第七話
今回短いんですよ、まったく作者は何してんだか。
私は昔からそうだった。誰からも避けられ親たちからもその能力ゆえに隔離されていた。
——人殺しの能力をもった娘などいるか。
父親からはそんなことまで言われた。私の魔法は人を…生物を殺すだけではないのに、ひとは主に物事の悪い部分しか見ようとしない。いやそういう風にしか見れないのかもしれない。
————でも、蒼真さんは違った。今も武具店に向かいながら気づいた。この人は私の魔法を受け入れてくれている。デメリットを知っていながらも、信じられないことに場合によっては俺を対象に使え!とまで言ってくれた、本当に嬉しかった、そして同時に……いえ今はまだ内緒です。
「なぁ麗華、武具店ってのはここでいいか?」
「ふぇ!?あ、はい、到着です。」
いきなり話しかけられて少し驚いてしまった。気づけば目的の場所についていた。やや古い看板をひっさげた一昔前の武器屋のようだが店主の腕がよく高性能な武器が結構置いてある。
「んじゃまぁ早速入りますか。」
「あ、気を付けてくださいね上から…」
ドスッ!!
「蒼真さん気絶しないで!!街の中じゃなにがおころうとほとんど死にませんから!!」
麗華、俺に突っ込むよりもまず扉を開けた瞬間降ってきたこの赤い剣について突っ込んでくれ。
半ば飛びかけた意識の中でそんなことを思った俺であった。
「誰じゃ?客かの?」
そんな声とともに奥から老人が出てきた。
「私ですよカロットさん」
「おぉ、麗華か、また杖でもへし折ったか?」
「違いますよ、今日は…私とパーティーを組んでくれる人と武器を選びに来ました。」
麗華がそういうとカロットと呼ばれた老人は少し驚いたような反応を見せた。
「そうか、やっとお前と組んでくれる人が…そいつのスキルをいえ、うちでも最上級の武器をやろう。」
「いいんですか!?」
「麗華と組んでくれるんだ。その程度しかできんがな。さぁ早くお主のスキルをいうんじゃ」
「あぁ、すまない…えっと俺のスキルは…二刀流」
「ほぅ…お主じゃったか、これをもっていくといい」
そういって店主から渡されたのは薄く赤と青の燐光を引く二本の剣だった。明らかにギルド支給品とは違う圧倒的なスペックの高さが伝わる。
でも不思議だ…この剣たちはまるで…そう、
「元から二本で扱うために作られたような気がする。」
この世界では二刀流はおろか派生スキルそのものがとても貴重なものだ。だからたいていは片手剣で事足りるのだ。だがこの二本の剣は片手剣としては違和感があるほどに似ている。まるで最初から双剣として扱うために生まれたような、そんな感じさえするのだ。
「勘が鋭いな、その剣たちは二刀流使い…いや、お主を待っていたのじゃ。もう十五年になろうな、わしがその剣を作成してから。」
「とてもいい剣ですね。輝きが失われていない。」
まともに実剣を見たことすら(序盤に振っていたことは気にしてら負け)ない俺にでもわかる。十五年の月日がたった今でも素の鋼色は失われず輝き続け、まるで生きているかのようだ。片方はやや肉厚で薄い青色の燐光を、もう片方はやや薄くこちらは赤色の燐光を引いている。
「その剣ははるか西に行くとある町エクセリアでのみとれる魔力を帯びた特殊な金属を使って作られておる。大事にしてやってくれ。」
そのあとその双剣にあう鞘を見繕ってもらい収めた。
「今日は本当にありがとうございました!こんなにいい品をもらってしまって。」
「なぁに礼を言いたいのはこっちなのじゃ。麗華を守ってやってくれ。」
「もちろんです!じゃあ今日はもう帰りますね。」
気づけばもう外は夜だった。
「気をつけてな。しっかりやるんだぞ二人とも」
「………決められし定めが変わるその時まで」
俺の新しい武器これからずっとお世話になるのであろうこの武器の名は『双竜刃 蒼炎』それと…あのカロットという人物が最後に呟いたことの意味、これから何があるのだろうか。