第43話 能無し
この作品は全三章で構成するつもりです。話の更新される日が不安定なことがあります。一応週一以上の頻度で更新するつもりですが、できなかった場合はどうかご容赦ください。
また、主人公を決めつけてこの作品を読み進めると、その主人公と決めつけたキャラに対して落胆の感情を抱く可能性があるので、この作品に主人公はいないと思いながら読むことをおすすめします。
菅田神東「私の奴隷は知らないかね?」
花村祈の全身に緊張が走る。そして脳ミソをフル回転させ、今目の前にいるやつらがどんな人物か全力で推理する。まず、最初に話しかけてきた男。奴隷という単語で彼の種性核がスレイブリーであると一旦定期付ける。となると、彼の後ろにいるやつらがその男の奴隷となったものたちだろう。次にスレイブリーの隣にいるこの老人。奴隷になっているとは思えないほどに何かが異質だが、こちらに殺意や敵意は感じられない。
花村祈(ん?まて、老人…?スレイブリー?)
推理の途中にふと、花村祈の頭の中に違和感、どこかできいたことがある特徴だという既視感を覚えた。
福山グループの危険人物五人、そのうちの原田九老と菅田神東。この二人の特徴は磯貝公人や榎宮愷、花城如音からきいている。そしてその特徴と今、目の前にいる人物との特徴が一致しているのだ。
花村祈「その前にこっちから一つ質問。福山幸多っていう人に何か聞き覚えある?」
その瞬間、菅田神東は心のなかであることを決心した。表情は曇り、目線の色が変わる。
菅田神東「……福山のことを知っているのか。おい、伊豆急、加藤、桐島、猪之木、出番だ。」
伊豆急椎菜「は、はい!!」
菅田神東「お前ら、やつを消せ。以上だ。」
その命令に三人は何の言葉も返さず、ただ殺意の目線を花村祈に向け、襲撃を開始する。
菅田神東「他のものは私についてこい。」
そうして菅田神東、原田九老、その他の奴隷たちは花村祈の前から姿を消していった。
伊豆急椎菜「わ、悪く思わないでね。私もエスケープだけど生き残りたいんだから。」
そうして、恐る恐る一歩一歩近づいていく。保身のために。生き残る術を生み出すために。
桐島大雅「そうやな。だが、それは俺も同じやで。」
伊豆急椎菜「え?」
桐島大雅の片手には短剣が添えられていて、その短剣には血が滴っていた。そしてその剣を伊豆急椎菜の喉元に突き刺した。
猪之木駿 失格
加藤龍馬 失格
伊豆急椎菜 失格
磯貝公人「ちっ、まずい。厄介なやつが来た。」
佐々木浩二「厄介なやつ?別に誰も来ていないけど。」
磯貝公人「このホテルの中に新しく侵入したきたやつがいる。」
木崎印「おい、それってまさか、、」
磯貝公人「菅田神東だ。」
菅田神東「とりあえず、磯貝と神威には種性を利用してホテルに到着したことは伝えておいた。」
原田九老「それで、まずどうするつもりだ。」
菅田神東「神威の視覚を利用したが、このホテルに四条債賀がいる。」
原田九老「もう野に放たれているということはソイーブルはしてあるだろうな。」
菅田神東「彼を生かしておくのは得策ではない。潰しにいこう。
原田九老「奴隷を自爆させながら戦うつもりか。」
菅田神東「あぁ、数値の消費は中々だが、これからのことを考えれば安い出費だろう。さて、仕事の開始だ。」
そうして、ホテルのロビーに姿を現す。
木崎印「ちっ、出やがったな。」
磯貝公人「菅田、、」
菅田神東「磯貝、君が私に楯突いたことは水に流そう。完全な命令ができる範囲内まで近づいたら消そうと思っていたが、状況が変わった。君はエスケープの中の最後の生き残りになってもらう。」
佐々木浩二「は?おい、それって。」
菅田神東「磯貝以外のエスケープは今すぐにでも消えてもらう。」
花村祈「おい、、今なんで他の三人を殺した…?」
桐島大雅「分からんか?さっきまで残っとったエスケープは六人。俺とお前、そしてさっき消した三人と磯貝や。そして菅田はんは、お前以外のエスケープを奴隷にすることに成功している。つまり、お前以外のエスケープの誰かを種核醒すれば、最強の味方ができるっちゅうことや。あの場面で俺ら全員をお前に殺すことに使ったっちゅうことは菅田はんは磯貝に種核醒させるつもりや。」
花村祈「でも、すぐに菅田に追い付けば、種核醒させる対象は自分に移るかもしれない。そう思って、まず味方の三人を消して、そのあとに俺もヤル…。」
桐島大雅「お見事。大正解や。磯貝くんは現在進行形で裏切っとるわけやしな。すぐに追い付いて使えるところを見せれば磯貝に自爆命令出して、俺に種核醒させてくれるやろ。」
花村祈「味方の三人を消したのも、菅田神東が失格者履歴を見た際に、俺がその三人を倒したと思わせることで、闇雲に自爆命令を出しにくくさせるとかそういう感じなのかな?」
怒りを隠しきれていない声色で問いを投げる。
桐島大雅「大体合ってるけど一個だけちゃうな。あの三人は味方ちゃう。邪魔な異物や。」
