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49.秋の始まりと麗子

(秋の始まりと麗子)


 二学期が始まって、まもなく、やはり麗子の怒鳴り声が学校中にこだましていた。

「正美っ! アミ、見なかったっ?」

 麗子が、隣のクラスの正美に訊きに来ていた。

「知らないわ……、今日はまだ、一度も見てないわよー」

「どこにも、いないのよー!」

「あ―、わかった。午後から体育祭の練習でしょう。逃げたのよ―?」

「でも、おかしいな―? もうモデルは、いないはずなんだけどな―」

「何それ、……?」

 正美は、不思議な思いで麗子を見た。

「正美、アミのモデル、やっているわけ、ないよね―?」

「えっ! モデルって、……?」

 正美は、何のモデルか話しの先が見えなかった。

「あっ! 何でもないのよ。気にしないで……」と麗子は慌ててはぐらかした。

 塾に忙しい正美がモデルを引き受けるとは思えなかった。

 あと考えられるのは、良子先生……

「でも、まさかね―? ……」

 麗子は、考えながら否定していた。


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