第10話 集団心理
この作品は全三章で構成するつもりです。話の更新される日が不安定なことがあります。一応週一以上の頻度で更新するつもりですが、できなかった場合はどうかご容赦ください。
さて、どうしたものか。
佐々木浩二「周りに全っ然人がいない、、」
花村祈「あの森から歩いて随分経ちましたよね。」
佐々木浩二「ここにきて30時間くらい経っているのに、何で誰にも会わないんだよ。」
多少の休憩や睡眠を挟みつつも、佐々木浩二はここにきて、花村祈という男以外には誰にも会っていない。
佐々木浩二「流石に変だよな……」
今いるところは、最初に目を覚ました場所から少なくとも50キロは離れている。こんなことがあり得るのか、、?
海の砂浜でしゃがみこみ、頭を悩ませているときだった。
花村祈「!! 佐々木さん危ない!!」
そう叫ばれ、自分の体に飛びかかられる。飛びかかられた衝撃と重みで体が倒れる。
佐々木浩二「急にどうした、祈く、、」
さっき自分が立っていた位置に刀がささっている。
…まずいな。
木崎印「ちっ!雑魚がしゃしゃりやがって。」
狩野下切戸「木崎、あまり人の強さを勝手に決めるでない。所詮、人間なぞ皆弱い。」
木崎印「あんた、俺より断然強いくせに、んなこといわれてもねー」
最悪だ。30時間ぶりに会う新しい人間が俺と祈くんを殺そうとするんだからな。そいつらは金髪でサングラスをかけている見るからにチャラそうな人と武士のようなしゃべり方をする人。多分木崎とかいうひとがチャラ男で武士の人が俺に刀を投げ刺して来た人なのだろう。
花村祈「佐々木さん、、、」
……花村くんはエスケープで戦力にはならない。二人組だし恐らく数値はあちらの方が多い。彼らと戦う=失格になると思った方がいいな。なら、、、
佐々木浩二「一度話し合うていうのはできませんかね??」
両手をあげ、膝を地面につける。戦闘の姿勢を見せても勝ち目がないなら平和的にいくしかない。
佐々木浩二「そもそもこの幸奪戦争、他の参加者を失格にさせたところで勝てるとは限らないじゃないですか。」
狩野下切戸「そうだな。周りが他の参加者を消しているから自分の身を守るためにも、同調圧力に押されその殺戮に加担する。その殺戮の被害にあったものやそれの存在を知ったものも消されたくないから、その者たちも殺戮に加担し始める。そういう負の連鎖が続いている。それに何の得もないはずなのにな。」
花村祈「だったら、、」
狩野下切戸「だが、それが戦争というものだろう。」
佐々木浩二「え?」
狩野下切戸「あのお粗末な招待の内容、説明。そのお粗末なものに私も含め、ここにいる人間は希望や可能性を見出だし参加した。感覚的にデスゲームということくらいは勘づいていただろうに。ならば、ここでは殺す殺される覚悟を持って臨むべきだ。そもそも一度起こった連鎖など止まらん。平和的な解決なぞ、どんな世界にもない。」
佐々木浩二「つまり、あなたの思考はもう俺らを消すことしか考えていないと、、」
狩野下切戸「そうだ。まぁ確実に消せる自信はないんだがな。」
木崎印「?何言ってるんだ、狩野下さん。」
狩野下切戸「気配でわかる。この場にいるのは4人だけではない。」
木崎印「一体どこn、、」
その瞬間、木崎とかいうひとがぶっ飛ばされ、姿が視界から消える。
狩野下切戸「何者だ。」
花城如音「誰かって?そんなの、、お前らと同じような人間だよ。」
佐々木浩二「えっとーどなた?」
なぜか俺の前に立って、じっと見下ろす。超怖い。助けに来たの?それとも消すに来たの?
