第18話 ふり
この作品は全三章で構成するつもりです。話の更新される日が不安定なことがあります。一応週一以上の頻度で更新するつもりですが、できなかった場合はどうかご容赦ください。
花城如音「そういえばエスケープが必要だって言ってたけど、何か使えるのか?」
嵯峨野健児「エスケープって他のエスケープの位置がわかるんですよね?」
花村祈「ええ、まぁ、、」
嵯峨野健児「なら、今自分以外のエスケープの位置を教えてください。」
花村祈「え、位置ですか?えっとーー今現在失格になっていないエスケープは僕を含めて6人いて、そのうちの三人が教会?らしき場所にいますね。」
桐生亜衣「それどんな風に表示されているの?」
花村祈「○ーグルマップと似たようなものだと思ってくれればいいですよ。エスケープの腕時計には地図アプリのようなものが搭載されていて、エスケープの位置がその地図上に表示されるんです。」
坂縞樹(6人か。そしてそのうち三人が教会にいるってことは福山グループのアジトのひとつはそこだろう。ただ、問題は)
嵯峨野健児「残りの二人の居場所は?」
花村祈「一人はこのホテルや教会からかなり離れた洋館にいるみたいですね。あとの一人はこのホテルの近くにいます。」
桐生亜衣「近く…?…もしかしてこれってさこっちに近づいてきてる?」
花村祈「え?あ、そうですね。このホテルに…」
桐生亜衣「樹くん、健児くん、こっちきて」
桐生亜衣に手招きされ、花村祈の腕時計に視線を集める。二人はこの地図をみて全てを察した。
坂縞樹「急いでここから離れるぞ!!!」
嵯峨野健児「ええ。これはかなりまずいです。」
一刻を争う状況であると花村祈によって理解させられた瞬間、坂縞樹、嵯峨野健児はこのホテルを出る準備を始める。
佐々木浩二「え?いきなり急すぎません?」
桐生亜衣「花村くんだっけ?今その近づいてきてるエスケープとここのホテルどれくらいの距離がある?」
花村祈「なんとなくですけど、あと40分もすれば…」
坂縞樹「嵯峨野。花村と榎宮はどうする?」
嵯峨野健児「榎宮さんは…」
榎宮愷。斑目さんも我殺さんもこの男を警戒している。なぜか今、急に様子がおかしくなって椅子に座らせているが、彼はどうするべきなんだ…。それにこのエスケープを失うわけにはいかない。
佐々木浩二「すみません。今の状況、何がそんなにまずいんですか?」
坂縞樹「時間がないから、ざっくり言おう。
今ここに近づき始めているエスケープ、こいつは単独行動をしていない。何かしらのグループに所属している。そしてこいつが所属しているグループは恐らくとんでもなく厄介なところだ。」
とんでもなく厄介なグループ。例えば、エスケープのように貴重な武器となる種性核者を仲間に率いれているグループ、シンプルに人数が多いグループ、はたまた武召喚数値を数多く所有しているグループなど。今いったもの全てを取り揃えているであろうグループに心当たりがある。そう、福山グループだ。
花城如音「よくわからんが、今はここから離れた方がいいんだろう。だったら花村とそこに座っているやつ、そして俺はここに残る。」
佐々木浩二「え!?ちょっ、花城さん?」
花城如音「その独り歩きしているエスケープがこっちにきているなら、花村の位置もバレているだろ。花村が下手に動くわけにはいかない。」
佐々木浩二「だったら俺も残ります。俺の【種性核的】にもその方が都合がいいでしょ。」
坂縞樹「俺も残っていいか。そうしないと、あんたたちいざというときは榎宮を見捨てるだろ。」
協力関係を結んだにしても、それは即席で生まれたもの。花城グループと我殺グループ。このホテルに残ろうとしたのは花城グループ全員。それにたいして我殺グループは様子がおかしい榎宮愷ただ一人。我殺グループにとって花城グループの人間は需要の塊だが、花城グループとにとってはそうではない。いくら花城如音の誰も殺さないが本当の理想であっとしても、誰も殺さない=誰も死なせないではない。彼がいくら強かったしても守れる範囲は限られる。いざというときは、花城グループにとって必要とは言いがたい榎宮愷を見捨てる可能性があるのだ。
