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紋白蝶
紋白蝶のように踊る、狂った少女のお話し。
少女が踊る部屋は一面…
少女は回る。
ワンピースの裾を羽根のように舞い踊らせ
少女は廻、る。
真っ赤に染まった部屋の中、独り穢れることもなく
真っ白な少女は
柔らかな微笑みを浮かべて
踊るように、跳ねるように、回り、廻り…
足下に散らかる無数の屍の山を超えて逝く……
例えるなら、お花畑舞う紋白蝶のように…
ただ、ただ、楽しそうに…
可憐に、軽快なステップを奏で、
気持ち良さそうに綴じていた瞳を時折開いて、
赤ちゃんのように澄んだ目を虚ろにさ迷わせ、
此処では無い、何処か遠い所を眺めて、
少女は廻り続ける………