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ハッピーエンドを求めて  作者: 蓮翔
第一章 ただの殺し会い
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第三話 何人殺されるべきなのか

この作品は全三章で構成するつもりです。話の更新される日が不安定なことがあります。一応週一以上の頻度で更新するつもりですが、できなかった場合はどうかご容赦ください。

人が刺されていた。

自分が目を覚ましたときに最初に見た光景がそれだ。40代くらいの男性が槍で左足の膝の部分が刺されてうつ伏せになって呻き声をあげていたのだ。多分今森のなかにいる。そして空の明るさからしてもうすぐ日が沈む。それくらいの情報ならなんとなく察せれた。ここから離れないと自分も、、、、

逃げなきゃ、、!!自分の足の向きを無理やり男性の反対の方向に向ける。

男性「たす、、、けて、くれ」

多分、いや、この際仮定しよう。近くに槍を刺した犯人がいる。森の中は足跡が目立つ。今自分が向いている方向に足跡は見えない。つまり、まだここを離れていない可能性が高い。ならどこにいる…近くにに隠れられる場所は?不意打ちで刺されたらおしまいだ。

…っ!!!!!

気配を感じとり、右に飛び避ける。

前田咲「あらら、避けられちゃった。このおじさんは引っ掛かってくれたのに、、」

男性「あ、ぁぁぁぁぁぁぁーーー」

そこには槍で男性の右手を刺しながら、怪訝そうにしゃべる青髪の女性の姿があった。彼女は木の上に潜んでいたんだ。そこで機会をうかがって殺そうとした。

前田咲「とりあえず、もうこの人はいいか、バイバイ」

そう言い彼女は槍で男性の首をかっ切った。

そして男性は苦悶の表情を浮かべながら粒子となって消えていった。

戦慄が走る。ここで殺されると粒子となって消えるのもだが、何よりも恐ろしいのはさっきの彼女には何のためらいもなかった。食事をするときにいただきますというように、雨が降っていたら傘やレインコートを使用するように、そんな当たり前の行動のようにその男性を殺したのだ。

前田咲「自己紹介だけしてあげる。私の名前は前田咲(まえださき)。現界にいたときは大勢の人間を殺したの。15歳で死んじゃったんだけど、総勢で40人殺したらしいよ。しかも一度も警察に捕まっていないの。うけるよね‼️まぁだからこんなとこにいるんだろうけど…」

榎宮愷「殺す理由あったのか。」

前田咲「ん?これデスゲームじゃん。別に殺してもよくない???それに殺しても誰にも咎められないでしょ♪」

榎宮愷「じゃあ察するに次は、、」

前田咲「うん!!!君も殺してあげる♪」

榎宮愷「そうか、、、よ!!」

前田咲が自己紹介してる間に土を右手に隠し持ち、それを彼女の目に投げる。

今俺はこのゲームのことを何も分かっていない。武器の調達方法も勝利条件も。しかも相手は槍持ちな上に殺すことに躊躇がない。圧倒的に不利な状況なのだ。どうにか彼女から逃げないと…走り去ろうとした瞬間、、自分の頭上に何かが投げられた感覚ととてつもない音がした。槍が自分の正面の木に刺さっている。あと少し立つのが早かったら一撃でやられていた。それに木の刺さり具合から力も異常だ。どうやら何もせず逃げ切るのは無理らしい。

前田咲「私さ、時間ないんだよ。早く死んでくれない?」

榎宮愷「俺もお前に構っている暇なんかないんだよ。さっさと消えてくれない?」

今こいつに勝つことはできない。夜になったらさらに不利になる。日が暮れる前にこいつから逃げ切らないと。もう隠れるのは無意味。とにかく一目散に走る。

前田咲「いいねーーそうやって醜く逃げてるの。嗜虐心がうずいちゃう。」

ゆっくりと見失うことなく、追ってくる。

(この男の一秒あたりの移動距離と走る方向はなんとなくわかってきた。殺れる。

ファースト!!!!!)

前田咲の手に槍が投影される。

なんだ?どこから槍が現れた?そういえば、さっきの男性を槍で殺したあと、その槍をみていない。さっきまで彼女の手に槍はなかった。なのに何で今急に現れた…?

前田咲「考え事してる余裕あるの??(笑)」

嘲笑うかのような笑みを浮かべて、近くまで迫ってきた。まずい、、、

前田咲「この距離ならいける。バイb 、、」

(え、、嘘?なんで…ありえないでしょ)

理解が追い付かなかった。彼女の腹部には剣が突き刺さっていたのだ。大量の血が滴っている。彼女の顔からも理解が追い付いないようだった。そして青髪の少女はその場に倒れこみ、二度目の死を迎えた。



前田咲 失格



誰だ…誰が殺した?何の意味があった?誰かを殺すことがこのゲームの勝利条件とでもいうのか…逃げながらずっと考えている。答えなんか出るわけないのに。前田咲を殺した人間が近くにいるはずだったのになぜか殺しにこなかったので、一時間ほどかけてなんとか森を抜けることができた。住宅街らしき場所についた。

やっと一息つけると思った。


でも違った。こんな現界にいけばどこにでもあるような場所でも人が殺しあっていた……

どうやらこの幸奪戦争はどんな場所でも殺し合うらしい。

榎宮愷「なんだよ、これ、、」

剣を振りかざすもの。殴り合うもの。それだけじゃない、ここの家も何件か燃えている。火だるまになっているもの、足や腕を斬られ悶え苦しんでいるもの、「殺してくれ」「助けてくれ」と懇願しているもの。ほんとうの地獄絵図だ。腰が抜けて力が入らない。こんな状態だと、見つかったら確実に殺される。

目を覚ましてから何がなんだかさっぱりわからない。目を開けた瞬間、人が刺されてる光景を目にして、殺人鬼の少女に殺されかけて今は地獄絵図をただ眺めているだけ。。。

ハハハ、、、何が自分の真相を知るまで死ねないだよ。今生きるためにするべき行動を何もせず、ただしりもちをついているだけじゃねえか。はぁ、まじでどうしようもねぇ。。


桐生亜衣「ちょっと君!!何してるのよ。死ぬよ!?」

(なんだ??殺しにきた…には見えないが)

坂縞樹「おい、桐生。ここに長居は無用どころか害用だ。早く逃げるぞ」

桐生亜衣「分かってるよ。ほら、君もいくよ!」

無理やり立たされ、連れていかれる。

(?今助けられている…)

(ほんとうに何もわからない。何なんだ。俺以外の参加者は何が目的なんだ?運営は俺らに何をさせたいんだ??

いや、もう一旦やめよう。今はこの二人についていこう。少なくともあそこにたたずんでいるよりはましだ。)

そして、三人はあの住宅街から逃げ切ることはできた。





幸奪戦争開始から19時間

残り参加者 742人








最後まで読んで頂き誠にありがとうございます。初の投稿作品ですので、まだ粗削りで不出来なところもあるでしょうが温かい目でこれからこの作品を見守って頂ければ幸いです。作品を読む際に【ハッピーエンドとはどういうものなのか】このことを念頭に置きながら読んで頂ければ、より一層深くまでこの作品を楽しめると思います。これからもこの作品を皆さまに楽しんでいただけるよう、精進して参ります。

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