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ハッピーエンドを求めて  作者: 蓮翔
第一章 ただの殺し会い
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第四話 情報戦

この作品は全三章で構成するつもりです。話の更新される日が不安定なことがあります。一応週一以上の頻度で更新するつもりですが、できなかった場合はどうかご容赦ください。

榎宮愷「地下鉄…?」

坂縞樹「地上よりも地下の方が隠れやすいと思ってな」

桐生亜衣「ここから奥にいくと私たちの隠れ家にしてる所があるの」

榎宮愷「そんなとこ初対面の人間に案内して大丈夫なのか」

坂縞樹「お前は俺らに危害を加える可能性が低いと感じた。あんなとこでしりもちをついていた人間が誰かを殺したり、裏切るとは思えない。それに俺たちも人がほしい。」

住宅街から離れ、地下鉄へと続く下りの階段へと足を踏み入れる。

榎宮愷「人がいるといっても俺で役にたつのか?」

坂縞樹「お前に試させたいことがある。情報交換もしたいしな。まぁ着いたらすぐ始めるから慌てるな。」

この人、運営の神楽士郎って奴に反論してた人だよな。彼と桐生っていう人はこの幸奪戦争についてどこまで知っている…

榎宮愷「助けてもらった上に図々しいとは思うんだけど、俺も君らにききたいことがある。」

桐生亜衣「もっちろん!!なんでも聞いて!!私の推しとか好きな漫画家とかきいてもいいんだよ✨」

坂縞樹「その茶番はやることやってからしてくれ。そういっているうちに着いたぞ。」

そうして行き着いた場所は地下鉄の駅のプラットホームだ。そこには、食糧や水が入った段ボールにテントなど生きていくために重要なものが置かれている。

坂縞樹「適当にどこか座ってくれ」

ホームの床にそれぞれが腰を下ろす。

坂縞樹「それじゃ始めようか。」

桐生亜衣「といっても、何から話すの?」

坂縞樹「とりあえず、俺たちがここにきて思ったことや分かったことをお前に教えよう。自己紹介は一旦後にしよう。まず一番最初、俺らはそれぞれ自分の家のポストにこの幸奪戦争の招待状を渡された。次にその招待状の指定された場所で、神楽士郎という男から放送越しに、時計の数値の話と失格になる条件をきかされた。ここまでは三人共一緒の経験をしているはずだ。」

静かにうなずく。

坂縞樹「そして会場にきて昼時に目を覚ましたあと、多くの人間が殺し合っていた。そいつらは俺たちと同じ制服を着ていた。俺たちと同じ参加者の可能性が高いだろう。」

榎宮愷「え?ちょっとまってくれ。君は昼に目を覚ましたのか!?」

坂縞樹「ならお前はいつ起きたんだよ。」

榎宮愷「夕方辺り??」

桐生亜衣「起きて3時間ほどしか経っていないじゃん」

坂縞樹「俺も桐生も昼頃に目を覚まして、たまたま起きた場所も時間も近かったから、すぐに会った。最初に出会ったときは少しもめたが、なんだかんた協力関係を結ぶことができた。」

(目を覚ました時間が違う……夕方に起きた俺はあまりにも不利だったのでは、、)

坂縞樹「そうか…そこも相違点に含まれるとは」

榎宮愷「相違点??」

坂縞樹「この幸奪戦争は不自然なところがいくつかある。エノミヤだっけ?自分の時計を起動してみろ」

電源ボタンをおし、起動させるとあのときのホテルで見た5という数値の他に、ゲーム開始から何時間経ったのか、今残りの参加者が何人なのか、それらも表示されていた。この時計の数値によると、ゲーム開始から20時間、残り参加者は712人らしい。

桐生亜衣「榎宮君を連れ出して逃げるときはゲーム開始から19時間、残り参加者は742人って表示されていたの。」

榎宮愷「え、じゃあつまり、あの住宅街からここにくるまでの一時間で30人いなくなったってことか。」

坂縞樹「そう。そこが一つ目の不自然なところだ。参加者が減るのがあまりにも早い。

俺が最初にこのシステムに気づいて時計を開いたときはゲーム開始から4時間、残り参加者は884人と表示されていた。たった15時間で

100人以上も失格になるものか?そもそも相手の参加者を殺す理由がわからない。」

桐生亜衣「この幸奪戦争は勝てば極楽にいけるといっていた。じゃあその勝利条件は?

