第19話 狂祖
この作品は全三章で構成するつもりです。話の更新される日が不安定なことがあります。一応週一以上の頻度で更新するつもりですが、できなかった場合はどうかご容赦ください。
我殺狂助「あ、が、、、」
飯島聡「我殺さん!!」
痛みに耐えきれず、倒れこむ我殺狂助を少し起き上がらせた後右肩を手に置き、抱き寄せる。
飯島聡「何してるんですか!!」
我殺狂助「それはこっちのセリフだ…。俺に構うな。さっさと…逃げろ。」
飯島聡「うるさい!! 黙れバカ!!私を庇ったやつが偉そうに言うな!!!」
涙を流さぬように必死に堪えていたが、感情だけは堪え殺すことができなかった。
四条債賀「正直ここまで手こずるとは思わなかった。多分ここまで手こずるのはあとにも先にもはあんたらくらいだろう。天晴れだった。」
飯島聡「!?」
剣が飯島聡の首にわずかに触れる。飯島聡ももう逃げようがない。
四条債賀「だから俺にとってあんたらは邪魔でしかない。じゃあな。」
猪谷累「ワンイーター!!」
四条債賀「!?」
突然四条債賀の真正面からビームのようなものが通り飛んできた。
そのビームに吹き飛ばされ、飯島聡と我殺狂助の失格の危機が少しだけ遠のく。
四条債賀「あ、ぐっ、、何だ…?何が起こった…?」
そのワンイーターというやつは四条債賀に効果バツグンだった。たった一撃であの化け物を吹き飛ばすほどのダメージ。飯島聡と我殺狂助の完璧な連携をとった攻撃でもここまでのダメージはなかった。
飯島聡「逃げますよ!」
四条債賀が吹き飛んだと脳が判断するやいなや、我殺狂助をお姫さまだっこしてその場を離れようとする。
我殺狂助「俺は…置いt」
飯島聡「うるさい黙れ!!二回も同じこと言わせないでください!!」
我殺狂助「は、はい…」
置いていてという単語を絶対に言わせまいとする殺意すらこもってそうな熱意の怒号を至近距離で浴びせられる。
飯島聡(なぜかは知らないけど都合よくあの男を誰かが引き離してくれた。【ワンイーター】…やっぱり知らないことが多すぎます。)
四条債賀のもとから全速力で駆け抜け、ホテルへと体を向かわせる。だが
葛城康介「ストップ」
飯島聡「!?」
どこから現れた…?誰かが追ってきている気配も音も無かったのに…。
葛城康介「お前ら榎宮愷という男を知らないか?」
飯島聡「榎宮さん?」
我殺狂助(こいつ誰だ…?)
葛城康介「{榎宮愷…?}ではなく{榎宮さん}と言っている辺り何か知ってそうだな。」
飯島聡(榎宮さんのこと教えるのはまずいかも。でもどうする?勘づかれても知らないふりを押し通せるか…)
我殺狂助「あぁ、うちのグループにそういうやつはいる。それがどうした?」
飯島聡(私のせいではあるんですけど、お姫さまだっこさせられながら喋るの何かシュールですね。)
葛城康介「榎宮愷が今どこにいるか知っているか?」
我殺狂助「教えてほしかったらそれを知って何をしたいのが言え」
お姫さまだっこ状態を無理やり解除してもらい、飯島聡に肩を貸してもらいながら目的を探る。
我殺狂助「ていうか、自己紹介くらいしたらどうだ。俺は我殺狂助。となりの女は飯島。お前は?」
葛城康介「私の名前は葛城康介と言う。榎宮愷という男がこのゲームに参加していると聞いてね。昔ながらの知り合いでお世話になったから一度会って話がしたいんだ。」
我殺狂助「こんな人が大勢苦しめ、倒されているデスゲームの中、のんびり話がしたい?
