規格のお願いや原料を指定してくるだけだから介護の仕事ができるのである

「それって結構愛しているっていうことですよね」

「そうだね。結構愛しているね親よりは下だけれども兄弟や友人たちと同等の位置にいるよ私のランキングないでは。と入ってもそれほど人間関係が広くないけれども」と笑いながらお酒を飲んでいく

話をしつつ結構な量を飲んだなと思いつつそろそろセーブしないと吐き出すなと思い酔いを冷ますためにお茶をお願いする

「じゃあ私が彼の恋人にってなってもわかんなかったら」と後輩が言おうとしたら

「いいはずないだろうが」と上から言葉が降ってくる

「結構飲んだようだな」呆れた顔をした彼がこちらを覗きこんでくるん

「酔いざめの」

「さっき頼んだから来ると思う。で?」と何故来たのか聞く私と彼が出現したことにざわめく飲み会のば。上等な男が来たのだから騒ぎたくなるのはわかるけれどもどうなんだろうかと思いながら注文したお茶を店員さんから受け取っりのみ始める。テーブルに一度コップをおいた瞬間に抱き抱えられて膝の上に座らされた。彼は私が座っていた椅子に腰かけている

「何がしたくてこんなことをしているのか説明を求める」と言えば彼がポケットから取り出したのは先月納品した力石である。手のひらのなかにおかれて

「これと同じものが模倣として出回っている」と言われた

「この規格でこのレベルなら模倣しやすいっと言えば模倣しやすいですけれども。私のもの以外は発動しないでしょうね」と手のなかにある力石にチュッとキスをする

「模倣品を使ったら発動しなかったと苦情が来ていた」

「私が作らなくても同じ条件・規格でつくったら発動しますけれども。早々作ることは出来ないと思います。できたら天才ですよね」けらけら笑いながらお茶をのみながら周りを見れば落ち着かないようすである

まあ。平凡の私が一級品と言われる男に抱かれているっという現状は理解しがたいだろう

本人も慣れるのに4年掛かったのだから当たり前だと思いながら口許に差し出されたつまみを大人しく食べる

「そうか。同じものは未だあるか?」

「ありますよ」何かあればと作りおいていた同じ規格の力石を数珠の中からとりだせば、流石だという雰囲気で頷くかれ「模倣は?」

「あるが?」言いつつ取り出した発動しない力石を見つめる。作りは甘いが力はあるから再利用できるなと思い立って

「ちょっとした余興を」と模倣を見やすい高さに固定して空中に漂わせる。周りは医療関係者なので条件は十分に揃っている。詠唱を始めるば細い糸のようなものが模倣から出始めて空中で玉になり始める。唱えているのは癒しを司る言葉でありほろ酔い加減で行っている割りにわしっかり玉を形作っている。全てを唱え終わるのに5分掛かったがきちんとした癒しの力石が出来上がった

夫に一度手渡し認定をしてもらった後に師長のもとへ

「ささしあげます。病棟に置けば少しは緩和すると思います」テーブルに玉をおく。なんだろうという顔をして玉を見ていた師長が驚いた顔をした

「これ」

「ええ」他人ではよく分からない会話をしてるのを不思議そうに見ている周り

「先程作りました」

「いや。作りましたって、見ていたけれども、こんな高価なものもらえない」と困惑されているようす。それほど高くないと思いますけれどもと思いながらも支えてくれている彼の方を見れば

「勤務している病棟にと製作して認証しましたので違う場所にはてきさないものになっております。どうぞお納めを」と説明してやっと

「じゃあ」ともらってくれた。本当はどこと設定しないでどういうところに使用するか聞いて作るのだが余興だしとうちの病棟に設定して作った病院用の力石。おいておくだけで治療に有効だったりする

「ということで」と私の手を引いて驚きに固まっている飲み会をあとにした彼。そのまま空港に向かうのは何故でしょう。

「どこ行くの?」と訪ねれば

「これの対策をしてほしいという国からの命令でして首都にいきますよ」と空港に降りながら説明をしてくれる。一度離れたのはそのためかと。例え飲み会でも顔を見に来た日はくっついてくるのにと誰かいい人でも見つけたのおかと思っていたのだが違ったようだ

「最近こういう力石が出回りすぎて国でも対策をとはいているのですよ。で、まずは回収した力石擬きをどうにかして使えないかという話で白羽の矢がたったということで無理せず頑張りましょうね」搭乗待合室でそういつつ頬を撫でてくれるのは私が話を聞いたふりをしないようにの対応で顔を固定して向かせていたからだ

「そういうのが沢山出始めたとか言われても私は」

「ええ取り締まりは国がしてくれますので、回収して発動しないものを作り直してほしいとのことで他の人に頼んだけれどもうまくいかなかったようでしてね。こういうのは君が得意なんではという話が打診されたのが先日。できるかどうかはわからないと返答してためしにやってもらおうと思っていた矢先余興で証明してくれたのでよかったです。そのまま制作中の画像を添付してメールしてつれてくるようにという話が来たんですよ」

ということは決定したのはつきさっきか?なら手配がここまで整っているのは

「あなたのことだからできるだろうと思いまして先手を打たせてもらいました」にっこりと笑っているの彼を見てさすがと言えばいいのか無謀と言えば良いのか

実際にできるからいいけれどもできなかったらどうするのだろうと考えていれば

「以前同じようなことをしているのを見たことがあるので切ると思っていましたしできなくてもある程度の感覚は有しているのですぐに取得するだろうと思っていたので首都に行くのが早いか遅いかの話ですよ。それに面倒な相手に目をつけられ始めていたようですし」小さく呟かれた言葉はアナウンスで聞き取れなく首をかしげれば

