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ハッピーエンドを求めて  作者: 蓮翔
第一章 ただの殺し会い
48/58

第48話 失ってでも

この作品は全三章で構成するつもりです。話の更新される日が不安定なことがあります。一応週一以上の頻度で更新するつもりですが、できなかった場合はどうかご容赦ください。

また、主人公を決めつけてこの作品を読み進めると、その主人公と決めつけたキャラに対して落胆の感情を抱く可能性があるので、この作品に主人公はいないと思いながら読むことをおすすめします。

榎宮愷「才原によって参加したって、、は?ほんとにさっきからお前ら何を言っているんだよ。」

パート「説明してやりたいところだが、どうやらもう時間らしい。知りたかったら、アナリストを探せ。種性核で失われた記憶()は取り込むことができるはずだ。」

榎宮愷「いや、ほんとに、、マジで意味分からねえ。」

パート「じゃあな。起きて四条債賀でも倒してこい。」

榎宮愷「おい!おい!!」

カイリ「……」

意識が遠のいていく。いや、取り戻していってるのか?夢の世界から追い出され、現実の世界へと向き合わされる。ようやく俺は目を覚ました。あまりに遅く、あまりに手遅れな状況で。

榎宮愷「はっ!!」

起き上がった。起き上がったときに右横に視線を向けたら、一人の男がボロボロな状態で足を伸ばし、壁と背中をくっつけていた。それが佐々木浩二であったと数秒考えて分かった。

榎宮愷「あ、おい!佐々木!!」

佐々木浩二「あ、やっと目を覚ました…」

榎宮愷「すまない、状況は?」

佐々木浩二「花城さんがやられて、木崎と坂縞は満身創痍。桐生と種核醒した花村の二人で四条債賀と交戦中。ソイーブルは解除したが、武召喚数値という数の暴力でこちらが不利。一撃でも受けたら致命傷になる。こんな感じですかね。」

榎宮愷(花村祈が種核醒したということは、花村以外のエスケープはもういない。種性核の関係上、花村ではやつを倒せない。桐生の場合は数値が足りない。俺がやるしかない。)

佐々木浩二「頼みましたよ愷さん。」

榎宮愷「……あぁ」


花村祈「うぁぁぁぁ!!!!」

四条債賀「何度やっても同じだ。」

四条債賀(ちっ!くそが。いよいよ本気で目が見えねえ。視界が何もかも霞んでやがる。感覚だけで戦うしかねえのかよ。)

四条債賀の視力はもう機能していなかった。聴覚や気配、それらを使って相手を認知するほかないのである。だが、四条債賀にとって花村祈、桐生亜衣の二名を認知することは視覚を奪われた状態でも容易であった。視覚が機能を失う前に、ある程度の二人の位置は把握してあり、音や動きの気配、それらを読み取りやすいからだ。視覚を失おうが、この二人を相手にすることは造作もない。

この二人だけは。

四条債賀「!?」

突如として、背後から背中を斬られた。視覚以外の感覚は発達し、背中から痛覚という信号を脳に響き渡らせていた。そしてすぐに気づいた。誰かが後ろにいる。桐生亜衣、花村祈とは違う誰かが。すぐさま身体の向きを動かし、背後にいた誰かと対面させる。

榎宮愷「……」

無言で悟られず、生気を隠し、剣を振るう。

2.3度、剣が四条債賀の身体をかすり、傷が生まれる。彼はまだ榎宮愷の位置を把握しきれていない。

榎宮愷(もうこいつの視力は機能していないんだ。だが、問題はその剣。振らせないよう必死で食い止めているが、それがいつまで持つか。


~数刻前~

神威廬利那「榎宮!あいつに突撃する前にロストイーブンの種性をもう少し詳しく教えてあげる。多分、その種性をうまく利用しないと突撃した瞬間にやられるから。」

榎宮愷「種性?身体の機能を力に変換することか?」

神威廬利那「そう。それを詳しく説明するわ。ロストイーブンの力の変換能力は変換する力が大きければ大きいほど、身体の負担は重くなる。種性に頼りすぎると、身体の機能が完全に失くなるの。そして大事なのはここから。変換能力をするときに代償として支払う身体の機能はあらかじめ決まってある。あんたは記憶、私は寿命、あいつは視力。変換能力を使いすぎるとあらかじめ決まってあった身体の機能は完全に失うとさっきいったわね。じゃあ完全に失ったあとにまた変換能力を使ったらどうなると思う?」

