第40話 最強 最凶 最恐
この作品は全三章で構成するつもりです。話の更新される日が不安定なことがあります。一応週一以上の頻度で更新するつもりですが、できなかった場合はどうかご容赦ください。
この男が来て、何分、何秒経ってくれたのだろうか。下山沙智、洗井ヰ凶他、水嶼恭賀、そして狩野下切戸。もうこの四人はいないのである。
四条債賀(これで四人消えた。でも、足りない。少なくともここにはあと7人いるはずだ。)
木崎印(切戸さんですらこれならもう俺に勝ち目はない。少しでも可能性があるやつがいるとすれば、、)
四条債賀「消される心構えはできたか?」
木崎印「できるときなんか来ねえよ。」
四条債賀「フンッ。だろうな。」
酒々井夢寐菜「ハイハーイ。ストップストップ。」
四条債賀「!?」
別の方向から声がきこえる。その聞こえた声を頼りにその声の発声源をあらかた予想し、そこに向かう。当然、そのスピードは迅速、神速を越えるほどのもの。そしてその発声源にたどり着いた途端に、剣を一振り。
酒々井夢寐菜「酷いなー。話ぐらいききましょう?」
四条債賀「!?」
四条債賀の予想していた発声源はほぼほぼ合っていた。つまり、酒々井夢寐菜が呼びかけていた場所に彼はたどり着き、消そうとすることができていた。さらに言い換えるなら、酒々井夢寐菜が話しかていると判明した途端に、そこに赴き、殺そうとしたのだ。それも尋常じゃないスピードで。普通なら失格にできている。なのに、四条債賀の背後に彼はいた。すかさず、距離をとり、出方を伺う。
酒々井夢寐菜「君、ソイーブル使ってるんだね。よくもまぁ、それ使おうと思えたものだよ。」
四条債賀「楽に参加者を消せるから使っているまでだ。それで、話というのは?」
酒々井夢寐菜「やっーと、聞く気になってくれた。お兄さんうれしいよ、歩み寄る心を持ってくれて。」
四条債賀(…やっぱりさっさと消したいな。)
酒々井夢寐菜「ここに何の御用で?参加者を多く消したいなら、このホテルに来る意味ないでしょ。外で歩き回っていればいい。」
四条債賀「私の目的は可能な限り、多くの人間を殺戮することにある。貴様らはその可能な限りの範囲内にいるものたちだ。よって、私はその目的を遂行する。それまでだ。」
酒々井夢寐菜(参ったなぁー。木崎に応援を呼んでもらうために時間稼ぎするつもりだったが、これゃいけそうにねぇ。スピードでは俺の方が上だけど、それで勝てるわけじゃないしな。)
四条債賀「話は終わりだ。いくぞ!」
酒々井夢寐菜「ちっ!!」
酒々井夢寐菜にとって、この戦いは避けることしかできない。もう少し正確にいうなれば、失格になりたくなかったら、避け続けるしかいのだ。四条債賀は真正面から突っ込み、攻撃を仕掛ける。その攻撃の威力はいうまでもない。一度その剣筋を受けた部位は切断され、その体の部位としての機能を失う。つまり、一度でも斬激を受けたら終わり。それだけじゃない。四条債賀はソイーブルをしている。ソイーブルとは、部召喚数値を10消費し、自身の身体能力を極限まで引き出すもの。これは数値さえあれば、どの種性核者でも可能である。しかし、ソイーブルは一度しか使えず、体への負担は尋常じゃない。突然、自身の身体能力が何倍にも跳ね上がるのだ。それだけ体への負担は大きい。そして思い出してみてほしい。四条債賀は最初、武召喚を行わずに参加者狩りをしていた。理由は簡単。もともとの戦闘力がものすごく高いから。そんな男がソイーブルとかいうドーピングをし、殴りや蹴りでも繰り出せば、その対象は間違いなく失格になる。つまり、四条債賀の攻撃は全てが一撃必殺。避けきれなければ死ぬ。単純明快なクソゲーである。真正面からのスピード攻撃をなんとかいなし続けながらも内心焦っていた。
酒々井夢寐菜(まだ来ねえのかよ。そろそろきついぞ。)
四条債賀(スピード自体はやつの方が上だな。倒されることはなくても、倒しきるのには骨が折れる。厄介なタイプだ。)
佐々木浩二「なんかさっきすごい音しましたよね。」
花村祈「もぉーー、幸せな気分で寝ていたのに。」
磯貝公人「こいつ、いびきと寝言うるさいタイプだったな。」
花城如音「寝言でシーラカンスって言ってたのは俺ですら戦慄したぞ。」
花村祈「え、俺どんな夢見てたんだ…?」
木崎印「はぁ、ばぁ、お楽しみのところ悪いが今すぐこっちに来てくれ。」