「問題ないですよ」と飛行機に乗り込んだ

それから政府が回収した擬きを無理のない程度に生成し直しつつ自分の力石も生成する日々が続いている。無理もできるが生活はすべて彼が管理するスケジュールの通りに生成しているので無理は出来ないというか昼寝の時間まで設定されているので文句もない、国がどの程度回収したか知らないし犯人が捕まったかどうかなども知らない。不良品の力石を回収しますという政府からのお達しが合ったのは知っているしそれについて論議が合ったのも知っているのだが裏事情はテレビにも新聞にも掲載されないのでよく分からない

事情をしっている彼に聞いても答えてくれないだろうし国人に聞くタイミングもないしそこまでして聞きたいとは思わないので放置しておいている

詠唱をしつつくるくる回り生成しなおされている力石をぼんやり見ながら過ごしていれば来客が合った。ただし彼がいない時間帯の来客は無視するようにといわれているので無視しているがしつこい

面倒だが対応するとさらに面倒な個とになりかねないので放置というか力石の方に注意を向ければしつこい理由がわかった。今てにしている力石は精霊というなの力の塊が無理矢理押し込まれているのである。これが露見したら問題だなとおもいながらも詠唱は続けて精霊がとじ込まれている力以外を力石にして生成する

早く出せと言わんばかりの顔をしている精霊に

「責任者の許可が降りたらね」と一言いて力石をいれる袋に詰め込んで今日の仕事は終了

一呼吸ついたあとに自分の方を作ろうかと考えながらお茶をすする。いつになったら帰れるのかしらとは考えることがある。

力石は実益を伴った趣味である。介護も同様だが、介護をしていた方が仕事をしているという実感があるから好きなのだ。力石を生成した方が お金は入るが実感がわきづらい直接触れあえないのが理由だろう。生成中は一人の方がいいし認証して売りに出したらそれまででと言うのも要因だろう。

他の人は国に出したあとに使用しているのを確認しているらしいが面倒だからやっていない。

参加を要請される時もあるらしいが彼が代行として出ているので問題ないと放置しているからなおさらだな。と考えながら生成していれば、そこまでだと言う声と共に抱き締められた。

時計を見れば5時を指しているからつらつら考えながら3時間位詠唱していたのだろう。正式に詠唱をしていればそのくらいかかる。ショートカットとかも出来るのだが私は不器用だから上手にできないのでしない。した方が簡単なのだがカットしたところの意味が!とか考えたり違和感なく繋げれないから致し方がない

ぼんやりしている私の手を引きながら仕事場にしている場所からソファーに座らせて着替えにいった彼。そー言えばと考えていればご飯が目の前に並んでいるので夕飯をいただいてといつものように世話を焼かれている私だが彼は面倒ではないのだろうか?

いつも世話をされているときに感じる疑問を口に出すことはない

面倒でもそれが仕事だと言われてしまうかもしれないと思うと少しだけ寂しいような悲しいと感じてしまうからだ。そのくらいには彼を信頼しているし心許しているのだと

友人に言わせれば早く告白してしまえば良いと言われるが、一応結婚しているので告白と言うのはと。心うちをさらけ出すことをしたあとでその思いを返してもらえなかったらと言う恐怖で言葉にできない

自分は汚い人間だと思う。大事にしてもらっている。それは世話をしてくれていると言う行動で理解できる。例えそれが商品を作り出す金のガチョウを大切にするのと同じだとしても間違いなく大切にしてくれているのだからそれで満足したら良いのに人として女性として大事にしてほしいと言う欲望が育っている。

結婚した当初は大切にしてくれるのなら例え商品を作り出す金のダチョウを大切にする様にでも良いと思っていたのに。そのくせ実質の夫婦としての色を見せられると逃げようとするから我ながらたちが悪いと思う

愛されたいと夫婦として歩んでいきたいと思うならそういう色を含んだ目で見られること・触られることも容認しなくてはいけないのにと

帰りたいと思う要因のひとつはそういう浅ましい自分の欲望を目の前に突きつけられるから嫌なのだろうと考えながら食事をとっていれば

「色々と考えているみたいだが、深く考えなくても良いぞ。君が望むようにしてくれればそれで良いのだから」微笑みながっら食事をいつのまにか終えて見守っていた彼に

「浅ましいと思ってね。女性として大切にされたいと。本当の夫婦のようにとも思う気持ちもあるんだけれども」うつむいて言えば

「変化を怖がる気質なのはわかっているし自分の思いをもて余している風なのも見ていてわかっている。少しずつならしていけば良いんじゃないか?昔は共に食事をとることもさわったり抱いたりするのもいやがっていたのに今はそうではないだろ?」

「時間がかかりすぎでしょ?」

「離れていれば仕方がないが、今は一緒に生活しているのだから毎日少しずつならしていけば違って来るだろうし。荒野って心うちを話してくれればこちらからも提案をすることもできる。一人で悩まずに打ち明けてくれれば良いのだから」と大丈夫だといってくれる彼。そうやって甘やかしてくるからもっともっとと再現なく思ってしまうのだろうと思いつつ移動して隣に座って

「話してくれてありがとうな」と頭をなっ出てくれる彼に自分から抱きついてありがとうと伝える

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