それを私らは一切伝えられていないはずなのに、まるで殺すことこそが正解であるかのようにみんな殺し合いをしている。二つ目の不自然な点はそこだね。」

榎宮愷「確かに、ホテルの説明にも勝利条件は伝えられていないし、他の参加者を殺すことにメリットを感じられない。でも、それがどう相違点とやらの話に関わってくるんだ?」

坂縞樹「それに関しては試してもらったほうが早いだろう。一つ見てほしいものがある。おい桐生「あれ」をやるぞ。」

桐生「オッケー樹くん。あれをやるんだね」

坂縞・桐生「ファースト」

その言葉を口にした途端、二人の右手にはそれぞれ武器が投影される。坂縞は斧、桐生は槍だろうか。どちらもサイズや重量が普通のものより大きいし、重そうだ。少なくとも、槍は前田咲が持っていた槍よりは遥かに大きい。

坂縞樹「榎宮、お前も武器を生み出すイメージをしながらファーストと唱えてみろ。」

榎宮愷「ふぁ、ファースト?」

その瞬間、自分の右手に剣のようなものが現れる。重くも軽くもない。大きくも小さくもない。派手さもない。ほんとうに普通の剣だ。

坂縞樹「今俺らがやったのは、他の参加者曰く、【武召喚】というらしい。この武召喚をすると自分の右手に何かしらの武器が投影される。代わりにホテルでも説明された腕時計の数値が一つ減る。」

確かめてみると、最初にあった5の数値がいつの間にか4へと変わっていた。

桐生亜衣「神楽士郎という人がホテルの放送で0になったら失格といっていることから、この数値を使いきったら幸奪戦争で殺された人たちと同じ末路を辿るでしょうね。」

坂縞樹「さて、いよいよ相違点の話だ。さっかの武召喚、それぞれ投影された武器が違うよな。それに、俺や桐生の武器は誰もが知っているようなものだが、明らかに見慣れない大きさと重量をしている。」

桐生亜衣「逆に榎宮君の投影されている剣はアニメや漫画でみたことあるような普通の剣に見える。」

坂縞樹「そして、この幸奪戦争の会場で目を覚ました時間、これもそれぞれ違う。また、武召喚数値の初期設定数も俺たちと榎宮くんとは違うようだ。」

榎宮愷「この数値の最初の数も違う?」

桐生亜衣「私と樹くんの最初に設定されていた数は4なの。君の今の数値が4ってことは君の武召喚数値の初期設定数は5、私たちと君とでは違っているところが多い。」

榎宮愷「この相違点が何か重要なのか?」

坂縞樹「この幸奪戦争というデスゲームに勝利条件は教えられていない。なら探すしかない。そのために人手と情報が必要なんだ。お前や俺たちとは違う状態で戦っている人間もいるだろう。そいつらを探して協力し合う。」

榎宮愷「でもさ、全員で協力するなんてことはできないだろ。それに今のこのゲームの状態はいつ誰が襲ってきてもおかしくない状況。おまけにその武召喚数値が0になったら失格になることは運営の口から定義されている。協力してくれる人を見つけることすら奇跡のように思える。」

桐生亜衣「ここに来た以上、失格になる覚悟はしてるでしょ。それに、今のこの何もわからない状態の中だとそれが最善の手なのよ。」

(確かにそうだ。今この状況で勝ち残るには、この二人と協力した方が賢明かもしれない。)

榎宮愷「そうだな。それ、俺にも協力させてほしい。」

坂縞樹「あぁ、よろしく頼む。俺の名前は坂縞樹さかじまいつきだ。」

桐生亜衣「私の名前は桐生亜衣きりゅうあい。樹くんは何気に桐生って呼ぶけど亜衣でいいよーー!!」

榎宮愷「俺の名前は榎宮愷えのみやがい。助けてもらった恩を返せるよう頑張るよ。」

坂縞樹「ああ、期待している。」

榎宮愷「そういえば、参加者って、、」

坂縞樹「ちょっとまて、、おい、誰かは知らないが隠れて聞いているんだろ。出てきたらどうなんだ。」

誰かがここに隠れている、、一体どこに…

衛藤奏「お願いします。殺さないでください。」

そういい、線路に落ちた際に、電車から身を守るために作られている退避スペースから一人の女性が姿を現した。

榎宮・桐生「衛藤奏えとうかなでさん?」

衛藤奏、彼女は超有名な芸能人だ。




ゲーム開始から20時間

残り参加者712人




最後まで読んで頂き誠にありがとうございます。初の投稿作品ですので、まだ粗削りで不出来なところもあるでしょうが温かい目でこれからこの作品を見守って頂ければ幸いです。作品を読む際に【ハッピーエンドとはどういうものなのか】このことを念頭に置きながら読んで頂ければ、より一層深くまでこの作品を楽しめると思います。これからもこの作品を皆さまに楽しんでいただけるよう、精進して参ります。

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