第22話 逆襲と召集
この作品は全三章で構成するつもりです。話の更新される日が不安定なことがあります。一応週一以上の頻度で更新するつもりですが、できなかった場合はどうかご容赦ください。
才原清一「タァァァ!!ハッ!」
酒々井夢寐菜「ハハハッ!!いいねー。必死さが伝わってきて滑稽味があるよ。」
才原清一の双剣の振り、死角へと向かい急所を狙おうとする策略、その全てが酒々井夢寐菜には通用していない。
才原清一(ちっ。くそ。全然当たらねえ。)
才原清一はBレート信徒くらいは簡単に倒すことができる戦闘力を持ち合わせている。そう、戦闘センスではなく、戦闘力だ。要は力でゴリ押ししているのである。
酒々井夢寐菜「君の攻撃強いとは思うんだけど、当たらなかったら意味ないよね笑」
才原清一「ちっ。テヤァ!」
双剣の攻撃から蹴りへと切り替える。だがそれでもかわされる。
酒々井夢寐菜「ほらほらーー。もっと頭使わなきゃ。君は当てれたら!強いんだからー笑」
酒々井夢寐菜はまだ武召喚を行っていない。
才原清一の動きを瞬時に予測し、ただ攻撃をかわしているだけなのである。反撃も倒伏もしていないのだ。今この状況は、ただ一方がもう一方に延々と遊ばれているチャンバラなのである。
才原清一「タァァァ!」
一つの剣を酒々井夢寐菜に向かって斬りかかろとするがかわされ、そのかわし逃げた場所にまた剣を突きつけようと試みてもまたかわされる。これの繰り返しである。
酒々井夢寐菜「よっと。へへ、ファースト!」
才原清一「グァ」
酒々井夢寐菜武召喚を使って足の脚力や筋力を増強し、才原清一の攻撃をかわしたことによって生じた彼の隙を狙って腹部めがけて思い切り蹴り飛ばす。その蹴りに受け身や防御の構えをとることも叶わず、ホテルの壁へと一直線に激突する。
酒々井夢寐菜「はーい。立~って立っ~て立~って、立~って立~って立~って、立~って立~って立~って、立って♪笑」
飲み会の一気飲みパワハラのリズムで、ある意味敵を奮い立たせている。
才原清一「くそやろうが…」
酒々井夢寐菜「俺はあっちの七人や爆死してったやつらとは違うから。それと、まだ終わりじゃないよね」
村部実「福山は具体的に何人減らすことを目標にしているんだ?」
騙兼壮一「四日までに900人減らしたいらしい。」
村部実「もう残り二日とないが可能なのか?」
菅田神東「四条債賀を味方に率いれることとエスケープの種性を覚醒させること。この二つができればな。」
村部実「現実的ではないけどそれができたらあとは消化試合だもんな。まぁ、その作戦にのるしかないか。」
菅田神東「では、行こうか。」
そう告げ、リアータホテルからさらに遠ざかろうとした。彼らにとってもうここに残る意味がないのである。いや、そもそもこの戦い自体ほとんど意味をもっていないのだ。しかし、そう簡単に逃げられるものでもなかったようだ。向こうもただやられるだけの存在ではないらしい。突如としてバリン!!とガラスが割れた音が響き渡った。いや、実際割れた。
佐々木浩二「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
騙兼壮一「な!?正気か!」
三人組のもとに雄叫びという名の奇声を上げながら、一人の男がこちら側にスカイダイビングしてきた。
佐々木浩二「くぅぅ、、ファースト!!」
地面に全身が着陸する前に武召喚で身体強化を行い、落下の衝撃を中和する。
菅田神東「騙兼!村部!やつを倒せ!!」
村部 騙兼「、ファースト!!!」
佐々木浩二「くっ、、うぅ、セカンド!!」
この武召喚により、佐々木浩二の武召喚数値の残りは0となった。つまり、このセカンドの武召喚が切れた場合、佐々木浩二は失格となる。
