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2-3

「いや、俺は認めん!!」


こんな恥ずかしい武器?が初装備可能武器であっていいわけ無い。


もうこうなったら、この定規を錬金の素材として使い、初装備だった事実を抹消してやる!


俺は再び錬金画面を開き、素材の欄に出来たばかりの定規を入れる。


よし、後は他の資材を入れるだけだな。


何を入れるかだが、どうせなら結構良いものを入れてやろう。


もしかしたら「最初だから素材は適当でいいかー」と出し惜しみして入れていた、鉄屑や劣化銅といったレア度低い素材のせいかもしれないし。


だったらここにある中でもトップクラスなランクの物を選択だ。


「砂金に合金、銀塊とルビーを入れてっと……。よし錬金だ!」


俺は願掛けを兼ねて、気合いを込めた声を出しながら錬金のボタンを押す。


さて、一体何ができる!?


ナビ子のテロップが出るのを、期待と恐怖で見守る。


すると錬金成功の文字と共に、結果を俺に伝えてくれた。


【超合金製60㎝L字型定規ができた!】


「またかよ!」


思わず大きな声で叫んだ。


なんで高価な物を入れたのに、定規が強化しただけになるんだ!?


普通は錬金が失敗した場合、「へなちょこの剣」といった弱い剣ができるはず。


あれか、俺は定規に呪われてるのか?


もういい、こうなったらとことん定規の運命から抗ってやる!


今度は先程できた定規に、布や木材といったものを入れる。


こうすれば金属と非金属の錬金となって失敗する可能性が高いが、少なからず定規から変わった結果が出てくるはず……多分。


俺は更なる期待を込めて錬金を始めた。


この流れで一番怖いのは、木材の定規になることだが……


先程から言っているとおり、金属と非金属の組み合わせなので、木材定規になることはまず無いだろう。


ならもう安心したも同然。


さあ、どんな失敗作が出来たか見せておくれ、ナビ子よ!!


【錬金成功】


む、錬金は成功してしまったようだ。


だが鉄屑とか意味不明なオブジェとかに──


【試作実用型60㎝L字定規ができましたとさ】


「どういうことだよ!!」


先程よりも大きな声をあげて言う俺。


なんだよ、定規に“試作実用型”って!


なんの試作で、何を実用するんだよ。


定規は線を引くだけの物でしょうが!


よし、もう諦めて新しいものを作ってしまおう。


そうすりゃ定規との因果も終わるはず。


最初から価値が高いものをいれ、錬金を始めりゃいいのさ。


俺は錬金画面で、貴重鉱石を湯水のように投入し、錬金のボタンを押した。


【超合金分度器の完成!】


「だからなんでじゃー!!」


──その後六回ほど錬金をおこなったが、できたものは全て文房具のみだった。


唯一まともそうなのは、ハサミくらいだろうか。


それでも文房具だけどね。


まぁそんなものばかり出来ていたので毎回発狂したわけだが、錬金挑戦10回目にてついにエイレがキレました。


「ショウうるさいから黙れ」


「ごめんなさい」


俺は間髪いれず、潔く謝罪をする。


これに関しては、実際俺もどうかしていたと思うしな。


にしても、間近で10回奇声を耐えるって凄い。


すぐに怒ってしまうものだと思うのだが、意外にエイレは心が広いのか?


……脅してきてるからそれはないだろうが。


「それでなんであんな発狂してるわけ?」


そんなエイレは、俺に家畜を見るような目線を向けながら訊ねてきた。


俺は言おうか悩んだが、一応正直に話すことにした。


「錬金で文房具しか作れないんだよ、なぜか。いい素材使ってもだ」


「ふーん……」


そう言ってエイレは錬金画面を開き、何やらやり始めた。


そして暫くしない内に、立派な剣を何処からか取り出して構えていた。


「最低材料で回してロングソード。……錬金素材や錬金釜のせいではないみたいね。つまり悪いのはショウか」


今度はゴミ屑を見るように、俺を眺めるエイレ。


しかもため息付きである。


わざとやってる訳じゃないのに、この扱いは酷いと思うのだが……


「取り合えず錬金は役に立たないと分かったから、調合の方して頂戴」


「……はい」


ちょっと目から何かが出そうになったが我慢し、エイレと場所を変えた。


そして調合を選択し準備を始める。


今度はちゃんと出来るといいが……


基本的なハーブをいれ、祈らずボタンを押した。


ましなものができれば万歳だけど。


さてどうなる?

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