花城如音「……確かに、否定はできないかもしれん。では、ホテルに残るのはこの五人だな。二人はどこに向かう?」
嵯峨野健児「そうですね…我殺さんの元に向かおうと思います。僕たちの位置情報は花城さんの腕時計に送ろうと思います。」
花城如音「ん?そんなメールみたいな機能があるのか?」
嵯峨野健児「斑目さんがつくってくれたんです。この腕時計のシステム構造を知っていたらしく、僕と我殺さん、斑目さんの腕時計には特殊な改造が施されていて、録画機能や、盗聴機能、顔を知っている相手にメールや動画を送ることができるんです。」
嵯峨野健児(だから本当に…惜しい人を失くした)
花村祈「改造された腕時計の持ち主だけが一方的にそれができる…めっちゃ強くないですか…??」
嵯峨野健児「ではまた会いましょう。絶対に誰も死なないでください。」
花城如音「ああ、約束しよう。」
桐生亜衣「愷くん。」
このホテルから出る前に座り込んでいた榎宮に声をかける。
桐生亜衣「急にどうしちゃったのかは分からない。人間、話さないと分からないけど話したくないことが多すぎるからね。だからさ」
下だけを見ていた榎宮愷の視線を桐生亜衣の
手で強制的に自分のもとへと向かせるよう顔を動かす。
桐生亜衣「話したくなるまでやられちゃダメだよ。私は何があったのか聞くまで倒されるつもりないから。」
榎宮愷「桐生、、」
桐生亜衣「もういくね。じゃまた。」
榎宮愷「…」
???(開き直るのか??)
また自分の精神と脳に茶々入れてくるやつが話しかけてきた。
榎宮愷(今は開き直るよ)
???(今っていつまでだ?この窮地を脱するまでか?)
榎宮愷(このゲームが終わるまで)
???(…はあ?)
榎宮愷(俺が斑目くんを殺したかどうかは分からない。俺が殺すわけないけど、それを証明できるものがない。だから今は知らないふりをする。お前のことも斑目くんがやられた理由も知らない、知ろうともしない)
???(…あっそ。好きにしろ)
佐々木浩二「結構時間たったな。
花城如音「そろそろ来る頃か。」
???(まだ出てこれないか)
この言葉だけは心の中に閉じ込めておくことにした。
四条債賀「うあぁぁぁぁぁぁ!!!)」
我殺狂助「くっ!」
本気を出した四条債賀の斬激を武器で受け止めようとするとハワーに押し負け、一瞬で武器が消滅してしまう。つまり、タイミングを図らなければ武召喚するだけ無駄なのであろう。そのタイミングを必死に見図ろうとただ必死に全力で武召喚で身体強化をしながら四条債賀の攻撃をいなしていた。だが
四条債賀「ふっ。オラッ!!」
飯島聡「はっ!?」
本気を出した四条債賀の攻撃をそう長いことかわしていられるわけではない。体力の限界というものがある。そして四条債賀も何の考えもなしに戦っているわけではない。機会をうかがっているのは、我殺狂助と飯島聡だけではないのだ。隙をつく勝負に勝利した四条債賀の剣の刃先が飯島聡のもとに突き刺さろうとする寸前のときだった。
グサッ!!という擬音が響いた。
我殺狂助「グハッ」
飯島聡「我殺さん!!!!!!」
我殺狂助は飯島聡を庇い、勝ち目を失った。
ゲーム開始から2日と一時間
残り参加者 457人
最後まで読んで頂き誠にありがとうございます。初の投稿作品ですので、まだ粗削りで不出来なところもあるでしょうが温かい目でこれからこの作品を見守って頂ければ幸いです。作品を読む際に【ハッピーエンドとはどういうものなのか】このことを念頭に置きながら読んで頂ければ、より一層深くまでこの作品を楽しめると思います。これからもこの作品を皆さまに楽しんでいただけるよう、精進して参ります。