息を切らし、汗が滝き登っているかのようなぐったりとした表情で走り向かってきた。
花城如音「何があった?」
ただ事ではない何かが起こったと全員が察した。
木崎印「多分見ればわかる。とりあえずついてこい。」
花城如音「花村、お前は榎宮たちを呼んでこい。あの三人と神威は別の部屋だからな。磯貝は俺たちと来てくれ。多分、侵入者だろう。種性核は把握しておきたい。」
花村祈「わかりました。すぐ呼んできます。磯貝、くれぐれも死ぬなよ。」
磯貝公人「フッ、お前がな。」
そうして、木崎印、花城如音、磯貝公人、佐々木浩二の4名は四条債賀と酒々井夢寐菜のもとへ。花村祈は榎宮愷たちのもとへ駆けていった。
木崎印「はぁ、はぁ、ここだ。」
磯貝公人「これは…まずいな。」
四人が駆けつけた頃にはもう、遅かった。
彼らが目撃した光景は酒々井夢寐菜が四条債賀の投影した剣にやって腹を突き刺されている状態だった。
酒々井夢寐菜「が、ぐはぁ!!」
四条債賀「スピードで勝てないのなら、お前の次の行動を予測すればいい。もしくは罠を張る。優ってるものが一つあるからといって、勝てるわけではない。」
そうして腹部に突き刺さった剣を無理やり抜き離し、酒々井夢寐菜は苦痛に耐えれず、地に伏せる。
四条債賀「まぁなかなかしぶとかった。死ね。」
そう死刑宣告を告げた後に、剣を振り下ろそうとしたそのときだった。
四条債賀「……」
しばらく経っても剣が酒々井夢寐菜に当たらないのである。いや、当てれないのである。ある一人の邪魔が入ったことによって。
花城如音「あぶねぇ、事前に武召喚しといて正解だった。」
四条債賀の剣の行き先は酒々井夢寐菜ではなく、花城如音の持つ武器に留まった。
四条債賀・花城如音(パット見だが感じる。こいつは俺がこのゲームで出会った来たものたちの中で【一番強い】」
四条債賀「ファースト」
追加で剣を投影し、両手持ちに変える。そして左右の手に別々の動きを加える。左手と右手、それぞれ違う挙動を見せ、攻撃の幅を広げたのだ。それに対し、花城如音は武召喚数値の都合上、追加で剣を投影するわけにもいかず、一つの剣で別々に動いている剣を一つ一つ弾き返す。弾き返し、四条債賀の持つ剣が宙を舞うところを視覚している瞬間を互いが狙い合い、二人の距離が一気に縮まる。そしてまた、剣と剣が交ざりあう。交ざり合った一瞬後、自身の斬激を相手のからだに斬りつけようと、また斬りつけられまいと、剣同士の激突を何十回も繰り返す。
四条債賀(隙が生まれないのがあまりにも厄介だ。カウンターや変わり手が通用しない。)
花城如音(数値があまりに厄介だな。一瞬だけ見えたけど、数値が210もある。ただでさえ強いのにこれ以上武召喚されたらたまったもんじゃない。こいつ、あの二人より強いんじゃないか。)
何十度か剣同士をぶつけあい、膠着状態だったときを変えようと四条債賀がまた動き出る。力でごり押し、自身の剣を相手の剣に強くぶつけ、またも剣が強制的に宙を舞う状況にする。二つの剣が宙を舞ったため、お互いは丸腰になる。
四条債賀「ファースト!!」
そう叫んだ瞬間、右手に剣が投影される。投影した剣を使い、あるものを斬ろうとする。それは足場だ。二人の立つ足場を剣で斬り裂き、床にヒビをいれ、決壊させる。足場に支障をきたせば、否が応でも隙ができる。だが、花城如音は四条債賀がファーストと唱えた瞬間に狙いを予測し、数瞬後に崩れる足場から自身を離れる。つまり、ジャンプしたのだ。そしてジャンプしたついでに宙にまった一つの剣を掴み取り、四条債賀のもとへ飛び襲う。その行動を読み取ることはできず、床に全神経を集中させていた男は花城如音の斬激を一発浴びることとなる。
四条債賀「ぐぁぁ」
斬られたことにより、体が強制的に下がり、切り傷が生まれる。
花城如音「はーあ、きっっつ。」
ゲーム開始から三日と二十時間
残り参加者109人
最後まで読んで頂き誠にありがとうございます。初の投稿作品ですので、まだ粗削りで不出来なところもあるでしょうが温かい目でこれからこの作品を見守って頂ければ幸いです。作品を読む際に【ハッピーエンドとはどういうものなのか】このことを念頭に置きながら読んで頂ければ、より一層深くまでこの作品を楽しめると思います。これからもこの作品を皆さまに楽しんでいただけるよう、精進して参ります。




