第46話 種核醒
この作品は全三章で構成するつもりです。話の更新される日が不安定なことがあります。一応週一以上の頻度で更新するつもりですが、できなかった場合はどうかご容赦ください。
また、主人公を決めつけてこの作品を読み進めると、その主人公と決めつけたキャラに対して落胆の感情を抱く可能性があるので、この作品に主人公はいないと思いながら読むことをおすすめします。
~一方その頃~
安達結城「ば、化物!!」
我殺狂助「あ?それ俺のことか?」
安達結城「当たり前だろ!お前もあとの二人も!!」
飯島聡「ごめんなさい。私たちも生き残るために手段は選んでいられないんです。」
嵯峨野健児「五人くらいいた他の仲間は全員倒した。あとはあなただけです。」
安達結城「やめろ…くるな…やめろ!!!」
飯島聡「ごめんなさい。」
目を閉じて一言。それを告げた後に粒子へと変換させた。
安達結城 失格
嵯峨野健児「俺たちの数値も大分増えましたね。」
我殺狂助「そうだな。福山に出逢ってもある程度渡り合える分の数値は補充できた。」
飯島聡の数値は31。嵯峨野健児の数値は40。我殺狂助の数値は64とかなりの数値を補充することができている。
我殺狂助「残りの人数もついに二桁となった。そらそろ出逢ってもおかしくな…」
そんなことを言いながら失格者履歴を見ているときにあることに気がついた。
花城如音が失格となっている。
我殺狂助「……」
飯島聡「どうかしましたか?狂助さん。」
我殺狂助「嵯峨野。桐生や佐々木がいるところに向かってくれ。多分、あいつらは危機的状況にある。」
その言葉に何かを察し、慌てて失格者履歴を閲覧する。
嵯峨野健児「花城さんが失格…?」
我殺狂助「まずいな。まさか、前に会った【あの男】が動いているとは。」
自身の腹にとてつもないダメージを負わせた男。クラインドを受けても尚、残っていたのだ。
花城如音もやられた。木崎印・坂縞樹もさっきの一撃で戦える状態にない。榎宮愷は気絶している。桐生亜衣は戦えはするが数値が少ない。
もう無理だろ
膝から崩れ落ち、目から色を失う。
桐生亜衣「佐々木くん!!」
桐生亜衣(もう私しかいない。私が…守るんだ!!)
四条債賀(いよいよ何も視えない時間がほとんどになっちまった。三十秒視えなくて、その後二秒だけ視える。それの繰り返し。このクラインド剣が有効なうちに倒さないとな。アナリストを探すのはあとだ。)
桐生亜衣「!?」
桐生亜衣(また動き出した。でも、どうする…あれを完全に打ち消すのは69の数値を使っても無理だった。でも、、やるしかない!!!)
覚悟を決め、四条債賀のもとに自ら接近する。クラインド剣から放たれる斬撃を阻止するために。
四条債賀(ん?誰か来る?)
桐生亜衣(彼は恐らく今は何もみえていない。そのうちに近づいて剣を手放させる。チャンスは一度きり。)
音も立てず、気配も諭されず 、全霊を懸けて忍び寄る。
桐生亜衣「!? 嘘!!」
桐生亜衣の忍び寄りは実際、完璧だった。だが、四条債賀はただの勘だけで前に人がいると思い、剣を振るう素振りを見せた。その素振りに驚き、思わず声を発してしまった。
四条債賀(やはり、前にいる!!)
それによって、四条債賀は確信を持って、クラインド剣を正面に斬りつける動作を始める。
桐生亜衣(まずい!!防げもしないし、よけれもしない。)
四条債賀「もう終わりだ!!」
そうして、クラインドは放たれた。しかし、その放たれた光線が桐生亜衣やボロボロで倒れている木崎印、坂縞樹、はなまた気絶している榎宮愷に被弾することはなかった。誰かがその攻撃を受け止めたのである。
花村祈「ごめんなさい…」
花村祈。彼が四条債賀の攻撃を相殺させた。
少し前のこと
桐島大雅「もうそろそろ終わりにしよか。ここからさっさと抜け出したいねん。」
桐島大雅「サードサモン」
武召喚数値を0.6消費し、通常の剣より一回り小さいものを投影する。
桐島大雅「ちっ、まぁこんなもんか。」
磯貝公人(どこだ?どこにやつのトリックがある??)