そもそも榎宮愷が参加者であるのが本当かも怪しかっただろ。本当だった場合でも榎宮愷が失格になっているという可能性も考えずにそれだけを行動原理にしてきたのか?」
葛城康介「ああ。榎宮愷が参加者になっているという情報を教えてくれた人に対して私は多大なる信頼を寄せているからね。それに、榎宮愷が失格になっていたならそれはそれで都合がいいんだよ。」
飯島聡「…は?」
葛城康介「とりあえずお前ら何か知っているんだよな。とりあえず居場所を吐いてもらうぞ。」
我殺狂助(こいつ、確実に俺らが榎宮を知っていると踏んで話しかけてきやがった。こいつが誰か分からない以上、教えるわけにいかない。)
佐藤要「おーーーい葛城ー。お前どこ行ってたんだよ。」
今度は空虚からではなく、飯島たちが逃げてきた方向から一人のハットを被った男がやってくる。このときかすかに葛城康介から舌打ちのような苛立ちを含めた何かが聞こえた気がした。
葛城康介「佐藤か。猪谷の方は無事か?それとあの化け物の方も。」
佐藤要「いや、あの男の方は見失った。失格という表示が更新されてない辺り、まだ生きているだろうな。」
葛城康介「クラインドをもってしても倒しきれんのか。」
猪谷累「おーい。二人ともーー。」
またも佐藤要がやって来た方向から別の男がやってくる。
葛城康介「おー猪谷。お前も無事か。」
猪谷累「えっーーとこの二人は?」
葛城康介「あーそっちの男の方が負傷して困ってるみたいでさ。近くに手当てできる場所とかねえかな?」
我殺狂助(あーそういう感じね。この
佐藤と猪谷っていうやつの前で榎宮の話をするのは都合が悪いと。で、その中でもし榎宮の話を切り出したら失格にする。少なくとも負傷してる俺はやられるだろうな。ちっ一旦は話合わせるしかないな。)
佐々木浩二「それでそのエスケープたちはどこから来るんですかね?」
坂縞樹「このホテルの惨状を見る辺り、さっきは窓ガラスから入ってきたみたいだな。」
花村祈「でも僕のいた方にも一人いましたよ。今もあそこで気絶してるし。」
花城如音「そういえばこの二人どうするか考えてなかったな。」
そう、水嶼恭賀と下山沙智。この二人は気絶させたまま放置しているのだ。
榎宮愷「とはいっても起こすわけにはいかないんじゃない?何するか分からないし。」
坂縞樹「榎宮!」
榎宮愷「ごめん。心配かけたよね。いずれちゃんと話すしもう大丈夫だから。」
坂縞樹「そうか。ならいい。」
花村祈「それにしてもどうしましょう。エスケープの動きが止まっているんですよ。」
佐々木浩二「え?嘘でしょ!?」
花村祈「ほら、ここ。」
地図上にはホテルから少しだけ離れた位置にエスケープの居場所が表示されていて、そこから五分間ピクリとも動いていないらしい。
佐々木浩二「こっちに向かってこないんじゃどこから責めてくるのかも読めないから迎撃しづら…」
ドゴォォォォォォォォォン
とてもつもない爆音がホテル内を包む。五人はその音に注意を向け上の階から生じた音だと理解する。
坂縞樹「何だ?」
嘉納配流 失格
福山幸多「あの人は大丈夫なんですかね?ちゃんとクラッシャー集めできるんでしょうか?」
原田九老「任せたのはお前じゃろ。」
福山幸多「ええ。彼は私レベルに厄介な存在ですからね。ですがそれ故に誰かを生け捕りにするという仕事をこなしにくいんですよ。特に彼のような種性核は。」
菅田神東「諸君!!我々はこの残酷な地獄のデスゲームにおいて唯一幸福を掴みとることができる恵まれた存在なのである!!それをしかと胸に刻み、幸福のために命をかけらを投げ捨てようぞ!!!」
信徒一同「は!!!」
菅田神東「ではレートCのものよ。行けーーー!!!」
レートCの信徒「はぁぁぁぁぁぁぁぁ。ハッピーエンドを求めて一切を投機せよ!!!!」
相沢由比 失格
蔵田真尾 失格
酒田陽南 失格
酒井舞 失格
伏田洋子 失格
木々先幸子 失格
来内桐見 失格
坂戸気慎太郎 失格
マリア クリローナ 失格
義水拝田 失格
千田蝶子 失格
水瀬由比場 失格
山本可憐 失格
芹沢彰 失格
石田未来 失格
木曽拝野 失格
山崎英 失格
阿光諮問 失格
佐中栄次郎 失格
只野始 失格
老害雄和 失格
内田百代 失格
総勢22名、Cレートである菅田信徒はリアータホテルに文字通り飛爆を行った。要は自爆させたのだ。菅田神東の命令一つによって。
ゲーム開始から二日と一時間
残り参加者435人
最後まで読んで頂き誠にありがとうございます。初の投稿作品ですので、まだ粗削りで不出来なところもあるでしょうが温かい目でこれからこの作品を見守って頂ければ幸いです。作品を読む際に【ハッピーエンドとはどういうものなのか】このことを念頭に置きながら読んで頂ければ、より一層深くまでこの作品を楽しめると思います。これからもこの作品を皆さまに楽しんでいただけるよう、精進して参ります。




