やっぱり魔物狩り♪
「みんな揃った?」
「あぁ」
リリアーナ達がいるのはギルドの前。夏季休暇も中盤に近づいており、リリアーナの約束通りSクラスメンバーと姿変換魔法を取得したカルマが集まった。カルマの事はリリアーナの彼氏ということになっている。ナルとハナには口止めをした。
「じゃあ行くか」
「いらっしゃいませ…殿下!?」
「あぁ、そうだが」
「し、失礼しました!」
受付嬢は驚きの様子だ。元々知らないとしてももう王太子になってしまったのだ。この国に知らない人は絶対にいない。カルマは元々ギルドカードを持っているので、受付嬢はハルキに続き驚いたが、手紙で口止めをされ、コクコクと頷いてなんとか魔物狩りを許されたのだ。キーナがアンナ帝国と仲良くしたかったのもあり、魔法大学校の準備があったあたりから、カルマ経由で国同士も仲良くなっているのだ。カルマのおかげで少しずつ帝国の悪さも改善されている。
「まぁ、色々あったけど行きますか」
「いや、リリそれはないわ」
ツッコミを入れたのはニーヒ•キローだ。キロー商会の社長令嬢でリリアーナの立場を知りながらも仲良くしているのだ。
「あのね〜、まずリリ、あなたも一応王族なのよ?しかも殿下もいる。それにリリの彼氏だって貴族って言ってたじゃない。そんな豪華勢揃いが魔物狩りって…ちょっと引くわ」
全くもってその通りだ。というかリリアーナは帝国には認められていないもののカルマとカモフラージュ婚約パーティーで婚約発表をしているので、皇太子妃と言ってもいいのだ。それに加え、アークレト王国の王太子に吸血鬼、そして勇者召喚されたものまでいるのだ。恐ろしい集まりだ。
「まぁ、まぁ細かいことは置いといて、ほら護衛もいるしさなんとかなるって」
そう、今回のことは流石にキーナにも伝達が言っている。なので、今回は全員の能力を見れば、というかまず化け物レベルが少なくとも5人いるので大丈夫だが、人が人なので護衛がつくことになっているのだ。もちろんその護衛はリリアーナのことも知っているリクだが。そしてリリアーナたちは、森に向かい、魔物を狩る準備を始めた。
「!来るぞ!」
カルマが注意深く魔力探知をしていたのですぐに分かった。リリアーナやハルキ、アーナに北斗も同じ時に気づいた。
「さぁて、今日はグループに分かれたいから、シニー、ヒレア、ミーウ、ニーヒ、ハナ、そしてナルでやってみよう!」
ヒレア・リーチ。両親ともども魔法師団に入っており、イケメンで、昔からモテているらしい。ちなみに、もう結婚を前提に付き合っている人がいるので、Sクラスの独身の女子にそのはなしをすると、毎回に怒られている。
ミーウ・シミニ―はシミニー工房というアークレト王国でも人気のある工房のいわば社長令嬢だ。ハナとナルは言わずもがな。
「えぇ!これ、大型ですよ!」
「大丈夫大丈夫、災害級は他の全員が一人ずつ討伐するから」
「「!?」」
ハルキやアーナ、北斗そしてカルマは最初から分かっていたようで、溜め息をつくだけだった。
「ほらほら、来るよブルーグリズリーが2体かな?」
ーガルゥゥ!!!
恐らく4メートルはあるであろうブルーグリズリーだった。ブルーグリズリーはほとんど災害級なのだが、まだ子供の魔物だったので大型に分類されるだろう。
「みんな、準備はできた?」
『はい!』
みんな無詠唱ができてしまうのでイメージがうまくできればすぐにできてしまう。
「それじゃ、撃て!」
リリアーナの大声(本当はリリアーナが作った拡声器で喋っているだけ)と同時に魔法が打たれる。そして魔法撃って見えたのは、地形が10メートル程度変わったものだった。
「やっぱり地形が変わるか〜」
「Sクラスとはいえ、こんなに変えてしまうとは…」
カルマは頭を抱えている。前世でも頭を抱えたことはあったが、今世は違う意味で頭を抱えそうだった。北斗がカルマの背中をさする。父親からもよく聞いているので、大変だなという目でカルマを見る。その光景は家族そのものだった。
「さぁて、ほらキーク、ノーセ、ハルキ達も準備して。私が魔力で災害級集めてるから」
「「なんだって!?」」
「お前、やっぱりか…」
「お姉様はドS。」
「はぁ、リリはどこまで行くのやら…」
「カルマ、どんまい」
キークはハルキの側近の1人だ。そしてノーセの本名はノーセ•ヌルーといって、ヌルーホテルの跡取りだ。ちなみにニーヒの彼でもある。
「はいはい、来るよ〜。今度はレッドグリズリーの災害級かな?あと獅子と虎とあと…」
「!馬鹿か!お前!いっぱい来てるじゃないか!?」
「あ〜ゴメン…てなわけでレッドグリズリーをキーク、獅子をノーセがやって、北斗が虎やってね、その他は100体の災害級に備えてね〜」
『了解(!?)』
「100体ってお前…」
「別に大丈夫だって」
カルマはまた頭を抱えた。北斗はまたカルマを慰めている。なんか立場が逆転しているようにも見えるが、違うだろう。そしてキークとノーセ、そして北斗は瞬く間に災害級を討伐した。キークとノーセは緊張などで疲れているが、北斗は災害級?これが?と言った感じだ。なんたって根性で迷宮攻略しちゃう人なので何とも思ってないのだ。恐るべし大迷宮攻略者。
「はいはい〜、ハルキとアーナ、それに北斗とカルマだけ残って〜」
「はぁ~もうやればいいんだろ?やれば」
なんかやけくそ気味になっているカルマだが、別に恐怖は感じていないようだ。単に面倒くさいと思っているらしい。恐るべし大迷宮攻略者✕2。
「はい準備〜、カルマは爆発終わったら洗脳魔法よろ」
「へいへい」
「それでは撃て!」
そして世界トップクラスの4人が魔法を放った。でも、災害級100体は流石に残ってしまう。と言っても後30体だ。ちなみにリリアーナは爆発の衝撃で木やらなんやらがとんでくるのを物理障壁と魔法障壁を2つ使って他の者たちを守った。
「はい。じゃあハルキとアーナと北斗下がって〜」
「あれやんのか?」
「うんやるの」
やりたくないオーラがでているカルマ。すると2人は手を繋いだ。
『魔力融合』
『洗脳』
『選定』
『順守』
『自爆!!』
その瞬間魔物たちは形を綺麗に残したまま自爆した。
「こりゃ、いいな」
「だから言ったでしょ?」
2人で自爆した魔物たちを見ながら笑う。
「これ…どういうことだ?」
「リリ…カルマ…お前等何をやった?」
「えっと…、ほら合同訓練でやった魔法があったでしょ?それだと中型200体までだからカルマと私のまず魔力を混ぜてその後洗脳して言うこと聞かせて自爆したってところね」
『………』
リリアーナが説明すると皆んな固まった。そしてその説明を聞いて思った。
(この人達は絶対に敵に回しちゃ駄目だ…)
と。
「さぁて、そろそろ回収して帰りますか。」
「そうだな、魔力も三分の一失ったし」
いや、あれで三分の一ってどういうことよ?とみんなカルマとリリアーナを見て思った。そして討伐した魔物を回収してギルドに向かった。討伐した魔物の量を見て受付嬢の顔が真っ青になったのは言うまでもない。
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