菅田神東「それで、今の状況は?磯貝公人よ
【説明しろ】。」
スレイブリーの種性が発動する。
磯貝公人「ぐ、くぅ、今の状況はソイーブルをしたであろう襲撃者によって多くの参加者が失格、戦闘不能状態にあります。現在、花城如音がその襲撃者と混戦状態にあり、あの襲撃者の種性核はロストイーブンで視力を代償にして強化されていることが判明しました。種性核的な相性が最悪、または戦っても邪魔になるだけと判断した我々はロストイーブンの種性の反動が来るまでの間、機会を伺って待機している状態です。」
菅田神東「ほう、四条債賀は視力を引き換えに力を強化しているのか。」
木崎印「菅田、わかってると思うが…」
菅田神東「皆のものよ!!出番だ!!」
奴隷一同「ハッ!!」
菅田神東「磯貝、如月、桐島を除く私の奴隷よ。四条債賀に向かって、【自爆特攻を命じる。】」
木崎印「!? おい!!今すぐに取り消せ!あいつは、」
菅田神東「総勢15名の奴隷たちよ。誇らしく消えるがいい!!」
全く話を聞かず、総勢15名の奴隷たちに自爆の命令を出す。その15名の奴隷には神威廬利那も含まれていた。
神威廬利那「は?え、まってよ。ふざけんなよ。今、消えたら、、何の意味もないでしょ!!あいつに、、自爆攻撃なんか、、、、
通用するわけないじゃん…」
菅田神東「さぁ、消え失せろ!!!」
菅田神東、そして奴隷たち以外は唖然としていた。ここまで愚かだとは、ここまでわかっていないとは、落胆や絶句の感情で脳が埋め尽くされていた。
神威廬利那「いや、いやぁぁぁぁ!!!」
花城如音「!?」
四条債賀と戦っていた花城如音も何があったか察し、瞬時にその場から離れる。
そして15名の奴隷たちは四条債賀のもとに捨て身の爆撃を余儀なくされた。
久遠湊 失格
天羽麗那 失格
不知火草子 失格
月掛李光人 失格
霞ヶ関作楽 失格
黒瀬零与 失格
皇侑真 失格
氷室綺羅 失格
神威廬利那 失格
真神稀代 失格
清山莉音 失格
山田桂卯 失格
田頭味麗水 失格
蛇喰紫園 失格
紀伊要 失格
大規模な爆発が起こり、爆音、熱風が辺りを包む。
菅田神東「フンッ。これで倒せただろう。」
磯貝公人「…んなわけねぇだろうが。」
菅田神東「ん?」
如月水「す、菅田さん!!」
菅田神東、如月水の背後にはある男が立っていた。四条債賀である。
如月水 失格
菅田神東「な、あ、あり得ん!!な、なぜ、なぜ生きている!!」
予想外のことに取り乱し、腰を抜かす。
四条債賀「身体強化で爆発を耐えた。終わりだよ。」
菅田神東「ふ、ふざけるな!そんなことありえ…」
ここでようやく気づく。彼は今現在ソイーブルをした状態であるロストイーブンの種性によって身体強化が大幅にされていることを。わざわざ磯貝公人に説明を求め。それをきいたはずなのに。
菅田神東「は、は、嘘…だろ。おい!原田よ!!」
いない。原田九老の姿はこのロビーにはもういないのだ。
四条債賀「じゃあな。」
四条債賀の持つ武器が菅田神東に当たる寸前のときだった。
花城如音「ぐっ!!!!」
一度離れたあとに再度近づき、ギリギリのところで菅田神東を庇うことに成功する。
四条債賀「ほぅ、まだ来るか!!」
三度繰り返された戦いが始まり、菅田や木崎印、坂縞樹らがいる場所から移動する。
菅田神東「はぁ、助かった。」
ギリギリで命拾いしたことに胸を撫で下ろしていた。そんな中で木崎印は菅田神東のもとに近づく。
菅田神東「?」
木崎印「ファースト」
そう口にし、刀を投影する。そして投影した刀で菅田神東の右足を突き刺す。
菅田神東「ぐ、ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
木崎印「お前!自分がなにしたか分かってんのか!!」
菅田神東「あぁぁぁ!!!」
右足、腹部、左手、右目、膝、腕、身体のあちこちに刀を突き刺す。突き刺す度に断末魔が発声される。
菅田神東「や、やめ、、、あ、わ、す、あ、あぁぁぁ!!!」
木崎印「てめえがやったことは敵に塩を送ることでしかねえんだよ!!無駄に参加者減らしやがって。ふざけんなゴミクズが!!」
やがて、突き刺されたことによる多量の出血で菅田神東は消滅の道を辿ることとなった。
菅田神東 失格
木崎印「…くそが、、、最悪なことになった。」
このままだと花城如音は負ける。
ゲーム開始から三日と二十三時間
残り参加者85人
最後まで読んで頂き誠にありがとうございます。初の投稿作品ですので、まだ粗削りで不出来なところもあるでしょうが温かい目でこれからこの作品を見守って頂ければ幸いです。作品を読む際に【ハッピーエンドとはどういうものなのか】このことを念頭に置きながら読んで頂ければ、より一層深くまでこの作品を楽しめると思います。これからもこの作品を皆さまに楽しんでいただけるよう、精進して参ります。




