第23話 化け人
この作品は全三章で構成するつもりです。話の更新される日が不安定なことがあります。一応週一以上の頻度で更新するつもりですが、できなかった場合はどうかご容赦ください。
狩野下切戸「なぜ誰もいないんだ?」
木崎印「ほんとだ。ここ一人もいねえ。」
洗井ヰ凶他「あの一階にいた三人で全てなんでしょうか?」
狩野下切戸「いや、その場合あの三人のうちの一人がエスケープでなければいけない。だが10人もいる参加者の前にわざわざエスケープが姿を現すとは思えない。」
木崎印「なら脱出したってことですけど、まさかあの窓からじゃないですよね。」
二つの窓ガラスだけ辺りに破片を撒き散らし、窓としての機能を失った状態にある。
狩野下切戸「いや、そうかもしれない。今参加者の失格履歴を確認したが、村部が失格になっている。」
洗井ヰ凶他「え!?ほんとだ。」
狩野下の報告に続き、他の二人も履歴を確認する。
木崎印「てことはこの窓ガラスに飛び降りたやつらは菅田たちと戦闘状態にあるってことですよね。だったらエスケープはそこから脱出していないのでは?」
狩野下切戸「ああ。だから戦闘にならないようにそこから脱出したんだろう。」
洗井ヰ凶他「どういう意味です?」
狩野下切戸「ここにいる意味はもうない。やつらのなかにめんどくさい種性核者がいる。」
騙兼壮一「貴様…その見た目から察するに被爆しているだろ…。」
花城如音「あぁ。かなり痛い。」
騙兼壮一「菅田、あいつらの自爆威力って実は脆いのか…?」
菅田神東「あり得ない。普通に失格になるはずだ。なぜ今動けているのかまるでわからない。」
佐々木浩二(なんか当事者が困惑してる…まぁ、無理もないよな。俺も分かんないもん!何なのこの人!?」
花城如音「そんなことはどうでもいい。」
佐々木浩二(何が?どこが?)
花城如音「お前らのグループ、ボスがいるだろ。そいつの居場所を教えろ。」
菅田神東「私の大事な部下を倒しておいてそう易々と教える人間がどこにいる?」
花城如音「その大事な部下を思いっきり爆破させているやつがよく言えたものだ。それにお前らに選択の余地があるのか?俺たちに勝てると?身の程を弁えろ獄人。」
騙兼壮一「ほうー。本性を表してきたではないか。それでいい。獄人に善良さを持ち合わせていても無意味だからな。」
佐々木浩二「俺にはわからない。何でこんなことができるのか、何で人を殺せるのか。」
菅田神東「わからないくせに人を殺せるんだな君は。」
佐々木浩二「……」
彼は何も言えずただ顔をうつむかせることしかできなかった。
菅田神東「それでいいんだよ。私たちは地獄からの使者なんだから。我々は地獄に認められた存在なんだから。何も罪悪感を抱かず、ただ世間のいう犯罪行動を継続し続ければいい!!我々はもう救いようがないのだから!」
佐々木浩二「救いようがないんだったら!!誰かに救ってもらえるようなところまで自力で這い上がってくるべきだろ!!」
花城如音「……」
菅田神東「ほう。ならば余計に君の行いに説明がつかなくなってしまうが?」
佐々木浩二「そうだよ。俺は人を殺めてしまった。当然許されないことだ。それを分かっているのに行った。だから俺はその罪もこれまでもこれからの罪を背負って極楽にいくんだ。」
騙兼壮一「自覚があれば殺していいと?他の参加者を踏みにじってもよいと?」
佐々木浩二「よくないよ。でも俺にはこれしか残されていない。俺が少しでも幸せに近づくにはこの選択しかないんだ。」
改めて短剣を構えだす。
菅田神東「ふーむ。まぁ、どのみち無理だな。騙兼壮一よ。」
騙兼壮一「ん?何だ?」
菅田神東「【スレイバー】」
