第38話 謎々
この作品は全三章で構成するつもりです。話の更新される日が不安定なことがあります。一応週一以上の頻度で更新するつもりですが、できなかった場合はどうかご容赦ください。
榎宮愷、坂縞樹の二人はさらわれたあとに何があったのか、誰とあったのか、何を話した、話していたのか、洗いざらい全て話した。
佐々木浩二「アナリストはロストイーブンに手出しできない…磯貝くん。何か分かる?」
磯貝公人「いや、前田さんからも福山からもきいたことがない。クラッシャーやロストイーブンみたいに参加者を倒すことに特化した種性核ではないんだろう。それともう一ついうなら、その種性核を持つものはかなり少ないんじゃないか?」
桐生亜衣「確かに。我殺くんからもきいたことないしね。アナリストの人数が少なくてそもそも会うことすら難しいと考えたら辻褄は合う。」
坂縞樹「お前らでも知らないか。」
桐生亜衣「それと、愷くんの種性核はほんとにロストイーブンなの?それだとあの四人の誰かが種性核を偽っていたってことになるけど。」
榎宮愷「葛城康介自身が倒そうとぜす、仲間にやらせようとする行動がロストイーブンの種性によるものなら理解はできる。」
花城如音「まあ、犯人探しは再会したときにゆっくりやってくれ。そしてお前ら、今、数値はいくつ残っている?」
坂縞樹「残りの数値は4だな。」
榎宮愷「俺はあと3。やつらから逃げるのに使いすぎた。」
佐々木浩二「うーん。坂縞さんはともかく、榎宮さんは補充できないですもんね。」
神威廬利那「私、ロストイーブンだよ。」
花村祈「うお!!いつからそこにいたんですか!?」
神威廬利那「たまたま通りかかったから。それであんた、ロストイーブンなの?」
榎宮愷「え、まぁそうみたい。」
神威廬利那「その様子じゃ、ロストイーブンの種性把握してなさそうだね。」
榎宮愷「体の一部の機能を失う代わりに、身体能力を向上させるていうのは、さっき磯貝からきいたけど、それ以外にもあるの?」
神威廬利那「はぁー、一番大事な種性を把握していない。種性核が8つあるのは知っているわね。その8つの種性核のうち、ロストイーブンは5つの種性核からの攻撃を受けない。」
榎宮愷「5つの種性核…?」
神威廬利那「ベーシック、クラッシャー、ロストイーブン以外の種性核よ。その三つ以外の種性核者は私たちに危害を加えられない。」
佐々木浩二「てことは、俺や花村くん、磯貝くんは愷さんやあなたに何もできないと?」
神威廬利那「そう。まぁ、でも私はそうじゃないんだよね。菅田のせいでさ。」
花城如音「あぁ、あのことか。あれはまだお前ら二人に話していなかったな。」
坂縞樹「この今の状況と菅田神東に何か関係があるのか?」
花城如音「数時間前、俺たちがこのリアータホテルに戻ったときに、菅田神東の部下が全員ここに残っていたんだ。そしてそいつらから理由をきいてみたんだ。内容はこんな感じだったな。」
木崎印「あいつの種性核、スレイブリーのせいだな。」
花村祈「スレイブリー?」
木崎印「菅田神東の種性核だ。あいつの種性はある条件を満たせば、他の参加者を自分の奴隷にできる。奴隷になったものは、菅田のどんな命令にも逆らわず、必ず遂行する。そしてほとんどのやつらは奴隷になったことにすら気づくことができない。」
桐生亜衣「ある条件ていうのが関係してるから??」
木崎印「察しがいいな。ある条件ていうのは、他の参加者に【パスワード】を言わせることなんだ。パスワードは一人一人違うみたいだが、菅田の場合はリーダーらしい。その言葉を発したものは、自動的に菅田神東の奴隷になる。奴隷の位置は主がいつでも把握できるようになってある。エスケープの位置共有と似たような感じだな。」
花城如音「それが今ここにいる理由と関係があるのか?」
木崎印「それは神威が説明した方がよさそうだな。おい神威。」
神威廬利那「ん?誰か呼んだ??」
スタッフしか入れないであろうバックヤードから黒髪のピアスをつけた女性が姿を現す。
木崎印「お前がここにいる理由を説明してやれ。菅田のせいでここにいるんだろ。」
神威廬利那「あー、はいはい。私はね、菅田の奴隷になっているの。それで奴隷になると、その主とテレパシー的なことができるんだよね。」
花村祈「………は?」
神威廬利那「まぁ、私から菅田に向かって、話しかけることはできないけど。それで、そのテレパシーを使って、菅田にこう言われたの。【また戻ってくるから、そのホテルで待機していろ。】って。さっきも言ったとおり、命令には逆らえないから私はここにいるしかない。」
佐々木浩二「じゃあ、何であんたらは…?」
