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ハジマリ-エリー・ローラン
気づいたのは…
そう、2ヶ月くらい前。
私はベッドで天井を見つめてた。
気づいたの…
ぼんやりと淡く輝くペンダント。物心ついた時から身につけていたペンダント。
父さんが小さな古物商から買ってくれたのを幼い私はひどく気に入りプレゼントしてくれた。
不思議な文字。深く淡い緋色。時を忘れて魅入ってしまう。ふと、この世の物ではないかのような錯覚さえ感じる。
淡く輝き出した頃からだったかな?
不可解なことが起きたのは…
『我定めし掟に背くは赤き鉄槌を撃つ』
確かに聞こえた。私だけ?
私は…
『私達に触らないで』そう言葉を発した。
意識が戻ったときに最初に見たのは、壊れた人形。何かに上から踏み潰されたような壊れ方。
人形との大きな違いは…
ニオイ。吐いた。
強姦事件が多発してたんだっけ。女とはいえ三人いれば大丈夫だと思ってた。
あとの事は覚えていない。
お父さんとお母さんは…
『何もなかった。』『犯人は捕まった。』
『無事で良かった。』
一緒にいた二人は?
覚えてないらしい。
夢?
違う。
あのニオイ。飛び散った破片。
真っ赤な血の海。
そして、あの声。
夢なんかじゃない。