花城如音「一旦こっちの味方をするか。セカンド!!!」
なんか味方をしてくれるらしい。突如現れた援軍?の方が武召喚を行い、剣を両手に投影させる。
狩野下切戸(武召喚はした。だがこいつから闘争心や殺意を感じない。)
すると彼は片手の剣を武士みたいな人に投げやり、即座にもう片方の剣で地面を切り裂き、砂ぼこりを舞わせる。
花城如音「一度引くぞ。ついてこい。」
小声でいわれ、【ほぼ強引に】連れていかれる。
狩野下切戸「ふむ、、、木崎くん、無事かね?】
木崎印「痛いのは無事に入りますか?」
かすれた声で戻ってきて、変な問いを投げかけられる。
狩野下切戸「今の会話で無事がわかった。」
木崎印「あいつ武召喚なしでまぁまぁの距離ぶっ飛ばしてきたしたし、あいつの蹴りすんげぇ痛いっすよ。」
狩野下切戸「あぁ私も彼とは戦いたくない。だが、それとこれとは別だ。」
佐々木浩二「ハァ、ハァ、どこに向かっているんですか?」
花城如音「とりあえずやつらから離れければならない。」
花村祈「二人とも!う、後ろ!!」
佐々木・花城「!?」
狩野下切戸「逃がさん」
嘘だろ?もう追ってきたのか、、
我殺狂助「その三つ目の種性によって危前らはエスケープを味方に率いれたやつを相手にしていたんだな。」
桐生亜衣「うん。松下っていう人だった。私たちの居場所を教えて用済みになった途端、切り捨てられたけどね。」
坂縞樹「話が脱線してきているぞ。我殺狂助、もう一度聞くなぜ俺らを助けた?」
我殺狂助「あいつらのこれからの企みを阻止するため。そして阻止するためには人手が必要。だから助けた。」
榎宮愷「あいつらの企み??」
桐生亜衣「あいつらはクラッシャーが欲しいって言ってたけど、それと何か関係が?」
我殺狂助「この幸奪戦争は武召喚数値や情報の確保のためにもグループで行動するのが正しい。それにはほぼ全員が気づいているだろう。そして、福山というやつのグループにはクラッシャーがいない。クラッシャーは種性核の一つ。そのクラッシャーが福山グループに一人でも味方につくと、恐らく福山グループ以外のほぼすべてのグループが失格になる。あいつの狙いはそれだろう。」
桐生亜衣「福山グループ以外全滅、、??」
榎宮愷「クラッシャーの種性はなんなんだ。」
我殺狂助「ここのメンバーだと桐生と坂縞、そして俺もクラッシャーだ。クラッシャーの種性は武召喚数値の初期設定数が4であること。そして、投影される武器の威力はサイズは通常の2倍ある。」
坂縞樹「俺と桐生が榎宮の武器よりでかいのはそれが理由か。」
我殺狂助「そしてクラッシャーにだけ【クラインド】というものができる。まぁクラッシャーにだけできる必殺技と思えばいい。そしてクラインドの威力はファーストの20倍。まぁクラインドを使う単価も20倍になるんだがな。」
坂縞樹「つまり、福山グループはクラッシャーのクラインドを利用して、他の参加者を一掃しようと。」
我殺狂助「そうだ。クラインドを乱発する際の数値を増やす、つまり武召喚数値を増やしたいときは他の参加者から特定の数値を振り込んでもらう場合と相手を消すことでそいつが持っていた全武召喚数値を強制的に奪うがある。」
桐生亜衣「福山グループはその後者の行動で数値をどんどん増やしている。」
我殺狂助「そう。住宅街の地獄絵図もそれが目的だとしたら辻褄が合う。」
坂縞樹「福山グループにクラッシャーを渡せない、そして武召喚数値を大量に持っているそのグループに対抗するために人手が必要。お前がそれを知っているのは前回参加このゲームに参加した知識と考え方によるもの。ここまでは納得できた。ただ一つ、俺の考えすぎなのかもしれないがお前は福山グループ以外の【ほぼ】すべてが失格になるといった。そのほぼに何か意味はあるのか?」
我殺狂助「この幸奪戦争、身体能力が非常に重要になってくる。てことは、数値が低くてもそいつの身体能力が異次元レベルに高かったら、ある程度数値を持っていてもそいつに負ける可能性がある。仮にそのフィジカルギフテットが他の参加者を武召喚を使わず、倒し、その数値を溜め込んだ場合、そいつがツインサモンのように一つの武器に何重もの威力を注ぎ込んだら、それの威力はクラインドをも越えるものになる。」
榎宮愷「そんなフィジギフがこの幸奪戦争の会場にいるのか??」
我殺狂助「…あぁ、一人知っている。そいつの名前は花城如音多分、こいつが参加者の中で一番強い。」
ゲーム開始から1日と7時間
残り参加者 530人
最後まで読んで頂き誠にありがとうございます。初の投稿作品ですので、まだ粗削りで不出来なところもあるでしょうが温かい目でこれからこの作品を見守って頂ければ幸いです。作品を読む際に【ハッピーエンドとはどういうものなのか】このことを念頭に置きながら読んで頂ければ、より一層深くまでこの作品を楽しめると思います。これからもこの作品を皆さまに楽しんでいただけるよう、精進して参ります。




