第47話 遅効性の刃
この作品は全三章で構成するつもりです。話の更新される日が不安定なことがあります。一応週一以上の頻度で更新するつもりですが、できなかった場合はどうかご容赦ください。
また、主人公を決めつけてこの作品を読み進めると、その主人公と決めつけたキャラに対して落胆の感情を抱く可能性があるので、この作品に主人公はいないと思いながら読むことをおすすめします。
四条債賀「また一人増えやがったのか。」
花村祈「桐生さん、佐々木さん、まだ動けますか?」
桐生亜衣「うん。私はまだ戦える。」
佐々木浩二「花村、、」
花村祈「佐々木さん、もう磯貝も花城さんもいない。そして俺は今からあなたを守るために戦います。だから、これにはノーと言ってくれてもいいです。まだ動けますか?」
佐々木浩二「…ああ!!!」
四条債賀(数値は90。これ以上ソイーブルは使えない。花城というやつに手間取ったせいか。)
そうして、ソイーブルを解除する。
四条債賀「来いよ、二番煎じ。俺の被害者にしてやる。」
原田九老「向こうは頑張ってるのぉ。ま、私には関係のないことだが。」
菅田神東とともにリアータホテルへ足を踏み入れ、即座に菅田神東を置いてけぼりにした男が行っているのは探索であった。彼は四条債賀から離れたところにはいるが、リアータホテルから出たわけではない。菅田の言っていた、【あのホテルには何かがある】という発言、彼はそれだけは信じ、ここへ足を運んできたのだ。
原田九老(あいつのいっていた、腕時計を二つつけているやつが何なのかは知らないし、普通に考えたら、こんなところに何か意味のあるものがあるもは思えないが、菅田の勘というか直感はあてになる。やつが疑問に思ったこと、何か特別なものを感じたとき、それには必ず何かがあった。必要であり、目的に一歩近づくことができるものが。)
そうして、辺りを散策していたときに、一つの部屋が目に入った。
原田九老「401号室、ここだけ無事なんだな。」
ある程度もとに戻したとはいえ、爆撃を受けたあとでは、受ける前と形や色はどうしても再現しきれない。このホテルの扉には爆撃を受けたもの、無事で済んだもの、その二つの違いは明白でどうしても違和感があったのだ。
原田九老「とはいっても、椅子が並べてあるだけだな。」
部屋には五つの椅子が無造作に並べられている。他のものを挙げるならば、ベッドや机など固定されているもの、ホテルにいけば当たり前にあるようなものしか視界に映らなかった。ある一つの場所を除いて。彼が机の引き出しを適当に開けていたときのことだった。
その引き出しの中身には何もない。だが、その引き出しは明らかにおかしかった。
原田九老「一番上の段の引き出し、他の段の引き出しより底が厚い。」
試しに、一番上の段の底を無理やりこじ開ける。底上げしていた板を取り外したときに一冊のノートが姿を現した。
原田九老「何だこれ。」
そのノートを開く。そして開いた瞬間に、それが原田九老が求めているような代物であったと判明する。かかれていた内容はこうだ。
このノートを見たものへ
このノートの場所は僕が信頼した人間にしか教えていない。秘密裏に行っていて、絶対にバレるわけにはいかないからだ。だから、あなたがこれを見てるということはあなたはその信頼のテストに合格したのだろう。そこであなたに二つ頼みがある。一つは、僕がこのノートに記した情報、これを地獄にいるある人間に伝えてほしい。つまり、このゲームに勝たないでほしいんだ。なぜ、そんなことを頼むのか、何が目的なのか、聞きたいことは多いだろうがどうか引き受けてほしい。伝えてほしい情報は下記の通りだ。
・ 武召喚は幸奪戦争が終わったあとでも、使うことができる。つまり、あれは時計のシステムだけで作られているわけではない。種性核や武召喚数値というものは、参加者の生命力を使って投影、強化しているのかもしれない。
原田九老
訳が分からなかった。ここに書かれている内容、結局これは何がいいたいのか。ただ、どうやら書かれている情報自体は本当らしい。
これの執筆者である斑目遅刃という男はこの幸奪戦争に潜入していた監視者らしい。そして、二つ目の頼みごとにはこう書かれていた。
監視者は自分含めて四人いる。そして現在、僕と同じく潜入している監視者があと一人いる。そいつを探し、倒してほしい。
原田九老「監視者…この男は運営側の人間だったのか。」
そうして、このノートを手に取り、ホテルから出る。斑目遅刃と同じ監視者、情報を伝えるべき【ある人】を探して。
原田九老「この幸奪戦争、ほんとに何なんだ?」
坂縞樹「あ、が、」
木崎印「まだ生きていたか坂縞。」
気絶しかけていた意識をギリギリのところで取り戻す。
坂縞樹「あぁ、もう戦う気力はないんだけどな。桐生に、俺の数値を渡さないと。」
木崎印「ただ、向こうから来てもらうしかないよな。」
坂縞樹「あぁ、満身創痍の状態で四条債賀のもとに近づけばやつの養分になる。」
花村祈「フッ!!!」
四条債賀「くっ!!!!」
花村祈は主に四条債賀の剣の動きを封じる、受け止める役割を担っていた。種核醒した彼にしか四条債賀のクラインド剣を相手にできい。佐々木浩二はそのアシスト。花村祈や桐生亜衣の武器をさらに強化させたり、四条債賀を攪乱させる。だが、この二人はロストイーブンである四条債賀に危害を加えられない。攻撃が効かないのである。ロストイーブンを倒すことができるのは、クラッシャー、ベーシック、ロストイーブンの三つの種性核者のみ。現時点でその可能性があるのは桐生亜衣だけなのだ。
桐生亜衣(とはいっても、今の私しゃ倒す決定打を与えられないんだよね。愷くんが目を覚ましてくれるかどうか。)
四条債賀「シクスサモン」
花村祈「!?」
武召喚数値を6つ消費し、身体強化を施す。花村祈は攻撃の威力をしのぐ力は持っているが、スピードに適応できる力は持っていない。急激に上昇した四条債賀の身体の動きに脳は理解が鈍り、後れをとる。
四条債賀「やはり、種核醒で得られる強化は攻撃的な面だけのようだな。他のところは微々たるもの。」
花村祈(くっ!!種核醒しても尚、足りないのかよ!!)
佐々木浩二「シールド!!!」
花村祈の前に透明な結界を精製する。だが、その盾は四条債賀の持つ剣を一度振るうだけで簡単に決壊した。
佐々木浩二「くっ!!」
自身の数値を15消費した上での投影。一撃でも防げればその隙を伺えたが、その思惑は叶わなかった。そして、それが裏目となる。
佐々木浩二の投影した決壊を壊した直後に、すぐさま佐々木浩二の目の前へ急接近する。
佐々木浩二「!?」
四条債賀「次はお前だ。」
そうして、四条債賀の斬撃を受けてしまった。
全身が飛ばされ、榎宮愷のいる近くの壁へと激突する。
花村祈「佐々木さーーん!!!」
四条債賀「いつまで持つかな?」
ゲーム開始から三日と二十三時間
残り参加者70人
最後まで読んで頂き誠にありがとうございます。初の投稿作品ですので、まだ粗削りで不出来なところもあるでしょうが温かい目でこれからこの作品を見守って頂ければ幸いです。作品を読む際に【ハッピーエンドとはどういうものなのか】このことを念頭に置きながら読んで頂ければ、より一層深くまでこの作品を楽しめると思います。これからもこの作品を皆さまに楽しんでいただけるよう、精進して参ります。




