第53話
この作品は全三章で構成するつもりです。話の更新される日が不安定なことがあります。一応週一以上の頻度で更新するつもりですが、できなかった場合はどうかご容赦ください。
また、主人公を決めつけてこの作品を読み進めると、その主人公と決めつけたキャラに対して落胆の感情を抱く可能性があるので、この作品に主人公はいないと思いながら読むことをおすすめします。
佐藤要「俺たちが武召喚できる理由…」
桂唯賀「その力で暴動でも起こされたら運営側にとっては不都合でしかないでしょ。まぁ、何を目的としているのかは知りませんが。」
佐藤要「……」
桂唯賀「何か分かりましたか?」
佐藤要「もしかしたらの話だが、、極楽でも【武召喚が使われているのか?】」
桂唯賀「その可能性はありますよね。もし、それが正しいなら色々とおかしいんですよ。」
佐藤要「お前は、、どこまで、知っているんだ?」
桂唯賀「私を運営側の人間だと思っているなら大外れですよ。私は一般的なあなたと同じ参加者です。」
佐藤要「お前の、、目的は?」
桂唯賀「気に入らないものを全部ぶっ潰す。それだけです。」
桂唯賀「ま、トークタイムはこれておしまいということで。」
原田九老「それで全てなのか?」
佐藤要「!?」
突如として現れる。得体の知れない老人が。
桂唯賀「原田さん。まだいたんですね。」
原田九老「桂、お前は本当に運営側の人間じゃないのか?」
桂唯賀「……原田さん、何か掴みましたね。」
原田九老の問いから推測する。なぜ、その質問をしたのか?答えは自分が運営側の人間だと疑われていているから。もしくはいたから。「それで全てなのか?」という言葉。桂唯賀という男には何か重要なことを隠している、または知っている可能性があると疑われている。なぜ、そんな言葉をかけたのか?何か重要なことを知りたいから。なぜ知りたい?一部分だけ何かを掴んだから。
そうした数珠繋ぎのような連鎖推理のもと、その答えにたどり着く。
原田九老「この幸奪戦争の参加者の中に運営側の人間がいる。そいつを捕らえて情報を吐かせる。」
桂唯賀「そいつまだいるんですか?他の参加者に倒された可能性やもうこのフィールドから脱出した可能性もありますよ。」
原田九老「そうだな。だからいるかいないかを今、調べているんだ。」
桂唯賀「何をあてに?」
原田九老「菅田が前に妙なことを言っていた。腕時計を二つ着用している参加者がいるって。」
桂唯賀「その人が運営側の人間だと?」
原田九老「少なくともただの参加者ができることじゃない。運営側の人間本人じゃなくともそいつと関わりは持っているはずだ。」
桂唯賀「なるほど。では、あなたの問いに戻りますね。私は本当に何も知りません。隠している情報はこれっぽっちもありません。」
原田九老「そうか、ならいい。」
そうして、足と体の向きを半回転させる。
桂唯賀「あれ?私、逃がしてやるとか言いましたっけ?」
原田九老「戦うのか?」
桂唯賀「もう共闘関係は終了してますよね。あなたが持っている情報は気になりますが、その運営側の人間を捕らえられれば、容易に取得できるものでしょう。」
原田九老「戦って勝てると?」
桂唯賀「えぇ。自慢ですが、私は戦い方がお上手ですので。」
原田九老「……」
桂唯賀「……」
互いに睨み合うこと数秒。そしてその時間が経った後に、互いの口から戦闘の意思が示され、戦端が開かれる。
原田九老「ファースト!」
桂唯賀「セカンド!」
原田九老の右手に剣が投影される。桂唯賀の両手には黒鍵が投影される。そして互いに向かい合い、無言での戦闘の合意を確認した後、大幅に距離を縮める。剣と黒鍵がぶつかり、火花を散らす。剣を桂唯賀に当てようと、前に一歩踏み出し、剣の軌道を変更する。その動きに過敏に反応した桂唯賀はすぐさま一歩後ろへと足を踏み入れ、黒鍵を使い、剣を手から無理やり引き剥がそうとする。その思惑は叶わず、剣と黒鍵が衝突した瞬間、黒鍵がその衝撃に耐えきれず破壊される。この状態を好機と考え、原田九老は桂唯賀の腹部に向けて、剣を使い切り裂こうとする。 だか、その思惑も叶わなかった。
桂唯賀「バウンド」
原田九老「!?」
もし、自分が桂唯賀の腹部を切り裂かそうとすればどうなるのか、それをすぐさま感じとり、持っていた剣を手放す。手放した瞬間、桂唯賀の口元がわずかにゆるんだ。
桂唯賀「ツインサモン!!」
桂唯賀の左足に武召喚が行われる。強化された左足の足蹴が原田九老の胸に当たる。その衝撃で原田九老の全身は強制的に地面との摩擦を起こし、土埃を舞いながら後退る。
彼が後退りを行っている間に、桂唯賀は原田九老と離れた距離をまたも縮め、奇襲を仕掛ける。
桂唯賀「ポイズン!!」
原田九老の目の前まで近づき、彼の右腕に触れ、そう宣告する。
原田九老「!? ファースト!!」
左腕に剣を投影し素振りを行う。その素振りで桂唯賀から自身との距離を離すことに成功する。
原田九老「くっ!!」
桂唯賀を払い退けたあとに彼がしたことは自身の持つ剣で右腕を切断することだった。その痛みで表情は苦悶のものへの変わる。
桂唯賀(ここまで来ればもう勝ち目はないはず!)