佐々木浩二「…ほんと酷い人ですよ。」
騙兼壮一「誰に対して言っているのか知らんが…」
すぐさま佐々木浩二との距離を詰める。
騙兼壮一「とりあえず消えてもらおう。」
武召喚によって投影された棍棒に似たものを振りかざす。
騙兼壮一「な!?」
だが、その振りかざした棍棒と佐々木浩二が接触することはなく、代わりに佐々木浩二が投影した一つの短剣が騙兼壮一の体をわずかにかする。騙兼壮一は飛びかかる形で棍棒を振りかざしていたため、かすれたことによりバランスを崩してしまった。
村部実「たぁぁぁぁぁ」
騙兼壮一の背後に潜んでいた村部実が不意打ちを狙って普通の剣を突き刺そうと試みる。
その試みが文字通り命取りとなった。
村部実の雄叫びのあとに聞こえた音はグサッ!という擬音が似合いそうな鈍い音だった。
村部実 失格
騙兼壮一「…なん…だと?」
この男とてつもなく恐ろしい…村部実が失格となった。その理由はなぜか。佐々木浩二が村部実を倒したからだ。いや、もう少し正確にいうなれば、佐々木浩二が武召喚で投影した二つの短剣のうちの一つ。それが村部実の脳に直接突き刺さったのだ。騙兼壮一を地に伏せさせた瞬間を好機だと村部は思っていたのだが、その思考を佐々木浩二は待っていたのだ。まずい、そのせいで武召喚数値が…
佐々木浩二「64か。ほんと…何人の人を殺したんだろう…」
騙兼壮一「さぁな、そんなこと貴様ごときが考えて何になる?」
佐々木浩二「…!!」
菅田神東「ファースト!!」
佐々木浩二「!?」
怒りで騙兼壮一を倒そうとするのを菅田神東の横槍で間一髪で防がれる。
騙兼壮一「くっ、たぁ!」
佐々木浩二「んっ、」
その横槍で生じた隙を見逃さず、蹴りを一発かまし佐々木浩二から距離をとる。
菅田神東「これはまずい。ここで処理しなくては…私も加勢しよう。ファースト」
そう告げられた瞬間に大剣が菅田神東の右手に投影される。
菅田神東「私の力をきみにみせてあげよう。」
今の彼はかなり危険な状態だ。それに武召喚数値がかなりまずい。もし、彼の種性核があれなれば、、とにかく一刻も早く彼を倒す!
バリン!!
またまたガラスが割れた。そして一人の男が超高速で空中をつたい、菅田神東の大剣を蹴落とす。
花城如音「なら見せてくれよ!俺にその力とやらを。」
菅田神東「くぅぅ、くそがぁぁぁぁぁ!!」
痛い、息もしづらい、これは中々にまずい。どこの馬の骨とも知れない低人の攻撃を防ぎきれなかった結果、森の中でただ一人寝そべっている。さっきまでは、、、
原田九老「肝田、こいつが例の化け物か?」
肝田葛葉「はい!こいつが例のやつです。満身創痍ですけど、倒しますか?」
福山幸多「ん?倒さないよ。彼にはまだ失格になっては困るからね。」
四条債賀「だれ、、だ?おまえら…?」
福山幸多「まさか、しゃべるとは。クラインドを受けて尚、その耐久力。素晴らしい」
こいつら多分どっかで隠れて俺の戦い見ていたな。でなきゃ、そう都合よく、森の中で四人組のわざわざ俺を助けてくれようする連中に逢えるわけがない。なぜ俺に用がある?
福山幸多「始めまして、私は福山幸多といいます。あなたと共にこのゲームを支配していく所存です。」
ゲーム開始から二日と二時間
残り参加者430人
最後まで読んで頂き誠にありがとうございます。初の投稿作品ですので、まだ粗削りで不出来なところもあるでしょうが温かい目でこれからこの作品を見守って頂ければ幸いです。作品を読む際に【ハッピーエンドとはどういうものなのか】このことを念頭に置きながら読んで頂ければ、より一層深くまでこの作品を楽しめると思います。これからもこの作品を皆さまに楽しんでいただけるよう、精進して参ります。