桐島大雅「無駄やで」
その言葉に思わず身を震わさせる。
桐島大雅「俺の戦闘には何のトリックもない。動体視力や反射、運動神経。それらを日々鍛えていただけ。強いていうなら積み重なったトリックや。」
花村祈「……何言ってるの?」
桐島大雅「やかましいわ!!人の揚げ足取れんでええねん!!」
桐島大雅「そんじゃあ、、さっさと済まそか。」
花村祈「なら、、まず俺からやりなよ。」
磯貝公人「おい!花村!!」
桐島大雅「潔いなぁ、、まぁそういうのは嫌いじゃないねんけど。勝てると思っとるん?」
花村祈「この戦争始まってから、たくさんの人に守られてきたんだ。だから俺はまだここにいる。俺は、、自分にできる最大限を使って、誰かを守るべきだ。」
桐島大雅「寒いなぁ、ここに来てるやつが何いうてんねん。」
剣を持ち、真正面から花村祈のもとへ斬りかかる。それを回避するが、それだけで終わるわけもなく続けて突き刺し、振り回し、蹴りを混じえた隙の生成を試みる。花村祈はその攻撃にもギリギリのところでかわす。
花村祈「はぁ、はぁ、はぁ」
花村祈(走り回ったあとにこれはキツイ!)
桐島大雅(急にしぶとなったな。なんでや?)
桐島大雅「磯貝くん。殺気がダダ漏れや。隙を突こうとか甘いねん。」
磯貝公人「あぁ隠す気がないからな。」
そうして、立ち上がり、花村祈の横へ立つ。
磯貝公人「誰が残っても恨みっこなしな。」
桐島大雅「学習せんかった?俺には勝てへんって。」
磯貝公人「リベンジってやつだ。」
桐島大雅「あっそ!!」
2vs1。それだけを見れば2の方が有利。だが、違う。世の中には1だけで解決できる人間もいるのだ。
桐島大雅「フンッ!!」
花村祈、磯貝公人が攻勢に出ても、何か策を講じても、通用しない。この二人の攻撃が当たることはしばらくなかった。そうして数分経過した。そして、この勝負はあっけなく終わりを迎えた。
桐島大雅(なんでや。こっちは何のダメージも食らってないのに、どうしても倒しきれん。)
現在、桐島大雅は疲弊しきっていた。相手からの攻撃を避ける、カウンター繰り出す、二人を消し去ろうと攻勢に出る、そんな芸術点のある戦いに神経を注ぎすぎたため、体力の消耗は激しかった。対して、二人は主に攻撃を避けるだけ。体力の消費量にはかなりの差がある。その差が仇となった。桐島大雅がなぜ二人を消しきれないのかという解決しない疑問を持ち、頭に悩ませていた。つまり、隙ができたのである。そんな状態を突き、磯貝公人が動く。そして花村祈は磯貝公人がやろうとしている行動を手遅れながら気づいてしまった。
花村祈「磯貝!!」
磯貝公人は桐島大雅のもとへ飛びかかり、抱きつく。
桐島大雅「しまった!?」
自身の右手を桐島大雅の首の裏に当て一言。
磯貝公人「ファースト」
桐島大雅「!?」
磯貝公人の右手に短剣が投影される。その投影された剣は桐島大雅の喉元を貫く。
桐島大雅「ガハッッ!!」
桐島大雅(く、、そが!!!!!)
口から血が大量に漏れ出る。まだ意識はある。そして桐島大雅は消える前に自身の持っていた右手を磯貝公人の背中に刺したのだ。
桐島大雅 失格
花村祈「磯貝!!!」
桐島大雅は消滅し、磯貝公人は背中を刺された痛みで立つ気力を失う。
花村祈「何してんだよ!!これで、、恨みっこなしとかふざけてんのか!!」
あの磯貝の行動。敵が何でもできる範囲に自ら飛び込み、奇襲を仕掛けた。自身を顧みない行動をとったのだ。
花村祈「奴隷はやめたんじゃないのかよ!これで俺が感謝すると思ってんのか!!」
磯貝公人「フッ。馬鹿かお前は。俺は自分の意思でやったんだ。菅田の命令のときとは違う。」
花村祈「…は?何で…」
磯貝公人「知らね。何か体が動いてた。でも、後悔はしてない。」
花村祈「いや、納得できるかよそんなの。」
磯貝公人「花村、お前はずっと誰かに守られて来たんだろ。」
花村祈「…あぁ、そうだよ。」
磯貝公人「なら、佐々木や他のやつらを守りにいってこい。俺はその役目をお前に押し付ける。だから庇った。」
花村祈「…磯貝」
磯貝公人「じゃ、俺、消えるから。」
少しずつ粒子となり始め、人の形を失い始める。
花村祈「おい!まてよ。いくな!!」
磯貝公人「花村、、守るにいく時間だ。」
磯貝公人 失格
花村祈の時計だけに一つの表示がされる。
最後まで残ったエスケープが確定しました。
花村祈 種核醒の権限を得ました。これより、種核醒を行います。
花村祈「…わかった。行ってくるよ。」
ゲーム開始から三日と二十三時間
残り参加者75人
最後まで読んで頂き誠にありがとうございます。初の投稿作品ですので、まだ粗削りで不出来なところもあるでしょうが温かい目でこれからこの作品を見守って頂ければ幸いです。作品を読む際に【ハッピーエンドとはどういうものなのか】このことを念頭に置きながら読んで頂ければ、より一層深くまでこの作品を楽しめると思います。これからもこの作品を皆さまに楽しんでいただけるよう、精進して参ります。