そう考え、離された距離をまた縮め、とどめを刺そうと目論む。
佐藤要「フッ!!!」
桂唯賀「!?」
桂唯賀の背後に佐藤要が忍び寄る。最後のちからを振り絞り、体が限界だと叫んでいる状態を表情で表しながら。
佐藤要(いちかばちか!!)
佐藤要「サードサモン!!」
自身の左手に武召喚を行う。そしてその左手を桂唯賀の顔面へと徐々に近づけていく。近づいてくるその左手を桂唯賀はしゃがみこむことで回避する。しゃがみこんだことで、佐藤要の下半身を狙いやすくなったことを利用し、左足を円を描くように回転させる。その回転した足が佐藤要の両足に衝突させようと試みる。
佐藤要「ファースト!!」
武召喚された左足の攻撃を両足に武召喚し、その場からジャンプすることで回避する。そしてそのジャンプの勢いや力を利用し、原田九老のもとまで近づく。
佐藤要「にげるぞ!」
原田九老を抱え、この場から離れようとする。
桂唯賀「させませんよ」
そう告げ、また別のアクションを見せ始める。そのアクションが実行されるまえに佐藤要はある行動に出た。
佐藤要「ワンイータ!!」
一つの細長い光線のようなものが、桂唯賀に向けて突進する。それを避けても、ホーミング弾のように桂唯賀を追尾する。
桂唯賀「ちっ!そういう使い方もあるとは」
感心と苛立ちを込めた言葉を聞き流し、原田九老と共にその場から離れる。佐藤要はクラインドを行うことで桂唯賀から逃げることには成功した。
~その数分後~
桂唯賀「アブソーブ!!」
何百度かワンイータというホーミング弾を避け続け、さすがに疲れと飽きが来たため、ワンイータの威力を武召喚を利用して吸収し、弱まったクラインドを受けてやった。そのときに小さな衝撃波のようなものが生じた。
桂唯賀「くっ、、さすがクラインド。威力は伊達じゃないですね。それにしてもあの二人はどうしましょうか。」
親指と人差し指をあごの前まで持ってきて、少しだけ考える素振りを見せる。
桂唯賀「まぁ、いいでしょう。ポイズンでどのみち【消えますし」。」
~それからさらに十数時間後~
才原清一「山田。リアータホテルに榎宮愷がいると言っていたがどこにもいねぇじゃないか。」
リアータホテルに足を踏み入れたが、榎宮愷の姿はどこにも見当たらず、苦言を呈している。
山田雅人「あれー?おかしいな。アナリストの解析ではリアータホテルに榎宮愷の特徴と一致する人物がいるってなってるんですけど。」
夏倉位翔子「まぁまぁ、他に何か手がかりはないの?」
山田雅人「ちょっと待ってくださいねー。
うーーん、あ!学校に向かった痕跡があります。」
夏倉位翔子「ここから学校か。え、歩くと大分遠いよ。」
才原清一「構わん。いくぞ。」
才原清一(榎宮愷、お前だけは絶対に逃がさない。)
固い決意を胸に一歩一歩、殺意と狂気を学校へと近づけていた。
ゲーム開始から五日と二時間
残り参加者18人
最後まで読んで頂き誠にありがとうございます。初の投稿作品ですので、まだ粗削りで不出来なところもあるでしょうが温かい目でこれからこの作品を見守って頂ければ幸いです。作品を読む際に【ハッピーエンドとはどういうものなのか】このことを念頭に置きながら読んで頂ければ、より一層深くまでこの作品を楽しめると思います。これからもこの作品を皆さまに楽しんでいただけるよう、精進して参ります。




