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ハッピーエンドを求めて  作者: 蓮翔
第一章 ただの殺し会い
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第9話 エスケープ

この作品は全三章で構成するつもりです。話の更新される日が不安定なことがあります。一応週一以上の頻度で更新するつもりですが、できなかった場合はどうかご容赦ください。

原田九老「福山、これでいいんだよな。」

福山幸多「何のことですか?原田さん。」

原田九老「橋本がやられたことだ。あの小僧、結構な数値持ってただろう。」

福山幸多「あー確かに。そこは想定外でした。もう少しあとて切り捨てるつもりだったのですが。まぁ彼一匹の数値くらいで我々の計画に支障はないです。」

原田九老「…ならよい。」

福山幸多「エスケープも数値も山ほどある。問題は我殺という男がいっていた我々への障害となるもの。」

原田九老「あの男のいうことやけにすんなり信じているな。」

福山幸多「私の種性核の恩恵により、我殺狂助が前回の参加者だということは分かっています。これだけでも耳を傾ける価値はありますし、それにあの住宅街を確認みたら彼のいっていたことは本当だということも分かりました。」

原田九老「お前はあいつに何を言われたんだ?」

福山幸多「どうやら、武召喚を知らずに大量の参加者を失格にさせている者がいるらしいです。その者はあの住宅街にも姿を現し、そこの担当をさせていた南川もやられました。」

原田九老「あいつはワシに匹敵する力を持っていた。そんなやつを武召喚せずに倒した、なんて信じらるわけないだろ。」

福山幸多「実際に証拠の映像を送られました。今、原田さんにも送るので、確認してみてください。」

原田九老「ふむ、、」

この腕時計、録画やメールのような機能も付いているのか。確かに、さっき確認した住宅街は不自然な痕跡が多かったが。ひとまず福山に送られてきた動画を視聴をする。

…………確かに本当のようだ。いや、本当と仮定しよう。

原田九老「それが本当ならこのゲーム、お前の予定通りに進まない恐れがあるだろ。」

福山幸多「えぇ、ですのでまずは、、その男を排除することから始めます。」



桐生亜衣「おおぉー!!思ってたよりひろーい。」

子供のようにはしゃぎながら、両手を広げてぐるぐる回っている。

嵯峨野健児「このリアータホテル、現界ではかなり評判がよかったらしいですよ。」

ここは全部で4階建て。ホテルというよりかは屋敷や豪邸に近い。プールなどのレジャーサービスもないしな。

肝田葛葉「30分くらいこのホテル案内してるけど、あいつ反応がずっと新鮮で見ていて気持ちがいいな!」

榎宮愷「確かに、いい年して恥ずかしい。」

桐生亜衣「ガイくーーん?」

斑目遅刃「榎宮さん。女に吐く言葉には気を付けた方がいいです。我殺さんですら太刀打ちできないんですから。」

桐生亜衣「斑目くーん?聞こえてるよーー??」

何ていうか、急に平和だな。楽しいと思えたのは結構久しぶりかも。でも、いずれこの人たちとも、、

飯島聡「榎宮さーん。桐生さーん。坂縞さんが目を覚ましたので、このホテルの4階にある401号室に来てくださーい。」

桐生亜衣「樹くんも起きちゃったか。じゃあいこっか、愷くん。」

榎宮愷「そうだな。」


飯島さんに来るよういわれた、401号室へと向かい、扉を開ける。部屋には、飯島さん、坂縞くん、我殺狂助の姿がある。

我殺狂助「よし、全員集まったようだな。」

部屋には5つ椅子が置かれていて、2つが空席。その二つの椅子にそれぞれが腰を下ろす。

坂縞樹「ききたいことが山ほどあるんだが、もう質問してもいいのか?」

我殺狂助「そうだな。とりあえず、お前らが一番ききたいことをいってみてくれ。」

坂縞樹「なぜ俺たちを助けた」

我殺狂助「まぁそこだよな。さっき、お前にはいったが俺は、」

榎宮愷「前回の幸奪戦争に参加していた。」

そのときの我殺狂助はわずかに眉をひそめていたような気がした。

我殺狂助「……あぁそうだ。俺は前回このゲームに参加していてた。だからこのゲームの大体のことは知っている。例えば、この幸奪戦争でやけに参加者の減りが早い理由とかな、、」

桐生亜衣「確かに1日ちょっと全体の4割も減るのはやっぱりおかしい。」

坂縞樹「それにも、ちゃんとした理由があると?」

我殺狂助「あぁそうだ。その前にお前らにききたい。

【種性核】というのは知っているか?」

桐生亜衣「うん…なんとなくだけど知っているよ。衛藤さんが教えてくれたもの。」

我殺狂助「衛藤…?そいつの種性核は?」

榎宮愷「エスケープだよ。」

飯島聡「なるほど。だからこの腕時計の失格履歴に衛藤奏という名前が載っているのですね。」

坂縞樹「彼女に聞いた話だと俺たち一人一人に属性のようなものが振り当てられている。その属性のことを種性核という。それが何種類あるのかとか、エスケープ以外にどんなものがあるのかは彼女にも分からなかったが、彼女の種性核のことは全部教えてくれた。エスケープの種性は大きく分けて三つある。

一つがエスケープの武召喚数値の初期設定数は2.0で

ファーストに使う数値が0.2であること。そしてエスケープは通常、2.0以上の数値を溜め込むことができない。

つまり、エスケープは他の参加者と戦闘になった際、かなりの不利を強いられる。」

我殺狂助「そうだな。その情報は俺の知っていることと合致する。ただ種性が3つもあるのは知らんな。もう少し続けてくれ。」

坂縞樹「二つ目。エスケープはさっきもいったとおり戦闘に勝つのは絶望的。だがエスケープのメンバーの中で最後まで残った人間にのみ、数値の上限は解放され、大幅に強化されるらしい。」

我殺狂助「それは知らなかったな。つまり、エスケープはゲーム序盤だとお荷物になり、終盤だと即戦力になる。そういう種性核に設定されているのか。一概に外れ種性核と言えないのか。」

坂縞樹「……そうだな。エスケープはこのゲームの序盤においてはかなりのお荷物だ。」

我殺狂助「エスケープ三つ目の種性。それは、、」


坂縞・我殺「エスケープとその周囲にいるものの居場所は

エスケープ同士で共有される。」




ゲーム開始から一日と六時間

残り参加者 555人





~一方、ゲーム開始から数時間経ったとある森でのこと~

佐々木浩二「んっ、、うぅぅ、、」

見慣れない場所で目を覚ます。

佐々木浩二「どこだ、、ここ?」

幸奪戦争ってのはもう始まったのか?一体何をすれば、、、

………………………………ん?俺の目おかしくなったのかな、、

何か木の幹にコアラみたいにしがみついてブルブル震えている人が目の前にいるんだが…??

佐々木浩二「……えーっとーーー、大丈夫??」

花村祈「!?エスケープの僕に手を差し出してくれるなんて!!!」

佐々木浩二「え?ん?何?エスケープ??」

花村祈「うわぁぁぁぁぁぁん。兄貴ーーー」

佐々木浩二「え、えぇぇ、、、」







最後まで読んで頂き誠にありがとうございます。初の投稿作品ですので、まだ粗削りで不出来なところもあるでしょうが温かい目でこれからこの作品を見守って頂ければ幸いです。作品を読む際に【ハッピーエンドとはどういうものなのか】このことを念頭に置きながら読んで頂ければ、より一層深くまでこの作品を楽しめると思います。これからもこの作品を皆さまに楽しんでいただけるよう、精進して参ります。

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