初めまして、よろしく!
「うわぁ!みんな似合っています!」
「まさか本当にアニメで見る異世界の服が実在するなんて…」
「異世界ですからね!」
少し笑いが起きる。少しリリアーナがいたからか召喚されて戸惑っていたクラスの人達も落ち着いてきたようだ。
「では、一緒に食べながら自己紹介しましょう!どうぞ席に座ってください!」
実はリリアーナ、前世でそんなに学校でいい思い出がないので制服姿が苦手で少し怖かったのだ。着替えてもらってリリアーナも少し落ち着いたのも事実
「では、私から。私はリリアーナ•アンナです。次期王の妻です。申し訳ないんですけど私の能力は皆さんとカルマだけの秘密にしてほしいのです。」
少しの沈黙。とある生徒が口を開いた。
「分かりました。けど事情を教えてください」
リリアーナに視線が集まる。仕方ないと感じたリリアーナは話すことにした。
「私は生まれた頃レベルが低かったのです。戦ったりしたら一分で死んでしまうし、外に出たりして魔力が強い人に会ってしまったらもう終わりということだったんです。これは私がこの国にいると知られてない理由でもあります。」
「でも、あなたは今魔法が使えて…」
「少し省きますが五歳の時、力が覚醒しまして魔法を使えるようになったのです。」
リリアーナは話すのはまずかったなと今更思った。
「それだったら報告すれば…」
「魔法というのは徐々に上がっていくものです。何年もの月日を得て自身の限界まで辿りつくんです。だから何倍にも上がってしまった私の魔法レベルは見られたらまずかったのです」
やはりまずかったと思うリリアーナ。少しの沈黙があった後、クラスの一人が口を開いた。
「分かりました!みんなもいいよな?」
「その事情なら仕方ないですよ」
次々とクラスの人達は守ると約束してくれた。
「皆さんありがとう」
(まああったばっかで信じられないのも事実。一応私の名前を言う時にアラームが鳴るようにしとこう。)
リリアーナの気持ちは間違えではないし当たり前の事だが結構信用できないのがリリアーナだ。信用が早かったカルマはすごいと言う事だ。
「じゃあ一人ずつ自己紹介を、まずはやっぱり’勇者様”から」
「えっと、勇者になった。天山勇哉だ。よろしく」
頭をさげる勇者。茶髪気味のイケメン少年。モテる人というのはこういう人の事を言うかもしれない。
「じゃあ隣の」
「七瀬綾乃です。職業はカウンセラー兼治癒師です」
いわゆる絶対に知らぬ間に有名になる美少女だ。
そして次々と自己紹介をした。
「僕は小早川北斗です。職業は修復師と’予知師”です。」
(予知師…よくあるけど弱い魔法だわ。みんな結構強い魔法が多いし、彼は結構おちょくられてるし大丈夫かしら?)
記憶から彼らのことは大体分かっているのだ。
「じゃあこれでみんな終わりかな?ありがとう」
拍手が起きて夕食は終わった。
「ただいま」
「おかえり〜」
『おかえりなさい。カルマ様』
三人微笑みながら挨拶をする。
「なんだ?魔法を作っていたのか?」
「えぇ。戦争が終わったら多分召喚されたみんなは大迷宮に行かされるわ。」
「まさかお前悪いこと考えたりしてないよな…?」
リリアーナが悪魔の微笑みをする。
「正解よ。すべて私は大迷宮をクリアする。召喚されたみんなに行かせる前にね。あ、カルマ。着いてきてね。二人が暇な時に行こう。」
「お前…レベル3のところ一人でクリアしたよな?」
「まぁしたんだけどさ…その時ちょうど兵士達が来てたから透明になって肉壁になってもらったわ。お陰ですぐに攻略できたわ。」
「お前本当におそろ…じゃなくてよく考えるな…はは…」
苦笑いをするカルマ。
「まぁ、分かったよ。意外と俺も行きたいしな。召喚された奴らには悪いけどな」
「じゃあ、約束」
とてもリリアーナの顔は嬉しそうだったのだ。
翌朝…
「大変です!魔人がなぜか来ます!」
ノック音がしてすぐ兵士がきた
「「えぇ!?」」
リリアーナとカルマは口を揃えて驚いた。
「リリ、お前また援助頼めるか?」
「もちろんするわよ。でもあなたのお父さん、とてつもないことし始めるかもよ」
リリアーナの予想は当たっていた。
「父上!まさか召喚されてまともに訓練を受けていない人達を使う気ですか!?」
「あぁ、そのために呼んだのだ。意外にも早かったがな」
リリアーナは内心怒っていた。そりゃもうカルマの父を殺したいぐらいに
(この人バカだわ。いっそのこと魔人族すべて燃やして口出しさせないようにしようかしら。)
カルマは隣にいるリリアーナから怒りのオーラが出ていたので冷や汗を流していた。
(リリ、落ち着け。俺もそう思ってるが流石に今はダメだ。)
「そんなのよくありません!魔人族は絶対に力を数日ですがあげているはずです。未経験の人間にやらせるなどとても国的にもよろしくないのでは」
カルマに正論を突きつけられ無言になるキャルス。
「もしあなたがそんなに使いたいなら後方にまわっていただいたらいいんじゃないでしょうか?戦闘経験はないですが魔法なら使えます。何かしらできるのでは?」
リリアーナは最も被害が抑えられる後方ならと思いキャルスに案を出した。
「君は黙れ。魔法も使えない人間が口を挟むなど失礼にも程がある」
「それはないと思いますよ。帰って少し戦争であった事を話しましたが、言うまでもなくすぐに理解し次はこうするのがいいととてもいい案まで出してくれたんですから」
そう。今回の戦争が国が勝ったのも意外とリリアーナがいたからだったりする。戦って魔人族を倒したのもそうだが意外と後ろで作戦を考えカルマに提案していたのもリリアーナだ。
「ということでよろしいですよね」
リリアーナの圧は王も勝てないらしい
「あぁ、失敗したらお前の場所がなくなる事を忘れるな」
(いつ決めたのよそれ。というか提案してる側なのに本当この人人の扱いが下手すぎるわ)
リリアーナは心の中で文句を言った。
「えぇ、もちろんです。」
そして第二の戦争が始まったのだ。