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お姉様の婚約

お読みいただきありがとうございます。誤字報告もありがとうございます。軽い感じでさらっと読んで頂けたら嬉しいのですが。

話の流れ上おかしなな箇所がありましたので編集しました。拙い文章で申し訳ありません。ストーリーは変わっていません。

 リリエル・アーデンは5歳上の姉エリザベスが大好きだ。姉の金色の髪は流れる様に艶があり波打ち腰の長さ迄ある。

肌は透き通るように白く黒い瞳はぱっちりとしていて慈愛に満ちている。鼻筋はすっと通っていて唇は何もつけていないのに薔薇色なのだ。


私リリエルといえば銀色の髪に緑の大きい目の普通の女の子である。

お姉様大好きな私はいつも後ろをついて歩き、一緒にお茶を飲んだり、ベッドで抱きついて眠ったり、髪をいじらせて貰ったりしている。手先が器用なので編み込みが得意なのだ。


もちろんお姉様も私を可愛がって下さっていてお勉強の時間も一緒に過ごしている。分からないことが多いけれど、語学やマナーは出来るようになり、ダンスはそれなりに踊れるようになっていた。

それらは小さい時に覚えた方が良いらしく、先生からも褒めて貰えた。

お姉様は出来るとぎゅーっと抱きしめて、リリエルはおりこうさんね、と言ってくださる。


ちなみに我が家は伯爵家で、三十代前半の格好いいお父様と二十代後半の美人なお母様と私達姉妹の4人家族だ。


お父様とお母様は貴族学院で出会い恋に落ちたみたい。お母様は子爵令嬢だった。今でも仲が良いから弟か妹が出来るかもしれないと使用人たちが話しているのを聞いた事がある。

本当になると良いなと思う。


私が六歳の時にその願いは叶うことがわかった。

お母様のお腹の中に赤ちゃんがいるのがわかったのだ。産まれてきたのは男の子だった。

とても可愛いくて、髪は金色で目は緑、大きなお目々が私達を見てにっこり笑った。名前はサイラスとお父様が決めた。


お姉様と私はこの子が伯爵家の跡取りねって頷きあった。


お姉様が十一歳の時に婚約者が決まった。相手は侯爵家嫡男十三歳のハリスン・フォワード様、サラサラの金色の髪に黒い瞳、天使のようなお顔立ちの方だった。優しそうな方だなと思った。両家の顔合わせでお会いした時の印象だった。


お姉様達は婚約期間もお互いの屋敷でお茶をしたり、プレゼントを送り合ったり、町へデートに行ったり楽しそうに過ごしていた。

時々お庭で侍女を連れて散歩している時にお見かけした事はあるけど、お姉様とお似合いだと思っていた。一枚の絵のようだったから。


貴族学院に、一年だけど一緒に通学出来るのをお姉様は楽しみにしていらした。



その頃侯爵家の領地で大きな災害が起きてしまった。大雨による川の氾濫で土砂崩れがおき、小麦畑や色々な作物が被害を受けた。

侯爵様は領地へ行き陣頭指揮を取っておられるので、ハリスン様が執事さんと事務仕事をされて頑張っておられる。


学院の単位は既に取っていたので通わなくて良いそうだ。お姉様は心配な気持ちと残念な気持ちが半分なのだけど、ハリスン様の前では平気な顔をしていしらっしゃるのが分かって、見ているのが辛くなった。


侯爵様は取り敢えず領地を部下の人に任せてもいいようにされて王都まで帰って来られた。


私は単純にお姉様が今度こそハリスン様と一緒に、学院に通えるようになると思って良かったなと思っていた。


ある日侯爵様が伯爵家においでになったらしい。そして災害の復興を手伝いをお願いされた。もちろん父様は了承。速やかに援助をされた。被災された皆様への食料支援、薬師や医者の支援、そしてお金の支援。


幸い我が領地は広く小麦だけではなく、果樹園や砂糖の栽培で豊かな蓄えがあり、気持ちよく支援する事が出来良かったと家族中が喜んでいた。困った時にはお互い様だが、そこはけじめとして契約書を交わした。


貴族 社会ではよくあることなのだが、傾きかけた侯爵家と格下の伯爵家の婚約が、悪意を持って流れる事になった。


特にハリスンに好意を持っていた令嬢がエリザベスが金でハリスンを買ったなどと噂を流した。


エリザベスは自分の家には疚しいことなどないのだからと捨て置くことにした。




ようやく領地に復興の兆しが見えたのは、災害から三年が経った頃だった。


三年でお姉様は卒業され花嫁修業をされる事になった。お父様はフォワード家がきちんと立て直しが出来ていないと結婚はさせないと言われた。


私もその方が良いと思う。お姉様にはお金の苦労はしてほしくないから。愛があれば乗り越えられるなんて嘘、並大抵の事ではないと思う。お金は大事。無いよりあった方が良いに決まってる。災害もお金が無くては助けてあげることも出来なかった。





もう少し先だけどお嫁に行く時には小麦の種と、砂糖を作る甜菜を貰っていこうと思う。

自分の財産って大切だ、お父様にお願いして持参金の一部を私名義にしてもらうのもありだと思った。


将来の旦那様が頼りにならなかったり、嫌だけど浮気者だった場合にも大事なことだと思う。


リリエルも後一年で貴族学院に入ることになった。勉学は家の家庭教師から教わっているし、5ヶ国語は話せる。ダンスも楽器も一通りこなせる。後は交友関係を広めるだけだ。今のうちにのんびりと姉と私と弟で絆を深めておかなくては。

私達はゆっくりとお茶を楽しむ事にした。



私の婚約は学院に入ってからということになっている。お姉様のように早すぎて、もし援助することになったとしても断れない事になれば共倒れの可能性があるからだそうだ。

侯爵家からの返済は未だ半分くらいらしい。


お姉様はどうなるのだろう。想い合っている二人を引き裂くことはなさらないと思うから大丈夫だと思いたい。





登場人物達がが勝手に動き始め、筆者の狙いとずれてしまいそうですが、ハッピーエンドが好きなのでそこに到達するよう頑張ります。

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