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婚約パーティーと迷宮

リリアーナとカルマの政略結婚が決まり、2週間。そして明日、リリアーナたちは婚約パーティーを挙げる。と言ってもほとんど結婚式みたいだけど。だがリリアーナは気になっていた事があった。


「あの、私は国民に知られていない。どうやって婚約パーティーを行うの?」

「親近者のみで行う。と言っても人数半端ないけどな」

「でも最終的には国民にも話さなければいけないわよね?」

「あぁ、だが俺だけが前に出て結婚したと言えばいい。例えば騎士の娘とか言ってな」


リリアーナはため息をついた。


「あのね、それが国民に通用するとでも思ってるの?」

「もちろん思ってないさ」

「じゃあどうやって」


そしてリリアーナと被せるくらいでカルマが話した。


「一か八かだが国民は意外とアホ…じゃなくて天然が多いから大丈夫だと思うぞ」


「次期王として最も言っちゃいけない言葉を聞いた気がするけど気のせい?」


リリアーナは少し睨みつける。


「空耳だよ、それに俺らには洗脳する能力がある。」

「確かに」

「いい考えだろう」


悪魔の笑みを浮かべた


2日後…

「こちらのドレスかこちらのドレス、どっちにいたしますか?リリアーナ様」


使用人が持っていたのはピンクのドレスと水色のドレスだった。その色を見てリリアーナは思い出した。


『あっちについたら海見に行こう!あとはホテルでのんびりしようね!』


少し口角を上げたリリアーナだったが、すぐに戻った。


「水色のドレスにするわ」

「かしこまりました」


そして、ヘヤメイクなど全てが完成した。その時、カルマが入ってきた。


「綺麗じゃないか」


よくイケメン男子が言うやつとリリアーナは思った。


「カルマも似合ってるよ」


白いタキシードがまるで白馬の王子様だ。2人だけの部屋だから敬語なしで話せる。ちなみに2人とも親がいる時は敬語だ。


「よし、行くか!」


なんだか楽しそうなカルマだが、内心リリアーナも初めてのパーティーがとても楽しみだったので同じテンションで返事をした。


「うん!行こう!」


クラシック音楽が流れると同時にカルマとリリアーナが登場した。もちろん出てきた途端リリアーナとカルマは拍手に包まれた。


「初めまして、リリアーナ・シーネ・カルテです。本日は私たちの婚約パーティーに来てくださいましてまことにありがとうございます。」

「ぜひ楽しんでください」


リリアーナとカルマが挨拶をするとまたもや拍手が起きた。

そしてリリアーナとカルマの婚約パーティーが始まった。


「いや~実にめでたい。リリアーナ様、カルマを頼みましたからね。」

「えぇ、もちろんです。」


挨拶まわりもだいたい終わったが最後にカルマの両親のところに行った。


「これからよろしくお願いします」

「こちらこそだ。」

「父上、母上、今日は城にいらっしゃるんですか?」


カルマが質問するとカルマの父は頷いた。


「だが気にするな。なんてったって今日は'初夜"なんだからな」


カルマの父はかなり酔っていた。だが、カルマとリリアーナは鵜呑みにしてしまい、同時に眉間にしわを寄せながらお互いの方向を向いた。


(カルマと初夜?ふざけるんじゃないわよ。それに今日は魔法を作るんだから。)

(こっちもだ。お前と初夜を過ごすと考えるだけで熱が出そうだ。政略結婚なんだ。絶対にしない。)


お互い声は出してないのになぜか分かってしまったのだ。お互い何を思っているのかが。

そんなこんなで無事パーティが終わった。


「あ~、疲れたわ」


溜息つきながらベッドに横たわるリリアーナ。


『リリアーナ様お疲れ様』

「ありがとうキャルル」


もちろんキャルルもこの城にいるが婚約パーティーは映像で見ていたのだ。リリアーナが作った地球で言う《テレビ》というもので。

するとドアをノックされた。


「どうぞ」


リリアーナがいうとある者が入ってきた。


「カルマ?なんでいるの?」

「決まっているだろ。一緒の部屋で寝るからだ。」


リリアーナは目を丸くした。


「はぁ〜!?」

「しっ!静かにしろ」


カルマに言われとっさにリリアーナは自分の口を手で押さえる。


「俺は反対した。だが…」

「だいたい察したけど…言葉にしたくないわ…」


リリアーナもカルマも溜息をする。


「まぁいいわ。寝ましょ早く。明日行きたいところもあるし」


少し小声で言ったリリアーナだがカルマはもうベッドに横たわっていた。


「疲れた。おやすみ、リリアーナ…」

「はいはい、私の場所取らないでね」


そしてリリアーナ(カルマもだが)異世界で初めて人と一緒に寝たのだった。


次の日…

「カルマ、起きて」


カルマがやっと目を覚ました。そして飛び上がったのだ。


「どうしたの?全然起きなかったのに起きた瞬間ベッドから飛び上がって」

「いや、別に…」


カルマはリリアーナが起きた瞬間近距離すぎてびっくりしてしまったのだ。


「早く準備して」

「準備ってどっか行くのか?」


カルマは洗面所で歯を磨きながらリリアーナに質問する


「まぁね、妹(仮)のところよ」

カルマはわからなかったが準備をした。

「できたぞ、ってお前…」

カルマは驚いた。リリアーナが戦闘服のようなものを着ていたからだ。ガチャガチャしてないが。

「じゃあ行くわよ」


それと同時に魔法陣が床にできた。カルマは驚きながらも少し興奮していた。そして魔法陣から現れたのはドアだった。


「行くわよ」

「行くってまさか…」


リリアーナはニヤリと笑いカルマを引っ張った


「うぉ!?」


引っ張っられたカルマはすごい声を出してしまった。


『いってらっしゃい、リリアーナ様、カルマ様』 


そしてドアを開けるとそこには洞窟が広がっていた。

カルマはその洞窟を知っていた。


「ここは、第3迷宮の『洞窟の倉』じゃないか!?」 


そうここは5個ある迷宮の1つだったのだ。ここは皆から恐れられていた場所であり、攻略を目指していたカルマにとって驚く場所だったのだ。


「そのとおりよ。まぁ行きましょ」

「行くってどうやって…?」

カルマは疑問が増えていく。その時、リリアーナはネックレスのようなものを取り出し洞窟の倉に入った。

「カルマも早く。転送されるから」

「え?」


その瞬間洞窟の入口にはカルマとリリアーナの姿は見れなくなっていたのだった。



読んで頂きありがとうございました。よければ感想、誤字脱字よろしくお願いします。

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