菅田の奴隷になっているのは、神威廬利那の一人だけなはず。そして彼女は菅田の意思でいつ爆破されてもおかしくない。普通に考えれば、彼女から離れるべきなのだ。
木崎印「このホテルを調べたくなったんだ。」
桐生亜衣「…え?何で?私、しばらくそこを拠点にしていたけど、別に何もなかったよ?」
木崎印「菅田がわざわざここを集合場所にしようとしているのと、下山沙智の証言からもどうしてもここが気になるんだ。」
花城如音「下山…あー、ナイフペロペロ男か。」
下山沙智「それやめろ!!でも、確かに俺もここは気になるんだ。俺と水嶼は【才原清一】っていう人と一緒に行動していたんだけど、ある日、その人が急にこのホテルを襲撃するとか言い出したんだ。それって、このホテルに何か目的のものや何か重要なものが隠されていると考えたからこその行動だと思思うんだ。」
木崎印「だから、結果的に全員ここにいるんだ。今、狩野下さん、酒々井、洗井ヰがこのホテルを調べている。」
坂縞樹「結局、何か見つかったのか?」
神威廬利那「いいや、全然。酒々井さんとかに関してはもう昼寝し出す始末だし。」
榎宮愷「なぁ、下山沙智に会わせてくれないか?」
神威廬利那「別に好きにしたら。私が止める理由ないし。どっかにいるでしょ。」
坂縞樹「一人の方がいいか?」
榎宮愷「うん、そうだね。ごめんありがとう。」
桐生亜衣「わかった。行ってらっしゃい。」
原田九老「それで、具体的にあのホテルに何があると考えている?」
焚き火に群がり、暖を取りながら目的を問いただす。
菅田神東「私の種性は奴隷を意のままに操ることができる。私は奴隷の位置を知れるだけじゃなく、奴隷が見たもの、感じたことすらも解るのだ。リアータホテルの襲撃の際、ある一人の奴隷の視覚に奇妙なものが映りこんでいた。もうそいつは失格になった上に、そのものの位置の影響ではっきりと見えたわけではないが、参加者全員につけられているこの腕時計。一人だけ明らかに違うやつがいたんだ。」
原田九老「私たちがつけている腕時計とは色や形が違うということか?」
菅田神東「いいや、違う。二つつけていたんだ。一つは我々と同じような腕時計。もう一つ、ただの腕時計じゃない。明らかに何かがおかしい。」
下山沙智(はぁーー、見張り思ったやり退屈だな。交代までまだ三時間あるし。)
洗井ヰ凶他「あー下山さん。お疲れ様です。」
下山沙智「あー、洗井ヰだっけ?もうみんな寝たのか?」
洗井ヰ凶他「ええ。もう全員お休みになられました。」
下山沙智「てことは俺のワンオペか。」
洗井ヰ凶他「頑張ってくださいとしか言えませんね。私も寝るので。お休みなさい。」
下山沙智「はいはい。お休みー。
下山沙智(榎宮愷にきかれた【才原清一ってどんな人か?】っていう質問。全然答えられなかったな。もともと関わりが薄かったし、今はどこにいるのかも知らねえ。参ったなぁ。)
下山沙智(ん?誰か…いる?)
ホテルの入り口付近で遥か遠く、奥にうっすら人影らしきものは見えた。もう一度言おう。遥か遠くにいたのだ。普通に歩けば五分以上かかる距離。その地点に人影、いや人がいた。そして、その遥か遠くにいた人がものすごいスピードでリアータホテルへと向かい始めた。下山沙智に気づく猶予、武召喚や周りにその存在を伝える時間さえもなかったのだ。
下山沙智「!?」
彼が気づいた頃にはもう、背後を取られ、一つの凶器が襲いかかろうとしていた。
洗井ヰ凶他「!!!」
悪寒が走る。体の全神経と反射が反応する。
何かがやばいと。下山沙智が危ないと。そう脳が警報と警戒を鳴らし、彼を謎の襲撃者から離そうと全力の速度で下山沙智のもとまで突っ走り、抱きかかえ、距離をとることに成功する。
四条債賀「ほう、一撃では無理だったか。」
下山沙智「な、何だ?こいつは…」
どんな参加者よりも明らかに異質で不気味で禍々しい。全身の細胞が危険を伝えるのに必死になっている。
洗井ヰ凶他「ぐ、が、ぁぁぁ」
下山沙智「!?お前、足が!!」
下山沙智を四条債賀の剣の振るいから庇おうとした結果、その振るいは洗井ヰ凶他の右足へと伝わってしまい、その足は泣き別れの状態となった。
四条債賀「さーて、何分で終わるかな。」
ゲーム開始から三日と二十時間
残り参加者 113人
最後まで読んで頂き誠にありがとうございます。初の投稿作品ですので、まだ粗削りで不出来なところもあるでしょうが温かい目でこれからこの作品を見守って頂ければ幸いです。作品を読む際に【ハッピーエンドとはどういうものなのか】このことを念頭に置きながら読んで頂ければ、より一層深くまでこの作品を楽しめると思います。これからもこの作品を皆さまに楽しんでいただけるよう、精進して参ります。




