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強制引きこもり

何か嫌な夢を見たような気がして目を覚ます。そろそろ起きる時間だったようで携帯のアラームが鳴り響く。いつも通りに出勤の準備をしつつ天気を確認するために窓の外を見上げると軽い恐怖感を感じる。なんで怖いのだろうと思いつつ時間になったので出勤しようと玄関で靴を履こうとするたびに呼吸が浅いくなり恐怖感が大きくなっていく外に出れば怖い人がいて怖いことをされるという言葉が頭に浮かぶなぜだろう?何かあったのだろうかと考えるが昨日も普通に仕事して普通に帰ってきただけだなになぜ?

玄関にいるとのどの奥に何かが詰まっている感じがしているし恐怖感を無視して玄関から出ようとすると体がこわばる

これは何かの恐怖症で拒否症状が出ているのだろうと考えられるさてどうしようと思いながら会社に調子が悪いので休みたいのですがと連絡し受診したいと伝えておく

自分で車の運転ができないのでタクシーと思ったのだがタクシーを呼ぼうと携帯を操作しようとすると手が震えて動かなくなってしまう。これはと思って居間に戻ってから深呼吸してから母に助けを求める

「お母さん。ごめんこっち来れる?なんか調子悪くて外に出ようとすると呼吸ができなくなるのんだよ。本院に受診したいと思っているんだけれども」と説明すれば

「はあ?大丈夫なの?ちょっとまってなさい」という母が携帯を聞いて2時間後。インターホンを慣らしてくれる人がいるついたよと母がメールを送ってくれるので頑張って外に出る。怖くて怖くて仕方がないが出ないことには原因がわからないということで自分を叱咤しつつ母の車に乗り込む

「あんた大丈夫?」と心配そうに聞かれたので

「大丈夫ではない」と言いつつ本院に向かってもらう。本院は精神科もやっている病院である向かっている途中に再度会社に電話かけて受診すると話をつけておく

受付して受信する手続きをする青い顔をしてかすかにふるえる私を支えながら母が付き添ってくれるそれだけでも折れそうな気持を維持できる

待ち時間に母に

「どうしたの?」と聞かれたので

「朝起きたらこうなった。何か良くない夢を見たような気がしたのだけれども内容は覚えていないんだよね。ただ、外は怖いみんな敵という感じだった気がする」というと優しく抱いてくれる母

呼ばれて診察室へ

呼吸も絶え絶えで途切れ途切れに症状を説明していく。青い顔をしているだろうし微妙にふるえる体を叱咤していく私を支えてくれる母。どうしてそうなったのかという顔をしている先生

それを見て母がおもむろに

「昔この子は巫女候補として中央へという話がありましたが、拒否が強くて選出される都度断っていたのですけれども。それに関係するかもしれません」という母にそれはどうにもならないという顔をしている先生。まあ、そうだろうと思いながら思い出すのは嫌な感じしかしない人が毎年のように来て私を連れて行こうとするということだ。彼らが来なくなってから呼吸するようにできた力石を生成できなくなったが、それが代償として来なくなったのだと少し寂しい気持ちになりながら安心した記憶がある

「一応安定剤を」と言われて安定剤を貰い就業は難しいという話を貰った

青い顔をしていき絶え絶えな人間が介護などできないという判断は間違っていないのでそれを会社に連絡するために所属している病棟に向かう

青い顔をしながら母に支えられながら師長に話しかけたら

「井上さん」と周りの人間に驚かれた

母とそっくりだからなのか?顔色が悪すぎるからなのかわからない

師長に診断内容を説明して仕事を辞めなくてはいけない状況であることを説明する。退職届とその他もろもろの話を聞いて心配されながら帰宅する

なぜこんな風になったのだろうと心穏やかにしてから原因を探れば違う人間の視界が見える

鉄格子?みたいなものに囲まれた牢屋のようなところに入れられている

なぜ。どうして。私だけが

という思いとともに誰かに襲われる状況がありありと浮かび上がる

ただ外に少し出てみたかっただけなのに。皆大丈夫だと言ってくれたのになんで私だけ助けてくれなかったの。どうして私だけがこんな思いをしなければならないのという声とともに周りに怒りを悲しみを成業できずに垂れ流してまがまがしい空間を形成されつつある

あのひとの目を通してみた外は楽しそうだったのになんで。なんでという言葉が響く

「呪い?」と首をかしげながら実家で安心感に身をゆだねる。窓際に行くことはちょっと怖いが何とかなっている。怖いのはこの人のせいだろう。逆恨み?というか勝手に絆を結んで私の生活を覗き見ていたのだろう巫女が外に出かけて周りに裏切られたということか

外も周りの人間も怖いから安心できる場所にしか行動できないという縛りがあるのか。ならばと神経を集中させて彼女との絆を切り捨てると同時に生まれ育った村や町が私に敵を向けてくることはないということを認識させる。出身地を起点に大丈夫だと恐怖心を払拭しようとするも両隣の町しかできなかった。と言っても隣の町に病院があるので御の字ということだろう。徐々に家から出れるように訓練しつつ巫女から強制された恐怖心をどうにかする。在宅で仕事をしないと経済的にと思っていると胡散臭い人たちが再び来た

ちょうど両親がいない時間帯を狙ってくるところが悪質だと思いながら対応する。と言っても恐怖心はあるので顔色は悪いだろうが。そんなことはあちらもわかっているだろうにと驚いた顔をしている胡散臭い人二人組を見て考える

