第四話
タイトル回収できてるよね?あ、あとやっぱり短いです。なんなすみません
モンスター戦、特に人型の敵に対しては間合いが大切になってくる。現状俺のリーチは武器含めても相手のリーチの半分もないだろう。
そう、俺が戦おうとしているのは全長五メートルくらいある、いわゆるネームドボス『ヘルミノタウロス』武器は輝きからしておそらく鍛え上げられた鋼で作った戦斧だ。
それに対しこちらは簡素な鉄剣一本だけどう考えても不利だ、というか絶望的だ。
「それに、レベル差がひどすぎるぜ…なんで149も違うだよ。」
まぁそんなこと言っても敵は待ってくれない。いきなり思い切り振りかぶった戦斧を叩きつけてきた。
「うらぁぁぁぁ!!」
裂ぱくの気合とともに戦斧の横をたたく。精一杯の力を込めたのに軌道は僅かにずれて真横に衝突した。
「まともに受けたら吹き飛ばされて即死じゃねえか!!」
敵の第二、第三を受け流しつつ足を斬りつけて動きを封じようとするが敵の異常な筋肉に阻まれてむしろ鉄剣が刃こぼれしてそうだ。
——このままじゃ武器が壊れてやられる。もっと集中して最低限の被害で時間を稼がねば!
そんなことを意識しているうちに周りが急に冷えていった。いや、ただの錯覚かもしれない。
でもこの感じ前にも味わったな、知覚が加速され周りの音などが遠ざかっていき敵の動きがすべて見える。
この感じ…………いける!
俺はこのあたりから時間稼ぎをしていることを忘れ目の前の敵を倒すことだけを目的とし始めていた。
ここから先は俺は何も覚えていなかった、でも女の子が見たことを伝えよう。
——これまで防戦一方だったのに唐突に敵に接近すると急に剣を握っていないほうの手を背中に回した。そこにはついさっきまで存在しなかった真紅の剣が装備されていた。シャリンという鈴の音に似た清らかな音とともに引き抜く。それに伴い右手の剣が鉄剣から透き通りそうだが無限にすべてを引きずり込むような漆黒の剣に変化した。
「うぉぉぁぁぁぁぁぁ!」
大きな掛け声とともに腕を斬りつける。さっきはまともに通らなかったのに紙を斬るように容易く通った。
そのまま本能に逆らうことなく敵を斬りつけときには攻撃をはじいた。そんな感じのことが続いているうちに途中で壮絶な破壊音とともに敵の戦斧が砕けて消えた。
「とどめだぁぁぁぁぁぁぁ!!」
敵が驚いたのか一瞬だけ見せた隙を見逃すわけにはいかない。
無意識のうちに使用したスキルによって蒼炎のごときエフェクトをまとって容赦なく攻撃を撃ちこんでいく。何連撃にもわたったスキルの最後の一撃が終わったとき、ついにボスモンスター『ヘルミノタウロス』はその体を蒼い光に変え俺の糧となった。
少し時間が飛び
——ここはどこだろう?妙にふわふわしててまるでマシュマロ…
俺は閉じていた瞳をそっと開ける。するとそこは
「なんだベットじゃねぇか二度寝するか。」
お布団最高、もう二度とでたくない。
「あ、やっと起きましたね。大丈夫ですか?」
あの時の女の子か、しかし今はこの天国から出る気は俺には微塵もない。
「二度寝しないでください!早く起きてくーださーいー!!」
「うるさいなぁあんな怪物と戦ったんだから少しくらいいいだろ…。」
そういうと俺は毛布の中にもぐりこんだ。
「馬鹿言わないでくださいよ!もう五日もねてたんですよ!?そろそろでないと宿屋代がぁ~」
何度も言うが出る気はない、たとえ今みたいになかなかの美少女に懇願されてもここは譲れない。
「それに、この国の王様があなたを目覚めるのをずっと待ってたんだから!あの怪物を討伐した報酬を出したいからって!!」
なんだと!?この国の王が…いったいどんなものがもらえるんだ?
「もしかしたら伝説級の武器とか。」
「よし、早く案内しろ!!」
それを聞いた途端俺は無意識のうちに飛び起きてこう言い放っていた。
——序盤からどうなるのか心配だったがとんだラッキーだった、これからどういう運命に転ぶのか楽しみだぜ!
今回はたのしめたでしょうか?もしよろしければ次回も読んでいただけると幸いです。