授業開始
「ねぇ、あの人本当に大丈夫なの?」
「ハルキ殿下とも仲が良さそうだし、もしかして裏口入学?」
「いいえ、陛下はそんな方ではないはずよ」
ヒソヒソと聞こえる声。もちろんその話題は他でもないリリアーナだ。当の本人は…なんとも思っていないそうでただただ廊下を歩いている。
「やっぱりお前の精神どうかしてるわ」
「言い方酷くない?だてに私大迷宮行ってるし、閉じ込められてたからこんぐらいお手のもんだけど」
リリアーナと話してるのはいつものメンバーだ。
「ホクト様っていうんでしょ?イケメンよね〜」
「しかも4席で飛び級したんでしょう?顔も良くて頭もいいってすごいわよね」
「ほんと性格も良さそうだし、アークレト王国には元々いなかったのかしら?」
優斗と似て顔が整っている北斗はすぐに広まった。
「今どんな気持ち?モテモテで」
ニヤニヤ北斗を見るリリアーナ。高校では顔はいいけどオタクで面白くないという感じだったらしい。大迷宮で色々な経験をしているので落ち着いてるのもモテる一つの理由だろう。そしてSクラスのドアを開いた。
「おはようございます」
「あぁ…」
Sクラスの皆も緊張している様子だ。ナルとハナは大丈夫そうだが。
「席につけ〜、授業を始めるぞ」
そして、1日目の授業が終わったのだった。
「明日から魔法実習か」
「あぁ、1ヶ月後には魔物討伐もやるらしい。といっても魔法レベルが高い人間達だけだがな」
「そっか〜、ここにいるメンバーは全員やったことがあるから大丈夫だろうけど、ちょっと心配だな〜」
そう。ホクト、リリアーナはともかくアーナやハルキも魔物討伐をやったことがあるのだ。オリカの家に遊びに来た時にちょうどいたというタイミングが悪かっただけだが。
「無詠唱少しやっときたいな。オリカの家の近くで練習しようかな」
「あ、そうだ。私今日一緒じゃないからね」
「どうしてだ?」
「召喚者のみんなに学校のこと言ったら最後だけ魔法教えてくださいって言われちゃって…カルマも大迷宮攻略で行き詰まってるっていうことを愚痴ってったからちょうどいいかって思ってさ。」
そう。実は入学式直前に学校のことを召喚者達に話したのだ。少し事情を省いたが。
「じゃあね」
「おう」
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「リリ!」
大迷宮前で待ち合わせだったのでゲートでリリアーナが待機していたのだ。午後なので今日は41階層程度で終わってしまうだろうが。
「カルマ!皆さん、気合い入れて行きましょうね!」
『はい!』
そして討伐が始まった。リリアーナは相変わらず無詠唱で魔法を撃ち召喚者達の援助。カルマは剣と魔法で援助。リリアーナは治癒師の援助をする形で攻略していった。その時中ボスが現れた。カルマとリリアーナは微動だにしなかったが、勇者達は(現在攻略しているのは勇者パーティー)後ずさりしていた。
「中ボスか…階層が深くなっているからこれからたくさんこの中ボスが出てくるだろう。今日は疲れているだろうから私とリリがやる」
「え?でもお二人とも魔力が…」
「まだ全然減ってないから大丈夫よ」
1日で大迷宮攻略した人達にはこんな攻略スピードちょっちょいのちょいなのだ。
「リリ!いつも通りで!」
「了解!」
そしてカルマは足元を凍らしてその瞬間剣で足を切った。そしてリリアーナが倒れた瞬間を見逃さずおでこに小さな石の弾丸で仕留めた。秒殺だ。勇者パーティーや護衛の騎士達は顎が外れる位口を開いてポカンとしている。
「まぁ、今回はこんな感じでやるしかなかったからあれだけど、ちゃんと役割分担をしてやってね」
「リリ、今日はありがとう。助かったわ」
「まぁ、勇者パーティーのみんながプライドズタズタにされてないかはちょっとあれだけど…今日は来てよかったかな?カルマと久々に戦えたし楽しかったありがとう!」
リリアーナとカルマはハイタッチをした。だが、カルマは冷や汗をかいていた。リリアーナがまた変なこと言いそうな気がしたのだ。
(レベル2目指そうとか言い出しそうで怖いな…)
そして久々の大迷宮攻略は幕を閉じたのだった。
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「今日は魔法実習だ。本当は俺か魔法師団の者が指導するが今回はこの4人に指導してもらう。」
そう教師が言った瞬間出てきたのはリリアーナ達だ。生徒達は混乱している。
「お前達には魔法を無詠唱で使えるようにしてもらいたい。それで無詠唱が使えるこの4人に頼むことにした。では4人とも無詠唱で魔法を撃ってくれるかな?」
「的も必要ですよね?」
「いや?的は壊れてしまいそうだから用意していないが…」
「じゃあ作りましょうか」
そうリリアーナが言った途端4人が校庭の端に行き、魔法で的を作った。
「だいぶ頑丈にしたので大丈夫だと思います。」
「お、おう。ではやってもらおうかな」
そしてリリアーナ達は1人ずつ魔法を撃ち始めた。リリアーナとホクトは青い炎を、アーナは雷でハルキは氷だ。見た瞬間生徒達は固まった。教師達もだ。
「無詠唱は魔力量が必要です。そのためには魔力を魔道具に注ぐように魔力だけを出すことが必要です。その後にイメージをする。なので今回は魔力を体の外にだし、制御できるようにすることを目標にしましょう。」
リリアーナがそう言うと、頷くものと冷たい目線で見るものがいた。
「魔力の量を見させてもらえませんか?」
「いいでしょう。先生方、治癒魔法を用意してください」
「え?あ、はい」
そう言った瞬間リリアーナは胸の近くを手で押さえその瞬間魔力が吹き出した。その瞬間倒れるものが続出した。
気を失う寸前の生徒もいる。
「まぁ、これが私の三分の一です。他の3人も見せた方がいいでしょうか?」
「いや、今日は大丈夫です」
どうやら先生方もリリアーナの魔力が凄すぎて疲れたらしい。
「皆さん魔力で疲れているようなので、治癒かけますね」
その瞬間リリアーナの近くから徐々に治癒魔法がかけられていく。治癒魔法は治したいという気持ちから来るものなのだが、リリアーナのは少し違く、体の内部を前世で習っているのでそれを応用しているのと、時間を巻き戻す魔法で一人一人の正常な体に治しているのだ。絶対にこれは神の領域なのだが、そんな魔法さえ作っちゃうリリアーナ。リリアーナのことを知っている3人は相変わらず規格外だわという目でリリアーナを見ている。
「では、皆さん始めましょう!Sクラスの皆さんはこちらにきてください。皆さんにはイメージの仕方を教えます」
そして初めての魔法実習は幕を閉じたのだった
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