第一話
暇つぶし程度によんでってくださいな
《――ここは、どこだ?俺は死んだはずだが・・・》
とりあえず周囲の状況を確認すべく見渡す。しかしまだ目が慣れてないからか真っ暗だ。
それになんか重いな、ここの重力は地球と違うのだろうか?
「いつまで寝てるのさー早く起きてよー!」
聞きなれない女の子の声そして俺の体の上で揺れるなにか…
おい、待てよ?体の上で揺れる何か?
――俺はその何かを確認すべくやっと慣れてきた目で周りを見渡した。
「あーやっと起きたねー♪」
そこにはよくゲームとかで目にする天使の羽っぽいのをつけた女の子がいた。
…なんだ、ただ俺の体の上で翼が生えた小柄な女の子がはねてるだけじゃないか。
――おいちょっと待てや、なんで死んで変なとこに飛ばされたと思ったら女の子に乗っかられてるんだよ。なんだよあれか?これは夢か?でも俺死んだよな?あ、わかったぞ神様の使いかなんかで天国に連れて行ってくれるんだよな?まぁどうなってんのかよくわかんねぇしこの子についてちょっと聞いてみるか。
「ねぇ?君は誰なの?なんで翼が生えてるの?」
「え?私は新米の天使でおにーちゃんを担当することになってるよ!この翼は…よくわかんないけど天使の証みたいなものなんじゃないかな?」
よく分かんないって大丈夫なのかこの子…てか地味に重い、早くどいてくれ!!まぁそんなこと女性ましてや女の子にいえるわけないよなー…とか考えてると、
「おにーちゃん重くないの?」
とかアニメ声で聞いてきた。正直言って…
———重いに決まってんだろ!!?何回も言うようでしつこいだろうが重い!そんな華奢な体のどこにそんな体重あるんだよ!?
「あ、それでおにーちゃんのこれから…つまり転生か、このまま天国に逝くかなんだけどさ~」
え、俺に座った状態でそんな大切な話始めるか?こうさ、二者面談みたいにさ向かい合って座って話すもんじゃねぇの???
「そういえば、大切なこと伝え忘れてた~♪」
なんか頼りないな~まぁ天使つっても新米だし仕方ねぇか…それに死んだ俺が言えることじゃねぇし
「いま、天国へのゲートがしまっちゃってなぜか逝けないんだよねー♪」
「それ強制的に転生するしかないじゃねぇか!!?」
ちょっと待てや、それ一番重要なやつ!?てか驚きすぎてついつっこんじまったよ…
「でも安心して!!おにーちゃんが死ぬ前にやってたゲーム?っていうのかな?まぁそれに似た世界に飛ばすから!!」
ほほぅ、それは興味あるな死ぬまでやってたゲームは画面に表示されたキャラを動かすだけだったからな。一度は自分ですべてやってみたいと思ってたからな。
「でも向こうの世界観とかまったくわかんないから、自分で頑張ってね~。」
天使くらいなら少しくらいしってようぜ…まぁいいや、死んであこがれた世界に行けるのならそれもいいかもしれないな、割と楽しみだぜ。
「じゃあ、転生開始するよ!新しい世界でもがんばってね~応援はしないけど」
せめて陰ながら応援してるとか言ってほしかったなぁ…
———天使は俺から飛び降りると少し離れて転生魔法を唱え始めた。複雑な紋様が浮かび上がり蒼い光のゲートができた、新米いえど流石に力は強大だ。
これから起きるであろう様々な出来ごとに微笑を浮かべながら俺は蒼い光の中に身を投じた