「で。何用でしょうか?」

「お久しぶりです。あなた様に巫女候補として上がってもらおうと思いまして」

「私に恐怖感を叩き込んだ人が使えないから?あなた方が勝手に期待して勝手に失望して切り捨てた人の代わりに私を連れていくつもりなんでしょ?あの人だって一生懸命にやっていたのでしょうに思い通りの巫女にならないからと言って勝手に切り捨てて禍神になりそうなのに?それを放置していいのかしら」といえばうつむく若い人間と私を見つめている年長の人

「幾年かかっても私はあなた様をこちらにと思っていました。あの方は残念ですがそうなるということは候補に挙げる時点でわかっていたのにも関わらず無理やり選出したのはこの者です。責任をもって彼女のことは選出した彼らが今後の面倒を見ることが決定しています。巫女様が不在だと天災が多くなり民草の被害が多くなってしまいます。どうか」と頭を下げている

「民草といえば私が出るとお思いですか?あなた方が巫女を裏切ったことを私は知っています。そんな人間がいる場所に行くとでも?それに不祥事後に突然来た私を受け入れることはできない人間が多いでしょそちらは。反発する人間が。周りの人間がすべて敵になっている場所になぜ私が行かねばならないのでしょうか?自分たちの失敗を私にしりぬぐいさせようとか片腹痛いんですけれども」と震える声で青い顔をしつつ話す私を見ている二人組

「昔からそうでしたね。そうやって我々を拒否する」悲しそうな顔をしているけれども知らんがな

強制的に外に出れなくされて仕事もできない・親に迷惑をかけている状況である。生活保護を受けることもできないのは実家に住んでいるからだろうと思う

できることなら在宅で仕事をしたいが仕事をしようと外の世界につながろうとすれば拒否反応がでて仕事ができない。こんな思いをなぜ私がと

そういう所が禍々しい彼女と同じなのだろうと思う。支えてくれる人間がいなければ私も彼女と同じようになってただろうと思う。原因を探して彼女の記憶を探らせてもらっていろいろと思うことがある。知らない土地で不安な人を表面上にしか支えないとか優しく扱っているふりをして陰口をたたくとかイラッとする対応しているくせに自分を知ってとか言う。彼らは乙女かと

わかってほしいなら歩み寄れよ言葉を重ねろよと思う

あと、知らんとこに連れられて行ったら私は拒否拒絶して引きこもりまくる自身があるけれどもな。

「禍々しい人になってしまった彼女だってちゃんとあなたたちが受け入れなかったからああなったんでしょ?ダメだからって次っていうのは無責任。ちゃんと受け入れて立て直したら彼女だって最高の巫女になれる可能性だってあると思わないの?そういう人たちに私を預けられないし預けようと思わないのでお引き取りを」と青い顔をして微笑めば

「また来ます」と帰って行った

言葉とおりたびたび来ては話をしていくようになったのだが、彼らが来るよになってからできなくなった力石を生成できるようになったのと私を強制的に引きこもりした女性の状況を報告してくる。私に報告しなくてもいいことであるが、なぜか報告してくる

「じゃあ、心穏やかに過ごせているんですね。そのまま巫女の仕事をちょっとずつしてもらえればいいじゃないですか。周りの巫女さんたちにも仕事をお願いすれば一人に責任を押し付けなくてもいいと思いますけれども」と話す私に困った顔をしながら

「そういっても外向けの人も」と言っているので

「外交用の人を作ればいいでしょ。国だってそういう風にしているのだから巫女だってできると思いますよ適材適所という言葉もあります。それに私を望んでいるといっていますが、外にいるから珍しいというだけで中に入れば特に目を引くような人間ではありませんので」と説明してもわかっていないという顔をしているおっさん

知らんがな。さてさて力石も調節できたしと手入れをしていた力石を片付けていると

「それはどうするのですか?」聞かれたので

「落ち着いたら売りに出しますけれども?」少し青い顔が普通になっている私に声をかけてきた人間が驚いた顔をしている。何か?お金を稼がないと食べていけませんのよ人間は。霞を食べている仙人ではないので。

「そういわずに国からの保証もありますので」

「貰ったら最後、命令されそうで嫌です」断ると困った人だという顔をしている。若いほうは力石をしまった袋を凝視しているので防犯をきっちりしておかないと考える。こういう目先しか見ない人間ってと自分のことを棚に上げて考えている私に

「たびたびお邪魔して周りの人間があなた様が特別な巫女だと認識しているかもしれないということを考えないのでしょうか?」問いかけられて

「可能性はあるかもしれないけれども私が巫女だといっていませんし。そういうことに参加してませんので疑惑の人くらいでしょうね」ふんわり笑えば

「疑惑の人ですね。国からもそろそろどうにかしろと言われてきています。どうか」と頭を下げられているがそういうことをされてもどうにもならない

「私が安心して生活できるところがここしかないので出れませんね。彼女がしてくれた最高の贈り物だと思っています」いまだに家以外の場所に移動しようとすれば拒否反応が出るし家族や友達以外の人間に会おうとすれば呼吸ができなくなるという現状だ。彼らと話すのも時々息ができないことがある。自分で大丈夫だと思っても体が拒否するのだからどうしようもないのだ

引きこもるのはそれほど苦にならないのでお金を稼げればどうでもいいと考えている私とどうしても引き込もうとしている国との静かな攻防が繰り返されている。私が嫌だといっているからなのか現状が色々と改善されているらしく風通しが良くなったという話を聞く

それと話を聞きに来る人は固定している。それ以外の人間がくれば失神する回数が増えたからだ。敵意とかなんというかそういうのを向けられたら失神するよね。ということと彼女を襲ったのが来た時に失神するということが分かってからなのだが

こうやって整えられていく箱庭から出れるのだろうと思う今日この頃である

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