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オンラインで間違って最弱な鬼を選んでしまった件  作者: あるすれっと
クイーンクエスト またの名を 糖党撲滅大作戦!
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11-11

それぞれが放った大技は、フード男を包み込みながら飛行船を破壊していく。


特に宇佐美様の呪文。


苦しみの声を響かせながら、荒れ狂う暴風が敵と機体をバラバラにしていた。


勿論そうなってしまったら起こることはひとつ。


機体バラバラ、イコール床もサヨナラバイバイ。


落下するのは必然であった。


「うぉぉぉぉぉぉぉぉおぉおぅ!?」


なんとなく予想はしていたが、この状態のパラシュート無しスカイダイビングはやっぱり怖すぎる!


だってあらゆる破片が一緒に落下してるんだもの。


下手したらそれにぶつかって死ぬわ。


まぁそもそもで落下死する未来しか無いんですけどねー!!


ーーと、そんな感じで。


敵のフードや、味方がどうなっているのか、周囲を見て探す余裕なんか俺にはなく。


俺はただただ恐怖に怯えながらただただ落ちていくだけだった。


「ショウさーん!!」


そんな中、とある聴き慣れた声が周囲から聞こえてきた。


俺はその声の主がいるだろう方角を向く。


するとやはり俺が予想していた通り、いたのは宇佐美様だった。


更に言うと他の面々も宇佐美様の周囲に集まっていて、まるで集団スカイダイビングしているかの状態となっている。


もしや「集まって。こっち来て!」と言うことなのだろうか。


なーんて思っていると、宇佐美様が手招きしているので間違いないようだ。


俺は腕とか足とか動かしまくり、なんとか近付くことができた。


「みんな揃いましたね?」


俺が着いたタイミングで宇佐美様が聞いてきた。

何となく周りを見てみるに、揃ってはいるようだ。


「全員いますね!……じゃあ今からなんとかするので、絶対に喋ろうとしないでください」


安堵めいた表情を浮かべつつ、そう言いながら宇佐美様が取り出し構えたのは月天複品。


そういえば月天は重力を操る武器だっけ。


……もしかして、これでなんとかする気じゃあないだろうな!


「絶対舌が切れちゃいますからッ!!」


全てに気付いた俺は止めようとするが、一足遅く。


振り下ろした月天は、宇佐美様を中心に俺ら全員を重力の檻に包み込む。


その瞬間なんとも言えない程の圧迫感を受け、気付けば地面と熱い抱擁をしている状態となっていました。


うん、気絶したな俺。


重力強すぎてだとは思うけれど、まさか着地するまで意識が落ちてしまうとは思わなかった。


ちょっと情けなさを感じつつ、膝に手をついて重く起き上がる。


「あら、お目覚め?」


真っ先に声をかけて来たのはエイレだった。


「凄いわよ、今。まるでアクションゲームのエンディングシーンみたいよ」


なんだそれ?と思いつつ、言われるままエイレが指差す方を見てみる。


「うわぁおぅ」


するとどうでしょう。


空中分解しながら大爆発を起こし、絶賛墜落中の飛行船が見えるではないですか。


確かにボス倒して、仲間救出した後に崩落していくステージを見ると、凄い見知ったエンディング感がすっごくする。


「ホント、“長く苦しい戦いだった”って言いたくなるような光景ね」


「マニよ……それを言ってしまうと怒られそうな気がするんだけど。いろんな意味で」






ーーと、まぁそんな感じでエイレの救出作戦と、長くウザかった糖党との戦いが終わったのだった。


因みにその後の話ダイジェスト。


イベント中に自国の姫が襲われたーという事で、急遽中止。


帰りの準備ができるまで、温泉や食事で今回の戦いを癒して過ごした。


因みにチームメンバーだったミーコさんらと改めて交流もした。


交流というか防衛戦おつかれ会的な感じだったが、相変わらずのコミュ障を発揮したので割愛。


位前よりはマシにはなったと思う……うん、思いたい。


と、まぁそんな感じで数時間過ごし、帰路についた。


特段と問題はなかったがちょっと気になるところとして、惰之の姿がログアウト後から確認できなかったことはあった。


あまりにも気になるんでこっそり運営に聞いてみたところ、すぐ迎えが来た為帰った、との事だった。


変人ではあったものの強かったし、ちょっぴり話を聞いてみたいもんだったが……残念。


ま、もしかしたら今後会えるかもしれないし、その時を楽しみにしておこう。


ーーああ、それと後ひとつ。


家についた俺は直就寝したんだが、その翌日に、ポストに封筒が入っていた。


宛先は俺の名前。


というか凄い見たことある封筒だ。


まるでリアイベの手紙が入ってた封筒そっくりな感じの。


俺はゴクリ、と息を呑む。


そして意を決して封筒を開封、中身を確認すると……あらびっくり


「かっ……感謝状授与式ぃ!?」


更なる問題が勃発しようとしていた。





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