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オンラインで間違って最弱な鬼を選んでしまった件  作者: あるすれっと
落胆と歓喜の遊戯(ギャンブルゲーム)〜禁欲の賛美歌〜
18/104

3-3



秘技次話移動リセット。



俺はあの間違いをなかったことにした。


だって何か恥ずかしいんだもの。


言葉に出して無いからギリセーフなのだが、思ってしまったというだけでも駄目な気がする。


・・・まぁもう過ぎた事だし、もう気にしないで戻ろう。


俺は手に入れたコインを持って、エイレと別れた場所に行った。


だがエイレの姿が無い。


いったい何処にいるのか。


周囲をくまなく見回して見ると案外近くに居、簡単に見つけることができた。


どうやらトランプのゲームを見ているよう。


すぐに合流しておきたいが・・・ムズイかもしれない。


何故ならエイレ以外にも人が沢山いるから。


ただのゲームの筈なのだが、何か起きているのだろう。


なんだかわからないがコッチに迷惑だよ、全く。


俺は覚悟を決め、また具合を悪くしながら人波をかき分けて行く。


そしてエイレまで辿り着くと、一度深呼吸をし、意気込んでから声をかけた。


「な、何があったのですか?」


「あら、おかえり。ただ単にこのゲームが面白いのよ」


エイレは俺の方を振り向き出迎え、すぐ目の前のゲームテーブルを指差しした。


・・・いや、やっぱり普通だ。


特に面白味も感じないんだけどな。


そう思っていると、俺の表情から察したのかエイレが教えてくれた。


「実は中央にいる女性の兎人(とじん)、100万ほど負けているのよ」


「へぇーって100万円!?」


100万って、序盤では課金しないと絶対手に入らないきんがくじゃないか。


それだけ負けていても、未だやっているなんてどういうことなんだ?


相当課金でもーー


「あら、更に面白くなってきたわね、ショウ」


と、頭で考えている時に、エイレが突然話しかけてきた。


すみません、読心できないと思うが、思考中に急に俺にふらないで。


びっくりしちゃうのだよ!


・・・まぁいい、ルール分からないが、俺も観戦するとしよう。



「レイズ」


「「「コール!」」」


『ではフルオープンです』


「フルハウス!うしゃっ、勝った!」


「ツーペアだ、くそッ!」


「チッ俺もだぜ」


「ノーペア・・・です・・・」


明らかな落胆の表情で言う兎人さん。


本当にさっぱり分からんが、悲しいほど負けているみたいだ。


何かそんな負のオーラが出ているもの。


今ので借金、どれだけ増えたのだろうか。


凄い涙目になってきているし。


思わず俺も貰い泣きしそうだ。


『お客様、これ以上したらプレイ時間がゼロになってしまい、ゲームが出来なくなりますよ。ただでさえ150程の負け。まだ続行し負けるようであるならば、リアルマネーのお支払いですが』


そんなしょんぼりしている彼女に、ディーラーがトドメをさす。


あ、涙腺決壊した、あの人。


まぁ俺でもそうなるよ、うん。


しかしプレイ時間ゼロってのはどういうことなのだろうか。


【どうやらお金がなかった為、プレイ時間を担保にして続行していたようですね】


そんな疑問が浮び出てすぐ、ナビ子が解説してくれた。


という事はつまり、このまま負けたらゲームが出来なくなり、リアルマネーで150万近くの借金。


ここでやめても、担保外の少ないプレイ時間で、ゲームマネー150万程を集めなきゃいけないってことか。


あの人、完全に詰んでいるじゃないか。


「ショウ」


絶望的だな、そう結論付けていると、エイレが耳元で俺の名前を呼んだ。


「なんーー」


「どりゃあ!!」


エイレに返事をしようとした瞬間、俺はエイレに綺麗な一本背負を決められ、ゲーム台まで吹き飛ばされる。


勿論俺の意識はログアウトだ。


『い、一体なんですか?』


「申し訳ありません、ディーラー。彼女の代わりにゲームしたいと申してたのです。それは気を失いながら飛んでくるほどに」


『代打、ですか』


「ええ。宜しくて?」


『・・・いいでしょう、オーケーです。ではこの方を席に』


「頼んだわよ、ショウ。まぁ今は気を失ってるけど」

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