榎宮愷「…別の身体の機能が代償として支払われる…とか?」

神威廬利那「そう。いわばスペアの対価。そしてそのスペアは命に関わる危険なものがほとんど。心肺機能、骨や筋肉を衰弱させる、それらを失って弱体化させる。私に思い付く方法はそれしかないわ。だから、何がなんでも踏ん張りなさい。」


榎宮愷(まだだ!!こいつにはスペアの機能を失わせないと!!)

花村祈「うぉぉぉぉぉお!!!」

四条債賀「!?」

正面からだけでなく、背後からも襲われる。

四条債賀「舐めるなぁぁぁぁ!!!」

自身の身体を一回転させ、自身のクラインド剣の光線を襲撃者全員に浴びせようとする。

榎宮愷(くっ!まずい!!)

四条債賀が行動にでるほんの一瞬前、一人の男が行動に出る。

佐々木浩二「ぐ、、ば、バウンド!!」

佐々木浩二がそう叫んだ瞬間、四条債賀を囲むように結界が生成される。そして四条債賀が360度回転することによって、全方位に放たれる。それが四条債賀の敵に当たることはなかった。全ての光線は四条債賀へと返ってくる。

四条債賀「がはっっっ!!!」

大量の血を口から溢れだし、地に膝をつける。自身の手までもついてしまいそうなところを剣を持つことで体勢を支えている。

花村祈「佐々木さん!!」

佐々木浩二「思った通りだ…俺たちは直接的にやつを傷つけることはできない。でも、自爆するきっかけなら与えられる。」

そういい、全身を床につける。さっきのバウンドの生成に全ての武召喚数値を使用した。全ての力を失い消滅の道へと自ら歩んだのである。

佐々木浩二「花村、、あのとき、、最初に会えたのがお前で、、良かった。」

花村祈「佐々木さん!!」


佐々木浩二 失格



花村祈「わかりました。」

四条債賀「う、ぐ、ぅぅぅ」

武召喚数値を使用し、自身の身体の回復、治療を早める。それでも足りなかった。だから今度はロストイーブンの種性さえも使う。そして回復、治療はあらかた済まされる。だが

四条債賀「ごぶっっ!!」

なぜか口から血が吐された。

榎宮愷(来た!スペアの対価!!)

その瞬間、榎宮愷の剣は四条債賀のもとへと距離を縮める。だが、四条債賀も一応は回復しているため、その剣は受け止められる。榎宮愷は挫けず、もう一度、もう一度と剣を動かす。それに対して四条債賀は段々と対処することができなくなっていた。身体がどんどん鈍り始めた。

四条債賀(まだだ。この剣が当たれば)

そうして、右腕を高く掲げ、右手に持たれているその剣を榎宮愷へと向け、振り下ろそうとする。

榎宮愷「くっ、、、」

坂縞樹「させねえよ!!!」

四条債賀「は!?」

榎宮愷、四条債賀の真上へと姿を現し叫ぶ。

坂縞樹「榎宮!桐生!あとは任せる!

【クラウデット】!!」

クラウデット、そう叫んだときに放たれた一筋の光線は四条債賀の右腕へと照射される。

彼の右腕はその照射によって強制的に引き剥がされる。その右腕とともに飛ばされた剣は主のもとを離れたことによって自然に消滅した。坂縞樹、彼もまた自身の武召喚数値を全て消費し、クラインドを行うことで仲間の窮地を救った。そしてまた、一人失ったのだ。


ゲーム開始から三日と二十三時間

残り参加者68人

最後まで読んで頂き誠にありがとうございます。初の投稿作品ですので、まだ粗削りで不出来なところもあるでしょうが温かい目でこれからこの作品を見守って頂ければ幸いです。作品を読む際に【ハッピーエンドとはどういうものなのか】このことを念頭に置きながら読んで頂ければ、より一層深くまでこの作品を楽しめると思います。これからもこの作品を皆さまに楽しんでいただけるよう、精進して参ります。

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