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2-2

「さて、ここが私の拠点よ」


あの仲間強制加入イベント後、冒険するにあたって準備をと、エイレのハウスに行くことになった。


近いーとは言っていたが、馬車から降りてすぐ目の前にあったのは思わずビックリしてしまった。


プラスその家が滅茶苦茶豪華な屋敷だった事にも驚き。


洋館で、一瞬何この銀行?と思えるような大きさ。


例えるなら、ゾンビが出てくるタイプのホラーアクションゲームの舞台になってそうな感じだ。


「少々窮屈かもしれないけど、そこは許してね」


そんな屋敷だというのに、こんな発言。


この少女は喧嘩売ってるのかな?


ヨーロッパの歴史的建造物のなんとか邸みたいな感じの大きさなのに窮屈?


本気で言ってるのであれば、眼科をおすすめした方が良さそうだ。


……なお、こんなに毒吐きモードなのは、気分が悪いのと脅された恐怖で自棄になっているからです。


もうどうにでもなれーって感じだな。


「あら、入らないの?」


気付けば入り口の扉を開けて待っていたエイレ。


俺は「ああ、行く」と、ひと声かけてから入った。


「ここが拠点のエントランスよ」


想像通り、中に入れば別世界。


一面中赤のモフモフした絨毯。


大理石と思われる、純白の階段。


白を基調とし、美しい龍の金装飾があしらわれたシャンデリア。


間違いなく明らかに素晴らしい豪邸だった。


思わず呆けてると、エイレが背中をトントン叩いてきた。


「アイテムある場所にいくわよ」


そう言えばアイテムを取りに来たことを忘れていた。


こんな場所にあるアイテムなら何となく期待度が高くなる。


レアアイテム・レア装備があったりして。


なんて期待を持ちながら、エイレと一緒に左奥の部屋に入った。


「……へ?」


そしてビックリした。


悪い意味で。


この部屋にあったのは、薬草や鉱石といった素材品と、調合器具、錬金釜のみだったのだ。


「エイレさん、ま、まさかだよな?」


俺は思わずオドオドしながら尋ねる。


するとエイレ、俺の方を向いてニコリ可愛く笑うとこう告げた。


「そのまさかよ。今から作るの」


唖然である。


さっきもぽかーんとしていた俺だが、これは別な意味のぽかーんだ。


前者は感動、今は呆れて物を言えない感じ。


明らかに変な表情になっているだろうが、エイレはそれをスルーし製作の準備を始めていた。


「え、エイレさん?」


「しょうがないじゃない。発売当日にレアアイテム狩りできるわけ無いでしょ。だから可能な限り作ろうと思ったのよ、ましなものをね。はい準備完了!」


早口で俺の聞きたいことを全て伝え、用意を終わらせたエイレ。


ちょっとイライラしながら言ったのは、この際(怖いので)スルーするとして。


すげぇ今準備するのが早かったぞ。


事前に準備してただろうけど、動きがすっごく早かったし、掛かった時間が1分未満ってのも驚きだ。


もしかしてエイレの特殊能力だったりして?


そんなことを考えながらエイレの隣に立った。


「ショウさん、アイテムはいっぱいあるから順番にやっていきましょう。最初私は調合、ショウさんは錬金でお願い」


「はいよっと」


もう、細かいことは後回しだ。


今はアイテム作りに専念した方がいいだろう。


俺は早速ナビ子に頼んでメニュー画面を開き、錬金の項目を選択する。


するとアイテム欄と合成欄が現れた。


【使うアイテムを合成欄にリストアップしてくださいな】


俺は数あるアイテムから適当に選び、錬金のボタンを押した。


なお、このゲームだが、錬金は鍛冶の要素も兼ね備えている。


なので宝石とかはもちろん、武器もここで作ることができるのだ。


武器がない俺にはうってつけでもある。


……さて何ができるかな。


できれば武器、最低でも武器、何がなんでも装備できる武器が欲しい。


さて結果はどうだ!






【錬金成功!】





【60㎝L字型定規ができた!】





「はぁ!?」


L字型定規だと?


なぜそんなものができるんだ!?


重要そうなアイテムでもなさそう、ってか確実に違うでしょ!


【でも良かったですね】


「なんだナビ子」


【念願の初装備可能な武器です】


……はい?


う、嘘だよな。


ナビ子さんの小粋なジョークなんだよな?


俺は確かめるべく装備を選択してみる。


すると武器の欄には先程の定規の文字。


まじ……かよ……

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