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プロローグ

 桜ヶ丘高等学校。

 スポーツに始まりアニメ、音楽、工学など様々な分野に力を入れているここいらでは有名な学校に入学してから二週間後のその日。俺の今後の学校生活を大きく変える運命的な出会いがあった。


 校舎前で上級者が部活動の勧誘に精を出す中、そこに混じってビラを配っている一人の女の子。首もとの赤いリボンは彼女が間違いなく俺と同じ一年生であることを示している。


 少しパーマのかかった鮮やかな金の長髪。少し幼さを残した可愛い顔立ち。小さめの身長から細い足まで見た目だけで評価すれば俺の好みド真ん中のその女の子を思わず凝視してしまったことを誰が攻められようか。

 どうやら、ゲームの中から出てきたんじゃないかと思うほどにどこか現実離れした可愛らしさを持つ女の子に俺は一目惚れしてしまったらしい。 時間にして十秒ほど、永遠にも感じられたその時間は唐突に終わりを告げる。


 俺の視線に気づいたのか、女の子がこちらに視線を向ける。バッチリ目が会ってしまった。


 気持ち悪いと思われてしまっただろうか。そんな俺の不安を吹き飛ばすように、女の子は1つ微笑んでこちらに駆け寄ってくる。

 そして目の前で立ち止まると、女の子は左手に抱えたビラを一枚抜き取り、差し出しながらこう言ったのだ。


「恋愛部に入りませんか!?」


 女の子からビラを受け取り、天使のような微笑みを向けてくれる彼女に「ありがとう」と返す。


 なんの変化もない、毎日を自堕落に過ごす日常を送って来た俺だけど、これからの高校生活はきっと楽しくなる。


 ……この時はそう思っていた。

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