騙兼壮一「!?貴様!!俺にもそれを使っていたのか!」
菅田神東「当たり前だろ。Aレートで使っているのは村部と君だけ。だから私の手元に残しておいたのだ。」
騙兼壮一「ふざけんな!!てめぇ、これが許さ、、れ、あ、」
佐々木浩二「?何だ?」
激昂していた騙兼壮一の様子が段々と錯乱し始める。
騙兼壮一「あ、ぐぁ、ぐぅぅ、」
そして佐々木浩二、花城如音の所へと走りだし始める。
騙兼壮一「うぅぅ、ぐ、ああぁぁぁぁ!!」
花城如音「!佐々木!!」
佐々木浩二「シールド!!」
そして騙兼壮一はCレートの者どもと同じように自らを爆破して参加者としての資格を失った。
騙兼壮一 失格
そしてその騙兼壮一の望まぬかたちの自爆を【佐々木浩二の種性】で防いだ頃にはもう、菅田神東の姿はなかった。
花城如音「ありがとう。助かった。」
佐々木浩二「あなた、考えた作戦イカれてますよ。」
花城如音「そうか?」
佐々木浩二「ほんとビビりましたよ。窓ガラスから飛び降りた先にこの自爆を実行させた首謀者がいるとか、普通信じられませんよ。」
花城如音「まぁ、実際いたし問題なかっただろう。お前の武召喚数値も貯まったし。」
佐々木浩二「まさか、倒せといわれるとは思いませんでした。あなたは誰も殺さない、失格にさせないことをモットーにしているはずなのに。」
花城如音「あぁ。そのくせ人にはやらせるんだ。最低だろ?」
佐々木浩二「うーん。どうでしょう?初めて出会ったときに僕と花村くんを助けてくれたのは花城さんですし、この二日間残ることができたのも花城さんのおかげです。だからとりあえず、プラマイゼロていうことにひといてあげますよ。」
花城如音「フッ、偉そうだな。」
初めて花城如音が笑った。彼と出会って初めてだ。
佐々木浩二「じゃあ僕は、花村くんの所に行ってきます。花城さんは榎宮くんたちの援護を。」
花城如音「いや、花村の所には俺が向かう。お前は榎宮たちのところに行け。」
佐々木浩二「え、あ、はい。分かりました。」
花城如音「じゃあ、またあとで。」
そうして、花城如音は姿を消し、花村祈のもとへと駆けていくようにみえた。
花村祈「あんた、エスケープだよな。」
磯貝公人「だ、だったら何だよ。ていうかあんたどこから来たんだよ。」
花村祈「ある人の種性のおかげで瞬間移動的なことができたんだ。」
磯貝公人「それで、どうする気?」
花村祈「…ファースト。」
彼は剣というにはあまりに短くて小さい鋭利な鉄の棒を投影した。
花村祈「倒す。それしかない。」
木崎印「まさか、非常口を使う日が来るとは。」
狩野下切戸「一階のやつらに感づかれるわけにはいかん。二階の窓ガラスから飛び降りて、エスケープを消すぞ。」
やがて非常階段をつたって二階へと戻り、窓ガラスのもとへいこうとしたそのときだった。
洗井ヰ凶他「!?嘘でしょ…」
狩野下切戸「まさか、、再開するとは…」
彼は四階の窓ガラスから地上へと飛び降りていた。そして現在、その地上からこの二階まで窓ガラスを割って飛び上ってきた。
花城如音「大当たりだ。やっぱり俺の勘は当たる。」
木崎印「はぁ、、これはめんどくさいな。」
花城如音「二度初めまして。大人しく寝てもらおうか。」
ゲーム開始から二日と三時間
残り参加者429人
最後まで読んで頂き誠にありがとうございます。初の投稿作品ですので、まだ粗削りで不出来なところもあるでしょうが温かい目でこれからこの作品を見守って頂ければ幸いです。作品を読む際に【ハッピーエンドとはどういうものなのか】このことを念頭に置きながら読んで頂ければ、より一層深くまでこの作品を楽しめると思います。これからもこの作品を皆さまに楽しんでいただけるよう、精進して参ります。




